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ルーマニア・アメリカ大学で「甘酒手作り体験ワークショップ」を開催いたしました – 2025 Miss SAKE Japan 館農知里

皆さん、こんにちは。2025 Miss SAKE Japan 館農知里です。
8月4日(月)、高校生派遣型日ル文化交流プログラム「REC PROGRAM」の一環として、ルーマニア・アメリカ大学「アンジェラ・ホンドゥル」日本研究センターにて「甘酒手作り体験ワークショップ」を開催させていただきました。


REC PROGRAMについて

REC PROGRAMは、日本とルーマニアの高校生を対象に、文化や教育を通じた国際交流と相互理解の促進を目的とする派遣型プログラムです。REC PROGRAM 2025では、日本人高校生が12日間にわたってルーマニアを訪問し、現地学生とともに、伝統工芸、食文化、民族衣装、舞踊など多岐にわたる分野で文化体験的な交流を行うほか、そのプロセスをドキュメンタリー映像として記録・発信することで、異文化理解の重要性や自己成長の意義を広く社会に伝えることを目指しています。本プログラムは、在日ルーマニア大使館およびルーマニア・アメリカ大学「アンジェラ・ホンドゥル」日本研究センターの後援のもと実施され、文化的・人的交流を通じた将来的に国際協力に貢献し得るグローバルリーダーの育成、および長期的な日・ル関係の深化を目指す取り組みです。


ルーマニア・アメリカ大学「アンジェラ・ホンドゥル」日本研究センターについて

ルーマニア・アメリカ大学「アンジェラ・ホンドゥル」日本研究センター(Centrul de Studii Romano-Japoneze “Angela Hondru”)は、日本語および日本文化の普及を目的に、幅広い教育・文化活動を展開している機関です。センター長のシェルバン・ジョルジェスク(Șerban Georgescu)氏のもと、茶道、生け花、折り紙、書道、着物、和太鼓など多岐にわたる分野で、専門家による講座が開講されています。現在は500名以上が在籍しており、学生に限らず一般市民にも学びの機会が提供されています。また、文化普及イベント、日本への研修旅行、奨学金制度などのプログラムも積極的に実施されており、2021年3月には日本外務省より文化普及活動に対する表彰を受けるなど、ルーマニアにおける日本理解の促進と日ル関係の深化に大きく寄与しています。


甘酒手作り体験ワークショップ

今回、日本とルーマニア出身の高校生を対象に、Miss SAKE として「伝統的酒造り」の価値と魅力を伝えるべく、ノンアルコールかつ栄養価の高い米麹由来の「甘酒」の手作り体験ワークショップを実施しました。 学生や講師を含めて、合計約30名ほどの方々に参加していただきました。はじめに、「麹」をテーマに、日本の食文化と発酵の関係についてのプレゼンテーションを行いました。その後、甘酒仕込み体験、塩麴作り体験を行い、実際に甘酒のテイスティングを実施しました。終盤には、学習内容をもとに日本人学生とルーマニア人との間で意見交換を実施しました。

プレゼンテーションの冒頭、「『麹』という言葉を聞いたことはありますか?」という質問に手を挙げたのは、日本人学生のみ。しかし、味噌汁や醤油、日本酒の画像を見せると、ルーマニア人学生から「Miso Soup!」「Soysauce!」「Sake!」という活発な声が見られました。そう、世界で人気を集める日本食の基礎は「麹」によって支えられています。麹には、約100種類の酵素が含まれ、特にプロテアーゼがタンパク質を分解し旨味である「アミノ酸」を生み出し、アミラーゼが甘味である「ブドウ糖」に分解するなど、発酵に欠かせない役割を果たしています。また、1000年以上の長い歴史の中で育まれた麹菌は、日本醸造学会より「国菌」に認定され、2024年12月には「伝統的酒造り:日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術」がユネスコ無形文化遺産にも登録されました。中でも、甘酒は「飲む点滴」と呼ばれ、栄養価の高さと吸収の良さで親しまれています。特に、米麹の甘酒はアルコールを含まず、自然な甘みとやさしい口当たりが特徴です。栄養面での働きから、疲労回復や栄養補給、美容における効果も期待され、健康志向の現代に日本が誇る万能ドリンクと言えます。

