Miss SAKE News/Blog

第7回ナデシコプログラムレポート~日本酒の文化的価値~2026 Miss SAKE 新潟 山﨑万央

皆様、こんにちは。

2026 Miss SAKE 新潟 山﨑万央です。

4月12日(土)開催の第7回ナデシコプログラムについてご報告いたします。

〇当日のスケジュール

・「日本舞踊体験稽古」藤間流勘右衛門派 藤間美都也(ふじまみつや)様

・「Sakeから観光立国」株式会社コーポ・サチ 代表取締役 平出淑恵様

・「世界初の日本酒学」新潟大学 日本酒学センター副センター長(農学部・教授)平田大様

・鍋&SAKE:酒粕チーズ鍋(発酵鍋)

〇「日本舞踊体験稽古」藤間流勘右衛門派 藤間美都也(ふじまみつや)様 すり足に宿る、日本舞踊の基本と難しさ

 藤間流の日本舞踊を学ぶ中で、私は「技」と「心」の両方を磨く大切さを強く実感しました。立ち方や座り方、そして「さくらさくら」の所作など、一見すると静かで優雅な動きの裏には、全身の筋肉を使う緻密な身体操作があります。

 特にすり足は、膝に手を添えて姿勢を整え、背筋と腹筋に力を入れながら後ろ足に重心を置くという繊細な動きで、簡単そうに見えて実際は驚くほど難しいと感じました。毎日4歩でも練習を続けることで、少しずつ身体の軸が整い、姿勢が変わっていくのを実感しています。

 お辞儀ひとつにしても、手の形や背中の伸ばし方など「丁寧さ」が求められます。先生の「丁寧が美しい」という言葉は、舞踊だけでなく日常の所作や人との向き合い方にも通じる大切な教えだと感じました。

 日本舞踊を学ぶ中で特に心に残ったのは、「好きなことを続けることが自分自身を強くする」という言葉です。20代から40代という、人生の中でも大きく変化する時期に、好きなことを継続することは自分の軸をつくり、将来の何かにつながっていくのだと思います。趣味として始めた日本舞踊が、やがて仕事や役割につながる可能性もあります。続けてきてよかったと思える日は必ず来る――その言葉に励まされました。

 今回の学びを通して、日本舞踊は単なる芸事ではなく、自分の生き方を整えてくれる“道”のような存在だと気づきました。これからも日々の小さな練習を大切にしながら、心と身体の両方を磨いていきたいと思います。

 

〇「Sakeから観光立国」株式会社コーポ・サチ 代表取締役 平出淑恵様 日本酒の文化的価値と観光立国日本の未来

 本講義では、酒サムライコーディネーターとして国内外で日本酒の普及に尽力されている平出様より、日本酒が持つ文化的価値と、観光立国としての日本の未来における役割について学びました。平出様は元JALのCAであり、ソムリエ資格も取得されている方で、世界の酒文化を熟知した視点から日本酒の魅力と課題を語られました。

 平出様は、「素晴らしいお酒がある地域には人が集まる」と述べられました。良質な酒造りができる土地には、豊かな自然環境と清らかな水があり、それ自体が“健康資源”となります。少子化が進む日本において、地方への観光客誘致は重要な課題であり、日本酒はその大きな可能性を秘めています。特に日本酒には、歴史・技術・伝統と習慣・四季の移ろいといった日本文化の魅力が凝縮されており、世界に向けて発信できるブランド要素が豊富に存在します。一杯の酒を通して生まれる共感の輪が、日本酒を世界的ブランドへと押し上げる可能性があると感じました。

 一方で、酒造会社の廃業が続いている現実もあります。日本酒の海外市場はまだ小さく、認知度も低いことが大きな課題です。平出様は、ワインビジネスのインフラに日本酒を乗せることができれば、世界への普及が加速するのではないかと指摘されました。

日本酒の認知度向上のためには、下記3点が不可欠であると学びました。

・教育(現地での人材育成)

・コンクール(IWCでの日本酒部門拡大など)

・宣伝活動(酒サムライなどのアンバサダー活動)

 日本酒は町おこしにもつながります。酒蔵ツーリズムによって地域経済が潤い、イベントを通して人と人がつながり、地域が活性化していきます。官公庁でも酒蔵ツーリズム推進協議会が発足し、国としても日本酒を活用した地域振興に取り組み始めています。私自身、日本酒が観光資源となり、地域を盛り上げる力を持っていることを改めて実感しました。

 日本酒の9割は水であり、日本の地質や水質が海外とは大きく異なるため、日本酒は日本の自然が生んだ唯一無二の文化です。蔵元は地域の最強のコンテンツであり、地域コミュニティの中心的存在でもあります。平出様は、「日本酒の価値を私たち自身が気づき、世界に発信していくことが求められている」と強調されました。

 日本酒は日本の宝であり、これからは世界の宝へと広がっていく可能性を持っています。

イベントで興味を持ってもらえても、継続的な関心につながらないことが課題です。そのためには、相手を知ること・相手に合わせて伝えることが重要であると学びました。ただ情報を届けるだけではなく、相手の文化や価値観を理解したうえで伝えることで、初めて日本酒の魅力が根付いていくのだと感じました。

 今回の講義を通して、日本酒は単なる嗜好品ではなく、日本の文化・地域・未来を支える大きな力を持つ存在であることを深く理解しました。そして、その価値を伝えていくのは私たち一人ひとりであり、相手に寄り添いながら発信していく姿勢が求められていると感じました。日本酒が「日本の宝」から「世界の宝」へと広がっていく未来に、自分も貢献できるよう、学び続けていきたいと思います。

