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第14回ナデシコプログラム「“声・花・酒”に宿る日本の美と心 ~五感で伝える力を学ぶ~」2025 Miss SAKE 兵庫 橋本 渚沙

皆さま、こんにちは。

2025 Miss SAKE 兵庫 橋本 渚沙です。

今回は、第14回ナデシコプログラムで学んだことについてご報告いたします。以下、講義内容と私自身の感想を交えながらお伝えいたします。

【講義内容】
1.ボイストレーニング(ナレーター・ボイストレーナー 木村匡也様)
2.世界をHappyにするために いけばな(未生流笹岡家元 笹岡隆甫様)
3.未来を切り拓く酒ブランド SAKE HUNDRED(株式会社Clear 代表取締役CEO 生駒龍史様)

1.木村匡也様:ボイストレーニング【講義概要と学んだこと】

 

木村匡也様は、36年間にわたり声の仕事を続けてこられた方です。元々は声を出すのが苦手だったとのことですが、継続的な発声練習を通じて克服し、今では多くの人の印象に残るナレーションを届けておられます。

講義の冒頭では、メディアの歴史についても触れられました。ラジオ放送は1925年に始まり、その大きな契機となったのは1923年の関東大震災だったそうです。災害時に飛言(デマ)が多くの人を死に追いやった経験から、正確な情報を届ける必要性が強く認識されるようになり、放送メディアが発展しました。

また、「声はファッションのようなもの」という言葉が印象的でした。TPOに合わせて服装を変えるように、声も相手や状況に応じて変える必要があります。声は単なる情報伝達手段ではなく、温かみや安心感、信頼感といった「非言語のメッセージ」を伝える大切なツールです。声を磨くことは、第一印象だけでなく、信頼関係を築く上でも非常に重要であると学びました。

さらに、「声は小さな心のプレゼント」という考えにも深く共感しました。優しい声は相手の心を和ませる一方で、怒りや恨みを込めた声は人を傷つけることもあるという言葉に、声の持つ力の大きさを改めて感じました。

【声の出し方・トレーニング方法】

 

発声の基本として、以下の3点が強調されました:

  1. 力まないこと
     リラックスした状態で声を出すことで共鳴音(レゾナンス)が生まれ、聞いている人に安心感を与えることができます。逆に、力みは詰まった声になり、相手にプレッシャーを与えてしまいます。
  2. 伝えたいという気持ち
     同じ言葉でも、声に込める気持ちで説得力は大きく変わります。言葉だけでなく、声に思いを込めることの重要性を感じました。
  3. 肺活量の強化
     声を安定させるためには肺活量のトレーニングも欠かせません。講義では、ストローを使って水に息を吹き込む「ブクブク肺活量トレーニング」が紹介され、楽しみながら続けることが大切だと教えていただきました。

また、毎朝晩5分ずつの「ハミング発声練習」や「パワーハミング」を1週間続けることで、声の響きを作る体が整うという実践的な方法も紹介されました。

加えて、録音して自分の声を聞くことで、他者にどのように聞こえているかを客観視する重要性も学びました。自分が聞いている声と、他人が聞いている声は、伝わる経路が異なるため違って聞こえることがほとんどです。自己認識がなければ修正も始まらないという言葉が印象的でした。

【プレゼンに活かす声のテクニック】

プレゼン時には、「自分のセーフティーゾーン(安全圏内)」で話すことが大切だと教わりました。実力以上のスピードや音量で話そうとすると、噛んだり焦ったりして、結果的に悪い印象を与えてしまうとのことです。特に、緊張して落ち着きを失った状態は、聞き手に不安感を与えてしまいます。練習を重ねることで声の揺れもなくなり、安定した話し方ができるようになるというお話には、地道な努力の大切さを感じました。

【感想】

今回の講義を通じて、声は単なる音ではなく、心を伝えるメッセージの一部であることを実感しました。これまで、自分の声に違和感を感じることがあり、録音を避けていたのですが、まずは自分の声を正しく知ることから始めようという前向きな気持ちになれました。

また、声は日々の練習と意識によって確実に磨かれるということが分かり、少しの練習でも意味があるという言葉に励まされました。プレゼンや面接など、人前で話す場面が増える今後に向けて、呼吸法やハミング練習、ブクブク肺活量トレーニングなど、日々取り組んでいきたいです。

