皆さん、こんにちは。2025 Miss SAKE Japan 館農知里です。
3月5日(木)、フィリピンの名門校として知られる De La Salle-College of Saint Benilde(フィリピン) を在フィリピン日本国大使館の文化事業の一環として訪問し、50名以上の学生の皆さんに日本酒講座および甘酒の手作り体験ワークショップを開催させていただきました。なお、Philippine Wine Merchants の柴原浩明氏、一般社団法人Miss SAKE 代表理事の大西美香氏、2025 Miss SAKE Philippines の村山さゆり氏にも同行いただきました。
「De La Salle-College of Saint Benilde」について
De La Salle-College of Saint Benildeは、フィリピン・マニラにある私立高等教育機関です。アート&デザイン系やホスピタリティ系をはじめとする多様な学部・学科を擁し、国際水準の教育プログラムを提供しています。主に、英語による講義が行われ、産学連携による実習や海外大学との連携プログラムも取り入れられています。学生はクリエイティブ産業やホスピタリティ業界を志望する多彩なバックグラウンドを持ち、卒業生は芸術・文化・ビジネス分野などで幅広く活躍しています。
フィリピンで学ぶ「おもてなし」
系列校を有する名門校として知られる De La Salle-College of Saint Benilde では、調理やホスピタリティを学ぶ学生たちが、実践を重視した教育環境の中で専門知識と技術を磨いています。今回訪問したキャンパスでは、約1300名の学生が学んでいました。キャンパス周辺には、学生自身が経営管理や準備、サービス提供までを主体的に担うホテルやレストランが併設されており、学生一人ひとりが笑顔あふれるホスピタリティと自立したプロフェッショナル意識を培うことができる、非常に充実した教育環境が整えられていました。
実際に、今回の講座開講に先立ち、キャンパス併設の学生運営レストラン 「Vatel」 を訪問させていただきました。店内では、学生シェフやホールスタッフによる運営のもと、豪華なコースランチをいただきました。彼らは大学3~4年生に相当する年齢でありながら、落ち着きと自信に満ちた自然な接客を行っており、そのプロフェッショナルな姿勢に大きな感銘を受けました。スープやサラダ、メインディッシュ、デザートに至るまで、どの料理も丁寧に仕上げられており、料理の味わいとサービスのレベルの高さに心から驚かされました。
今回は講師として訪問させていただきましたが、レストランでの接客や講義を受講する学生の皆さんの姿勢を通して、限られた時間の中で最高のパフォーマンスを提供する「おもてなし」の在り方について、むしろ私たち自身が多くの学びをいただいたように感じました。
日本酒基礎を学ぶ「SAKE Master Class」
講義開催日は「Contest Week」と呼ばれる期間だったそうで、別室ではカクテルレシピの開発や客室乗務員の機内サービス、調理技術などを競うさまざまなコンテストが開催されていました。これらのコンテストは、企画立案から審査員の選出・依頼、当日の運営に至るまで、すべて学生主体で行われているとのことでした。お祭りのような活気ある雰囲気の中、明るく朗らかな学生の皆さんに迎えられ、私たちの日本酒講座も開講されました。今回の講義は「Master Class」として実施され、対面では選抜された約50名の学生が参加したほか、別室での同時中継を通じて、多くの学生の皆さんに日本酒や甘酒について学んでいただきました。
講義ではまず、日本文化の中での日本酒の位置づけについてご紹介した後、日本酒造りの特徴である精米歩合や並行複発酵の仕組みについて、イラストや写真を交えながら解説しました。少し専門的な内容ではありましたが、学生の皆さんは非常に熱心に耳を傾けてくださり、講義の最後には日本酒の原料が「米・水・麹・酵母」の4つであることを、全員で声に出して暗唱するほど積極的に参加してくれた姿が印象に残りました。
続くテイスティングの時間では、以下の4銘柄の日本酒とペアリングフードをご用意しました。
- 水芭蕉(永井酒造)- MIZUBASHO PURE スパークリング
- 大中屋(山梨銘醸)- 純米大吟醸
Pairing Food:Pork Sisig - 豊臣 Bros.(奈良豊澤酒造)- 純米吟醸
Pairing Food:Local Fish Kilawin - 御前酒(辻本店)- 菩提もとにごり生原酒
Pairing Food:Boneless Chicken Adobo
中でも最も人気を集めたのは「御前酒(辻本店)- 菩提もとにごり生原酒」でした。特に、ヨーグルトのような風味が「Boneless Chicken Adobo」との相性の良さを引き立て、多くの学生から高い評価を得ていました。簡単な挙手投票では、他の銘柄にも同じだけ多くの手が挙がり、日本酒の風味の多様性を感じながら、それぞれの好みに合った味わいを比較を通して楽しんでいただけたようでした。
甘酒を通して学ぶ日本の発酵文化
その後は、甘酒の手作り体験ワークショップを開催させていただきました。「日本酒」については事前に知っていると答えてくれた学生も多く見られましたが、「甘酒」に関しては、今回初めて耳にするという方がほとんどでした。日本酒は海外でも徐々に認知が広がりつつありますが、その製造過程や麹文化から生まれる甘酒については、まだ十分に知られていないことを改めて実感しました。そこで今回は、甘酒が高い栄養価を持つこと、またノンアルコールで子どもから大人まで楽しめる日本の伝統的な発酵飲料であることをご紹介した上で、炊飯器を用いた作り方を解説し、ボランティアの学生とともに実演しました。
今回使用したのは、佐々木酒造(京都府京都市)様の「乾燥生麹」です。普段は販売されていない、甘酒製造用の特別な麹を使用させていただきました。まずは全員に香りを嗅いでもらうと、「蒸した米の甘い香り」や「綿あめのような香り」といった感想が聞かれ、麹そのものが持つ自然な甘い香りに多くの学生が驚いた様子でした。その後、有志の学生にその他の学生の前で甘酒作りの工程を体験していただきました。
そして、いよいよテイスティングの時間。多くの学生から「甘くて美味しい!」という好意的な反応をいただき、用意していた甘酒がすべて無くなるほどの人気ぶりでした。短い時間ではありましたが、学生の皆さんが興味深そうに味わいながら感想を語り合う姿がとても印象的でした。
将来ホスピタリティの分野で活躍される皆さんに、日本文化を代表する日本酒の味わいの多様性やフィリピン料理とのペアリングの可能性、そして甘酒をはじめとする日常に根付いた発酵文化の新たな側面を体験していただけたことを、大変嬉しく思います。
今回の学校訪問を通して、活気あふれる雰囲気の中で主体的に学び、挑戦する学生の皆さんの姿に大きな刺激を受けました。とくに、学生運営レストラン「Vatel」で感じた高いサービス意識や、講義・ワークショップの場で見せてくれた真剣なまなざしから、将来ホスピタリティ業界を担う皆さんの高い志と可能性を強く感じました。日本酒の基礎を学ぶMaster Classや、甘酒づくり体験を通して、日本の発酵文化や食文化の奥深さに触れていただけたことは、私にとっても大変意義深い経験となりました。
Miss SAKEとして今後も、日本酒を通して日本の自然や伝統、人々の暮らしの中で育まれてきた文化の魅力を世界へ伝えていくとともに、各国の食文化やホスピタリティとの交流を大切にしながら、日本と世界をつなぐ架け橋となる活動を続けてまいります。今回このような大変名誉な機会をいただきました関係者の皆さま、そして温かく迎えてくださった De La Salle-College of Saint Benilde の学生・教職員の皆さまに、心より感謝申し上げます。
2025 Miss SAKE Japan 館農知里










