〇「世界初の日本酒学」新潟大学 日本酒学センター副センター長(農学部・教授)平田大様 日本酒を科学と文化から見つめ直す

 本講義では、日本酒学の第一人者であり、酵母研究に長年携わってこられた平田様より、

日本酒の歴史的背景から科学的要素、そして日本酒学誕生の経緯まで幅広く学ぶことができました。

 特に、新潟という土地が持つ自然条件と酒造文化の深い関係について理解を深める貴重な機会となりました。

 平田様はまず、新潟の酒造りの歴史について説明されました。世界の古い文明には必ず酒が存在し、日本も例外ではありません。新潟県は日本一の酒蔵数を誇り、現在91の酒蔵があります。一般的に「淡麗辛口」と言われる新潟の日本酒ですが、実際には蔵ごとに個性があり、多様な味わいが存在することを学びました。日本国内の日本酒消費量は減少傾向にあるものの、新潟県のシェアは伸びています。しかし、県外への移出量は減少しており、産業としての課題も抱えていることが分かりました。

 講義では、特定名称酒についても詳しく学びました。日本酒は精米歩合や醸造アルコールの有無によって名称が変わり、品質や味わいに大きく影響します。新潟県は特に吟醸酒以上の割合が高く、18.6%以上のシェアを誇ることから、質の高い酒造りが根付いている地域であると感じました。

 日本酒の約8割は水であり、水質は酒の味を決定づける最も重要な要素の一つです。名水の条件として鉄分が少ないことが挙げられ、鉄が多いと雑味につながります。新潟の水は軟水であり、飲みやすい一方で発酵には難しさがあります。一方、京都・兵庫・広島は中硬水で発酵が進みやすく、地域ごとの水質が味わいの違いを生み出していることを理解しました。

 また、ヨーロッパは硬水が多く、土地の成り立ちや地質によって水質が大きく変わることも興味深い点でした。気候も酒造りに大きな影響を与えます。新潟は5月〜10月は日照時間が長い一方、11月〜4月は短く、冬には雪が降ります。この雪こそが酒造りにおける最大のメリットであり、低温で空気を清浄に保つ・雪が保温効果をもたらすといった利点があることを学びました。

 新潟県には、日本で唯一の醸造試験場や、杜氏を育成する清酒学校が存在し、伝統を継承するための教育環境が整っています。さらに、新潟県・新潟酒造組合・新潟大学の三者が協力し、世界初の「日本酒学」が誕生しました。新潟大学には日本酒学センターも設置され、大学全体で日本酒を学ぶことができる体制が整っています。

 講義では、日本酒のおいしさを感じる仕組みについても学びました。味覚には「甘味・旨味・苦味・塩味・酸味」の5つがあり、温度や体調によって感じ方が変化します。特に甘味は温度が高いほど強く感じられ、人の心の状態や飲む環境によっても味わいが大きく変わることが印象的でした。

 大切な人と飲む日本酒、初めて会う人とつながる日本酒など、場面によって感じ方が変わることも日本酒の魅力だと感じました。

 今回の講義を通して、日本酒は自然・歴史・科学・文化が複雑に絡み合って生まれる奥深い存在であることを改めて理解しました。特に、新潟という土地が持つ自然条件や教育環境が、日本酒文化を支えてきたことに強く感銘を受けました。また、日本酒のおいしさは単なる味覚だけでなく、飲む環境や心の状態にも左右されるという視点は、今後日本酒を伝えていくうえで大切な学びとなりました。

 これからも日本酒の魅力を深く理解し、多くの人に伝えていけるよう学びを続けていきたいと思います。

〇鍋&SAKE:酒粕チーズ鍋(発酵鍋) ~一つの鍋を囲んで各地域の自慢の日本酒を~

 酒粕チーズ鍋を、ファイナリストメンバーとともに、平井様・平田様・館農様を交えながらいただきました。

 酒粕鍋は今回が初めてでしたが、酒粕とチーズのコクが溶け合ったやさしい味わいで、食べ進めるうちに体の芯からじんわりと温まる感覚がありました。発酵食品ならではの深みがあり、日本酒との相性も抜群で、食事とお酒の調和を存分に楽しむことができました。

 食事は、ファイナリストメンバーそれぞれが地元の自慢の日本酒を紹介するところから始まりました。ただ味わうだけでなく、その日本酒が生まれた背景や地域の風土、蔵元の想いなど、さまざまなストーリーを聞いた上でいただく一杯は、格別に贅沢なものだと感じました。同じ日本酒でも、物語を知ることで感じ方が大きく変わることを改めて実感しました。

 各地域の日本酒はどれも個性豊かで、味わいや香りの違いを飲み比べる時間は非常に楽しく、学びの多いひとときでした。それぞれの地域性や文化が、日本酒の中にしっかりと表れていることを体感でき、日本酒の奥深さを改めて感じました。

 また、日本酒に合わせて各地域のおつまみもご用意いただきました。初めて口にするものも多く、どれも日本酒と相性が良く、とても美味しかったです。食と酒を通して地域の魅力に触れることで、日本酒が単なる飲み物ではなく、文化そのものであることを実感しました。

 今回の鍋&SAKEの時間は、美味しさを楽しむだけでなく、日本酒や地域文化への理解を深め、参加者同士の交流も深まる、温かく充実したひとときとなりました。

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