皆さまこんにちは。2026 Miss SAKE Japanの長瀬志珠です。
2026年8月24日から27日まで、和醸和楽の皆様とともに、ベトナム・ホーチミン市を訪問いたしました。
和醸和楽は、「手造りの日本酒文化を伝承・育成・発信し、わが国の食文化の発展に寄与すること」という理念のもと、次世代を担う新しい日本酒ファンの開拓に向けて、「0杯を1杯にする活動」を続けている団体です。2007年の設立以来、日本酒文化の向上を目指し、さまざまな啓蒙・普及活動を行っています。
今回のベトナム訪問では、現地における日本酒市場や酒造りについて学び、日本酒が海外でどのように造られ、伝えられ、楽しまれているのかを実際に知る、大変貴重な機会をいただきました。
MÙA Craft Sake
最初に訪れたのは、ホーチミン市でSAKE造りを行うMÙA Craft Sakeです。
MÙA Craft Sakeは、日本・和歌山県の平和酒造、ベトナムのクラフトビール醸造所East West Brewing Co.、そしてMùa Trà Quế Restaurantのパートナーシップから生まれました。
日本の酒造りの技術と、ベトナムの豊かな原料。それぞれの良さを掛け合わせながら、ベトナムだからこそ生まれるSAKE造りに取り組んでいます。
今回の醸造所見学で特に印象的だったのは、日本酒造りの伝統を大切にしながらも、ベトナムという土地に根ざした酒造りが行われていることでした。
MÙAでは、ベトナム国内で栽培された米を使用し、平和酒造と柴田英道杜氏の監修のもとでSAKEが造られています。日本で一般的な短粒種のジャポニカ米だけでなく、ベトナムならではの長粒種の米も酒造りに取り入れています。
なかでも興味深かったのが、ベトナム南部で栽培される「ST25」という米です。
ST25は、2019年と2023年に「World’s Best Rice」に選ばれたベトナムを代表する米の一つ。MÙAでは、このST25を使用した「CT25」シリーズも展開しています。
日本酒というと、日本の酒米を使って造られるものを思い浮かべる方も多いと思います。だからこそ、ベトナムを代表する米がSAKEとなり、その土地ならではの味わいにつながっていることに、とても新鮮な驚きがありました。
醸造所ではSAKEが完成するまでの工程について、実際の設備を見ながらお話を伺いました。
ベトナムの米と水に、日本から受け継いだ酒造りの知識と技術が重なり、一杯のSAKEへとつながっていきます。
日本酒について学ぶなかで何度も触れてきた工程ですが、年間を通して温暖なホーチミン市で、実際にSAKEが造られている現場を目にしたことは、私にとってとても新鮮な経験でした。
気候も違えば、米も、水も、そこで暮らす人々の食文化も違います。
日本の酒造りをそのまま再現するのではなく、日本から受け継いだ技術を大切にしながら、その土地で育った原料と向き合い、「ベトナムで造るSAKE」として新しい価値を生み出していることが、MÙAの大きな魅力なのだと感じました。
また、MÙAでは「Classic」やST25を使用した「Pure Rice」のほか、パッションフルーツ、パイナップルとチリなど、ベトナムらしい素材を取り入れた個性豊かなSAKEも展開されています。
「SAKE」と聞くと少し難しそうに感じる方にとっても、自分たちの国で親しまれている米や果物、スパイスが使われていることで、「飲んでみたい」と思うきっかけになるかもしれません。
伝統を大切にすることと、新しい入口をつくること。
その両方があるからこそ、これまで日本酒に触れる機会のなかった方へも、その魅力を届けることができるのだと思います。
LUNCH TIME
醸造所を見学した後は場所を移し、MÙAのSAKEが実際に提供されている店舗で昼食をいただきました。
こちらでは、MÙAのSAKEとともに、ベトナムの食材を生かしたさまざまな料理を楽しむことができます。
午前中に醸造所でSAKEが造られる工程を学び、その後、実際に飲み手へ届けられている場所で、料理とともにそのSAKEを味わう。
「造る現場」から「一杯を楽しむ現場」までを続けて体験できたことも、今回の訪問で特に印象に残っています。
現地の食材を使った料理とMÙAのSAKEを実際に合わせてみることで、日本酒を海外へ広めるということは、単に日本からお酒を届けるだけではないのだと改めて感じました。
和醸和楽が掲げる、「0杯を1杯に」
今回MÙA Craft Sakeを訪れ、ベトナムの地でSAKEを造る方々の姿を実際に拝見し、そのSAKEが現地の食文化のなかで楽しまれている様子に触れたことで、この言葉について私自身も改めて考える機会となりました。
日本酒を知らない方に「飲んでください」と伝えるだけではなく、まず興味を持っていただける入口をつくること。
その土地の米を使うことも、親しみのある食材を取り入れることも、現地の料理とともに楽しめる場所をつくることも、その一つなのだと思います。
日本酒の長い歴史や伝統を大切にしながら、その魅力をそれぞれの土地に合った形で伝え、新しい世代、新しい国の方々へとつないでいく。
MÙA Craft Sakeで目にしたのは、まさにそんな日本酒文化の新しい広がり方でした。
2026 Miss SAKE Japanとして日本酒の魅力を国内外へ発信していく私にとっても、これから「0杯を1杯に」するために何ができるのかを考える、大変学びの多い訪問となりました。
MÙA Craft Sakeの皆様、そしてこのような貴重な学びの機会をくださった和醸和楽をはじめ、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
次回は、在ホーチミン日本国総領事公邸で行われた日本酒試飲会についてご紹介いたします。
2026 Miss SAKE Japan 長瀬志珠






