何より、声には「相手を思いやる心」が表れるという考えが心に残りました。これからは、言葉だけでなく、声そのものにも気持ちを込めて発することを意識していきたいと思います。

2.未生流笹岡家元 笹岡隆甫様:いけばな~2024年それ以降に向けて~

今回の講義では、未生流笹岡家元・笹岡隆甫様を講師にお迎えし、日本文化を象徴する「いけばな」の深い世界について学びました。笹岡様は、祖父の代から続く家元の家に生まれ、3歳からいけばなの世界に入り、生け花とともに人生を歩んでこられた方です。その背景を踏まえたお話には、伝統を継ぐ重みと、それを現代・未来にどう伝えていくかという使命感が込められていました。

講義の冒頭では、「いけばなを通じて、世界をHappyにしたい」という力強いメッセージが印象的でした。花鳥風月をテーマに、人間は自然の一部であるという考え方、そして日本人にとって自然との関係がいかに切り離せないものであるかを丁寧にお話しくださいました。自然に対して敬意を持ち、その美しさや力を花に託すことは、日本独自の感性であり、いけばなの根底に流れる哲学であると感じました。

G7の首脳が集まる国際的な会議においても、生け花を展示されたとのことで、その際は「どの角度から見ても違った表情を楽しめる箱庭的なデザイン」を意識されたそうです。こうした設計には、空間全体を計算し尽くす繊細な感性と美意識が必要であり、まさに日本文化の象徴だと感じました。

また、笹岡様は建築学部出身という経歴を活かし、「最小限の花で空間を切り取る」ことにこだわっておられます。カルティエとのコラボレーションにおいては、建築的視点を生かして空間全体と花の関係性をデザインされたとのことで、花とブランドの融合が新たな芸術を生み出していることに感動しました。

色彩についても、「紫は最高の色であり、特別な意味を持つ」とのお話がありました。花を選ぶ際の色の持つ意味、象徴性にも深いこだわりがあり、日本文化における色彩感覚の繊細さを改めて知ることができました。

さらに、笹岡様は「花を生けることは、天地のことを考えること」とおっしゃっていました。花は天地のエネルギーが凝縮されたものであり、生け花を通して「宇宙はなぜ生まれたのか」「人間とは何か」といった根源的な問いに向き合うことができるという視点は、私にとって非常に新鮮で深い学びとなりました。

講義ではまた、日本文化における「くずしの美」についても触れられました。完全に整ったものよりも、あえて崩した非対称なデザイン、つまりアシンメトリーの中に美しさを見出す感性は、日本独自の「不完全美」への理解の深さを物語っています。西洋の庭園が左右対称で整った美しさを追求するのに対し、日本の庭園では山や池などを組み合わせ、時間の経過によって変化し続ける美しさをあらかじめ設計に組み込んでいます。時間と共に「崩れていく」のではなく、「変化によって新たな美が生まれる」ことを前提とする日本の美意識の柔軟さと奥行きに、強く共感しました。

「陰陽五行」や「天地人」の考え方も、生け花のデザインに組み込まれているとのことでした。陰と陽は対立するものではなく、表裏一体であるという考えは、生け花だけでなく、日本人の人生観や自然観にも通じるものであると感じました。

また、空間に「余白」を作る技法も印象的でした。引き算の美学によって、わずか一輪の花にスポットライトを当てることで、その存在感を最大限に引き出すという発想は、静けさや間を大切にする日本文化そのものであると思いました。

さらに興味深かったのは、空間や数字にも意味が込められているという点です。香炉が3本足である理由や、花の本数を奇数にする理由について、数字にも陰と陽があり、奇数は陽であり縁起が良いとされていることを学びました。3本足の場合には、1本を前に出すことで安定性と調和を図るなど、細部にまで意味が宿っていることに驚かされました。

「おひなさま」や着物の着方など、右側を「上手(かみて)」、左側を「下手(しもて)」とする日本独自の方向感覚の説明も非常に興味深く、文化の中に根づく伝統や象徴性を改めて認識することができました。

最後に、先生が語られた「花から教わる生き方」に深く心を打たれました。どんな逆境にあっても、花は上を向いて咲く。だから私たちも、困難の中でも前を向いて歩もうというメッセージは、現代を生きる私たちに大切な希望と力を与えてくれるものでした。

