皆様こんにちは。
2023 Miss SAKE 宮城 千田瑞穂です。
2月7日(土)8日(日)に「バスで巡る宮城美酒探訪 MIYAGI STYLE編」モニターツアーに参加させていただきました。
こちらでは1日目の様子をご報告させていただきます。
主催:(株)JTB仙台支店/仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会
協力:ブルーファーム(株)
こちらのモニターツアーは、2025年11月29日(土)、るるぶキッチン(新宿)で開催された「みやぎガストロノミーフードペアリング」にてご紹介がございました。詳細は、こちらのブログをご覧ください。
【佐々木酒造店蔵見学】
閖上の海岸から1.5kmのところに蔵を構える佐々木酒造店。2011年3月11日の東日本大震災では、津波が押し寄せ、蔵が全壊してしまいます。
そんな中、奇跡的に真っ直ぐ立っているタンクが一つだけあり、しっかり密閉されていたため醪が無事だったそうです。
18Lのバケツで一杯ずつ汲み出し、森民酒造本家の設備を借りてお酒をしぼり、震災復興酒「閖」として、世に渡っていきました。
震災の翌年に仮設蔵でお酒造りを再開しますが、過去に全く前例がありません。
宮城県産業技術総合センターの橋本建哉先生、宮城県酒造組合の伊藤謙治先生のお力を借りながら、手探りで設備を整えていきます。
阪神・淡路大震災で被災した櫻正宗株式会社をはじめ、若潮酒造株式会社、焼酎の白玉醸造株式会社等、全国の酒造による製造設備支援があり、お酒造りをすることができたとのことです。
2019年4月、ついに佐々木酒造店は現地再建を果たします。跡形もなく、たくさんのものが流されてしまった閖上。被災される前と同じ場所に、現在も蔵を構えてらっしゃるところに強い決意が感じられました。
そんな佐々木酒造の蔵見学で心に残っているのは、黄麹を味見させていただいたことです。これまで見せていただくことはあったのですが、実際に口にすることはなかなかございません。
「何だか懐かしい味がする。」
「駄菓子屋さんでよく食べていたような…」
「ポン菓子みたい。」
「少し甘い。」
参加者の皆様も、初めて食べられた方が多く、各々感じたことをつぶやいておりました。
【MIYAGI STYLE ペアリング体験】
蔵見学が終わると、ペアリングのご講義・体験がございました。
講師
宮城県産業技術総合センター 橋本建哉先生
ブルーファーム株式会社 代表取締役 早坂正年様
MIYAGI STYLEとは、宮城県内の酒蔵が連携し、ワイン文化のある海外市場に向けて、宮城県酒造組合が提唱する日本酒ブランドです。
日本酒の特徴である「香り」や、濃淡・柔らかさといった「味わい」を分析し、座標値化することで分かりやすく分類されています。
それぞれのタイプに合う現地のお食事とのペアリングの提案・発信をされています。
No.1 魚料理に合う日本酒
No.2 チーズに合う日本酒
No.3 肉料理に合う日本酒
(No.4 味の濃い料理に合う日本酒)
今回は、上から3種類のペアリング体験をしました。
● No.1 魚料理に合う日本酒
笹蒲鉾(佐々直)×宝船浪の音 純米酒 閖
酸味、旨味のバランスが良く、素材本来の味を活かし際立たせます。お刺身やカルパッチョ、焼魚など海の幸と合わせていただくのがおすすめとのことです。
笹蒲鉾を食べた後にお酒を飲むと、のどを通った後に笹蒲鉾の余韻が口内に残り、楽しむことができました。
●No.2 チーズに合う日本酒
まるっチーズ(ささ圭)×Leiro 玲瓏
豊かな甘味と果実の香りが際立ち、クリーミーな味わいの食材と調和します。魚介のバターソテーやグラタン、チーズと合わせていただくのがおすすめとのことです。
お酒、食材の甘味が寄り添い溶け合い、豊かなコクを楽しむことができました。
ちなみにイタリアでは、お口直しでリンゴを食べるそうです。「だから合うに決まっている」と現地で言われたというエピソードも教えてくださいました。
●No.3 肉料理に合う日本酒
牛タン×宝船浪の音 純米吟醸 吟のいろは
際立つ酸味が口内をリフレッシュさせ、次の一口へと繋げてくれます。牛肉のステーキ、揚げ物など脂が美味しい食と合わせていただくのがおすすめとのことです。
口中に広がる旨味と脂をリセットし、次をまた新鮮な一口にしてくれました。
早坂様からは、日本酒造りに関するお話をしていただきました。
・日本酒の原材料
・飯米と酒米
・精米歩合
・日本酒造りの工程
・並行複発酵(ビールやワインとの違い)
・宮城県オリジナルの酒米「吟のいろは」
今回、蔵見学が初めてという方もおり、とても分かりやすくお話してくださいました。
その中でも私の心に残っているのは、お酒造りの技術についてです。
特に昨年は米不足でお米の味は落ちてしまったそうです。しかしながら、蔵人のテクニックにより日本酒の味は全く落ちていないと話してくださいました。
造り手の技術によって、同じ材料で仕込んだとしても、蔵によって日本酒の味わいは変わってきます。
2024年12月に「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されましたが、改めて、日本酒造りの技術は素晴らしいと感じました。
この度は、大変お忙しいところ、貴重な震災のお話や蔵見学、さらにはペアリング体験もさせていただき、誠にありがとうございました。