続いては、甘酒手作り体験。ここでは、炊飯器の「保温」機能を使った甘酒レシピを基に、甘酒の仕込み段階を体験しました。日本人学生・ルーマニア人学生ともに初めての挑戦で、「こんなに簡単にできるなんて!」という驚きの声が多く聞かれました。中には、余った麹を自宅に持ち帰り、自宅でも試したいと話すルーマニア人学生も複数いました。塩麴体験では、一週間かけて毎日一回かき混ぜながら発酵させる過程があることから、「育てる感覚が面白い」といった発酵調味料への新鮮さを感じるという意見も。最後の意見交換の際には、これと関連して、ルーマニアにある酸味の効いた酢のような発酵調味料「Borș(ボルシュ)」との比較も挙がりました。甘酒や塩麴は「麹」を通じた発酵であり、Borș(ボルシュ)」は「乳酸菌」を通じた発酵であるという点で違いはあるものの、国境を越えた「発酵」による食文化の多様性についても深く考える機会になりました。

甘酒テイスティングの際には、ルーマニア人学生から「美味しい!」という声が挙がるとともに、「砂糖を使っていないのに、どうしてこんなに甘くなるの?」という驚きの声が多く聞かれました。中には、おかわりを求めるルーマニア人学生も多数おり、会場は大盛況となりました。今回の甘酒手作り体験ワークショップを通して、「麹」のパワーや風味、健康効果を日本から遠く離れたルーマニアという地で現地の人々に知ってもらえることができ大変嬉しく思いました。


日本文化を学ぶルーマニア人学生

滞在期間中には、ルーマニア・アメリカ大学「アンジェラ・ホンドゥル」日本研究センターにおいて、着付けや茶道、生花といった伝統文化を学ぶ学生達の活動風景を見学させていただきました。彼らの活動拠点は、約20年前に日本から持ってきた畳が敷かれた約6畳ほどの「和室」。それぞれのグループに20名ほどのメンバーが在籍しており、毎週定期的に活動を行っているそうです。

着付け部では、ルーマニアで唯一の着物デザイナーであるラウラ・カラメン(Laura Caraman)氏が着付け指導を行っています。原宿系やヴィジュアル系から日本のファッションに興味を持ち始めたというラウラ氏。現在は、着物のデザインから製作まで、全てを自身の手作業で行っています。中でも、ルーマニアと日本の文様を融合させた斬新なデザインが人気です。今回特別に見せていただいた、ルーマニア文様の「ジャスミンフラワー」と日本の「風」を掛け合わせたデザインからは、和と洋が融合した新たな日本文化の可能性を感じました。和室では、着付け部の学生たちが、浴衣を着付けるデモンストレーションを披露してくださいました。学生の中には、今年来日し「着付師」の資格取得を目指しているという学生もおり、私が当日着ていた着物の模様や「ふくら雀」の作り方、着付けに要する時間など、たくさんの質問をいただきました。

また茶道部では、ルーマニアという日本から遠く離れた地でありながら、本格的な裏千家茶道が実践されています。日本から持ってきたという30種類以上の茶碗や茶筅のほか、風炉や高台、炭まで、稽古に必要な道具が全て揃っていました。また、ルーマニアの伝統生地で作ったという「袱紗(ふくさ)」や、ルーマニア陶器で作られた「茶碗」など、ルーマニアの伝統工芸と融合して生まれた新たな茶道具も見られ、多様なコレクションの数々に終始驚かされました。

華道部では、アンドレア・ジョルジェスク(Andreea Georgescu)氏を中心に、草月流のいけばなが行われています。アンドレア氏は、草月流認定講師であり、ルーマニア国内で多数の展覧会や講座も開催されています。大学内でも、いけばな草月流の実践講座が実施され、多くのルーマニア人学生がいけばなを学んでいると言います。今回は、参加学生向けに「いけばな体験ワークショップ」を開催していただきました。今回が初めての挑戦という学生達に向けて、「真(しん)・副(そえ)・控(ひかえ)」などの立体的な美しさを生み出す表現方法について英語で詳しく解説していただきました。

大学構内だけではなく、首都ブカレスト市内には多種多様な日本文化が見られました。市内中心部にある日本庭園は、普段は現地人の憩いの空間となっているほか、春には桜が満開になり5000名以上が訪れる花見イベントも開催されるそう。また現地の書店では、どの店舗を訪れても必ずと言っていいほど漫画や日本文学のコーナーが見られました。ルーマニア人の生活に日本文化が深く根付いている様子に深い感銘を受けました。今回会った学生の中には、最初は漫画やアニメから日本に興味を持ったけれど、今はそれ以上に「思いやり」や「本音と建て前」といった日本人の価値観・考え方をより深く知るため、毎日日本語を必死に勉強しているという学生もいました。彼らの日本語や日本文化に向ける強い関心や情熱に、日本人としての意識や自覚といった「心」の在り方を今一度考え直す貴重な機会をいただきました。

2025 Miss SAKE Japan 館農知里

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