【感想】

この講義を通して、いけばなが単なる芸術作品ではなく、自然・哲学・文化・生き方すべてを内包した日本の叡智であると実感しました。これまで「花を飾る」という行為を表面的にしか捉えていなかった自分に気づき、自然への敬意や人としての在り方を見つめ直す貴重な機会となりました。今後、伝統文化を学ぶ際には、表層だけでなくその背後にある精神性や哲学にも目を向け、より深く理解していきたいと思います。

3.株式会社Clear 代表取締役CEO 生駒龍史様

今回のナデシコプログラムでは、株式会社Clear代表取締役CEOであり、SAKE HUNDREDの創業者でもある生駒龍史様を講師にお迎えし、日本酒業界の現状と未来について、そしてブランドづくりにおける哲学や戦略について深く学びました。

生駒様は、インターネットメディア「SAKE TIMES」を立ち上げ、日本酒の魅力を広く発信してきた第一人者です。しかし、当初は新しいメディアに対する業界の理解が乏しく、取材を断られるなどの苦い経験もされたそうです。それでも現場に足を運び、自ら取材・編集を重ねる中で、日本全国の酒蔵と信頼関係を築き、着実に知識と経験を積み重ねてこられました。

 

印象的だったのは、生駒様が「日本酒はガスや水、電気と同じように、生活にとって必要不可欠なインフラである」と捉えているという点です。日本酒業界の規模や成長を、業界内の視点だけでなく、社会全体の中で捉えることの大切さを強調されており、これは文化を持続可能にするために、非常に重要な視点だと感じました。

実際、日本酒業界は過去50年にわたって売上が下降傾向にあり、その中で文化を守り育てていくためには、経済的な基盤をしっかり築く必要があると生駒様は語られました。特に、今の時代はゲームやSNSなど、他にも多くの娯楽がある中で、日本酒の消費量は減少していますが、安価な日本酒にも一定の需要はあり、それぞれの価格帯に応じた価値や役割が存在していることにも触れられました。

ただし、飲む量が全体として減っている現状をふまえると、「少量でも高価格で、深い価値を感じられる日本酒」を提供することで、市場の新たな可能性を切り開く必要があると考えられています。そうした発想のもと立ち上げられたのが、高級日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」です。

2018年にスタートしたこのブランドは、機能を超えた価値を届けることを使命としています。特に興味深かったのは、「物が良いことは大前提であり、その上で精神性・社会性・身体性の3つすべての“健康”を満たす存在でありたい」とのブランドパーパスです。ブランド名「SAKE HUNDRED」には、そうした理想が込められているとのことでした。

また、生駒様は「良いブランドは創業者の命の幅を超えて残り続ける」と語られており、短期的な流行ではなく、持続的な価値をいかに社会に根付かせるかを真剣に考えておられます。その実現のために、ターゲットとなる顧客の価格帯や価値観に合わせた市場設計や体験の演出にも力を入れておられ、試飲イベント一つとっても、街頭ではなくレストランで、音響や照明、料理とのペアリング、日本酒を注ぐグラスまで細部にこだわるという姿勢には、まさに“勝つべくして勝つ”ための戦略と哲学が感じられました。

さらに、講義の中では「話を聞くときは、相手のことを徹底的に調べて、話を引き出すことが大切」というお話もありました。これはメディアに限らず、あらゆる人間関係やビジネスにおいて必要な姿勢であり、非常に実践的で心に残る教えでした。

【感想】

生駒様の講義を通じて、日本酒を単なる嗜好品としてではなく、「文化のインフラ」として捉える視点に強い衝撃を受けました。伝統産業が置かれている厳しい現実に向き合いながらも、そこに希望を見出し、価値を再構築していく姿勢は、まさに現代の文化的リーダーだと感じました。特に、「精神性・社会性・身体性のすべてを満たす存在を目指す」というSAKE HUNDREDの理念には、日本酒に対する深い敬意と未来志向が表れており、物事の本質を見極めたブランドづくりの在り方を学ぶことができました。表面的な流行ではなく、長期的な価値を社会に根づかせるという信念からは、ビジネスにも文化にも通じる本質的な思考の重要性を感じ、非常に刺激を受けました。

2025 Miss SAKE 兵庫 橋本 渚沙

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