【陣中 牛タンスタンド 閖上本店】
宮城県美酒探訪モニターツアーの初日、昼食はこちらでいただきました。何と牛一頭から一枚しか取れない希少な都位を熟成させているそうです。
塩麹熟成と低温熟成の「162時間2段階熟成」と、大変製造にこだわられていらっしゃいます。
いただいてみると、見た目はとても分厚く、弾力がある一方でやわらかく、ギャップに大変驚きました。薬味は、塩、わさび、仙台みそ南蛮があり、味を変えながら楽しみました。
先ほどのペアリング講座を生かし、日本酒を飲まれている方もいらっしゃいました。
牛タンの製造工場の横には手ぶらで楽しめる本格的な牛タンバーベキューが施設があり、牛タン食べ放題プランなども提供されているようです。ドッグランもございました。
たまたま行った日が特売日で、帰りに牛タンジャーキーを購入してまいりました。後日、日本酒とともにいただきたいと思います。
【蔵王酒造蔵見学】
毎年11月から3月までの年1回醸造方式でお酒を醸されている蔵王酒造。
地元の農家の契約栽培米を使用し、蔵王連峰の伏流水と冬の蔵王颪の寒風という自然の恵みを生かしたお酒造りをされてらっしゃいます。
「蔵人の仲の良さは日本一」
杜氏、副杜氏を中心に平均年齢30代のメンバー6名で「和醸良酒」を体現しながらお酒造りをされています。
若手が中心ということもあり、毎年必ず新しい試みを取り入れていくことを決めてらっしゃるそうです。
分析等を一切せずに蔵人の感覚のみで造るお酒や、普段は速醸で造っているようですが、令和5酒造年度には初めて生酛造りをする等、様々な挑戦をされています。
「良い麹をつくるときに大切なのが給水。0.1%でもずれてほしくない」
10kgずつお米を給水し、どれくらい重たくなったか、何秒給水したかをはかり、緻密な吸水率を出しているそうです。
その日の湿度にも左右されるそうで、毎日毎回が勝負であると仰っておりました。
ほんの微かな変化も見逃さず調整できるのは、まさに職人技であるなと感じました。
この日は何と特別に麹室に入れていただきました。先ほどまでとは全然違う室温に参加者の皆様が驚かれていました。
まるで冬から夏へと一気に季節が変わったようです。
麹室の室温は、麹菌が活発に活動する30℃〜40℃前後になっています。
麹菌はお米の表面を這った後、水を求めてお米の芯へと深く根を張っていきます。そのため、ここでもやはり給水は大切なのだと改めてお話をされておりました。
麹室と枯らし場で、麹の試食をさせていただきました。
枯らし場にあった麹の方がとても乾燥していてかたかったです。ですが噛んでいると、だんだん甘くなるのを感じました。
蔵見学が終わると、何種類か日本酒を試飲させていただきました。
私は、宮城県オリジナルの酒米で仕込まれている「ZAO 純米酒 蔵の華」を購入してまいりました。
清酒とブレンドしたリキュールを購入される方もいらっしゃいました。
余談にはなりますが、蔵王酒造へ蔵見学に行くと、蔵内の壁にメッセージを書くことができます。
任期中であった2023年に書かせいただいたものが残っており、その隣には、後輩である2025 Miss SAKE 宮城 芦立愛美さんのメッセージが書き足されておりました。
皆様も訪れた際にはぜひ、記念に書かれてみてください。この度は、大変お忙しいところ蔵見学をさせていただき、誠にありがとうございました。
【宮城美酒探訪日本酒ペアリングディナー】
夕食はこうめにて、宮城の食材を使った郷土料理に宮城県の日本酒を合わせ、ペアリングを楽しみました。
お店のメニューを見ていただくと分かりますが、産地や生産者名が明記されており、信頼されている生産者と地元の旬の食材を大切にされているのが伝わってまいります。
①秋保くまっ子農園大根餅みぞれ餡(三陸アミエビ、宮城県産ひとめぼれ米粉)若林区六郷しばさき農園ちぢみ雪菜×ZAO 純米酒 K
②石巻阿部誠二さん船上放血神経締め鱈
鱈の昆布締め 冬野菜サラダ仕立て(くまっこ農園人参2種、紅くるり、紅しぐれ、しばさき農園赤水菜)鱈子の醤油漬け オリーブオイル、福島県南相馬小高haccobaお酢、塩×宝船浪の音 純米酒 閖 限定生酒
③南三陸戸倉後伸弥さんの牡蠣 仙台市泉区松森田代農園人参 くまっこ農園里芋 スジアオノリ 自家製唐墨×ZAO 純米吟醸 K
④せり鍋(名取下余田三浦農園せり、角田市野田鴨、仙台)×宝船浪の音 純米酒
- 雑炊(角田お米クリエイター佐裕貴さんのササニシキ)
- 漬物(白菜とカブ漬け、人参糖漬け)
- いちご(もういっこ)秋保のはちみつ(桜と山藤)田尻町スタジオどどいちジャージー牛のフレッシュモッツァレラ 鳴子の牛乳ミルクプリン蔵元様やツアーに参加されている皆様とお話をしながらペアリングを楽しみました。
蔵見学の感想や質問など、いろいろなお話が飛び交いました。今回のツアーは、関西、関東、他県から参加された方、蔵見学自体が初めての方、友人に誘われて参加された方、たまたま募集を見て参加された方、実に様々でした。
このツアーに参加していなければ、一生出逢えなかったかもしれないと思うと、お酒がつなぐ「酒縁」は本当に素晴らしいなと心から思います。
気付けば3時間が経っており、あっという間に時間が過ぎ去っておりました。
心あたたまるひと時を、誠にありがとうございました。
2023 Miss SAKE 宮城 千田瑞穂














































