皆さま、こんにちは。
2023 Miss SAKE Japan 山田琴子です。
梅がほころび、鶯の鳴く頃となりました2月下旬、新橋にて開催されました日本酒蔵ツーリズム推進協議会のセミナーと懇親会に参加させていただきました。
日本酒蔵ツーリズム推進協議会について
日本酒蔵ツーリズム推進協議会は、日本各地の酒蔵を観光資源として活用し、国内外からの観光客に日本酒文化を体験していただくことを目的に活動されています。酒蔵と地域の魅力を結びつけ、日本の伝統文化をより多くの人に知っていただくための取り組みを推進しており、地域活性化やインバウンド観光の促進にも大きく貢献されています。
私自身、Miss SAKEとしてさまざまな地域の酒蔵を訪れ、日本酒とその背景にある文化に触れてまいりましたが、日本酒が単なる「飲み物」ではなく、地域の歴史や風土、そして人々の思いが詰まった「文化」そのものであることを、改めて感じています。そんな日本酒の魅力を観光と結びつけ、さらに発信していこうとするこの協議会の活動には、大きな意義があると感じています。
日本酒蔵ツーリズム推進協議会は現在、新規会員さまも募集中です。また、ウェブサイトでは、インバウンド向けに英語・中国語の酒蔵紹介に利用できる便利なパンフレットや、その他資料もございますので、是非一度ご覧ください。
https://www.nihon-kankou.or.jp/home/sakagura/
セミナー
今回のセミナーでは、日本酒蔵ツーリズムの発展に向けたさまざまな講演が行われました。
開会挨拶では、日本酒蔵ツーリズム推進協議会の会長である細野助博様より、この協議会の目指す未来についてお話がありました。続く来賓挨拶では、国税庁 酒類業復興・輸出促進室の遠山秀治様より、日本酒の輸出促進に関する取り組みについてお話を伺いました。
その後の講演では、浦霞醸造元 株式会社佐浦の代表取締役社長 佐浦弘一様より、「伝統的酒造りと浦霞300年の歴史」をテーマに貴重なお話がありました。300年もの長きにわたって受け継がれてきた酒造りの伝統と、その背景にある想いを伺い、改めて日本酒の奥深さを実感しました。佐浦様は、日本酒蔵ツーリズム推進協議会の副会長の務めていらっしゃり、全国トップクラスのお酒造りのお話に加え、現代の日本酒の国内消費量の低下に伴う、海外普及の重要性についてお話しくださいました。佐浦様自身も1999年より海外普及のために様々な活動を世界中でなさっており、酒サムライ事業やIWCの日本酒部門の設立、多くの国際的なレセプションでの日本酒の振る舞いなど現在の世界での日本酒人気をどのように起こしてきたかを伺い、日本酒を世界に広めたいと思うものとして大変勉強になりました。
さらに、賀茂鶴酒造の天畠健史様からは、地域全体で取り組む酒蔵ツーリズムの実践事例をご紹介いただきました。地域の観光資源として酒蔵を活用する取り組みが、どのように地域活性化につながっているのか、東広島市にてどのようにして酒蔵のまち西条を現在の全国的にも多くの方が集まる日本酒の観光地にされたのか、具体的な事例や地域を巻き込んだ課題解決のお話は非常に興味深いものでした。
百年料亭ネットワークの大島誠様からは、百年続く料亭と酒蔵ツーリズムとの連携についての講演があり、日本酒と食文化の結びつきの重要性を改めて考えさせられました。和食が世界的な認知を誇る今だからこそ、百年料亭を目的として日本にいらっしゃるインバウンドの方も大変多くいらっしゃるのだろうなと感じ、そのような方々に更に日本のお酒も体験の中で一緒に味わってファンになっていただけたらと思いました。
総会の最後には、日本酒蔵ツーリズム推進協議会の事務局長 杉野正弘様より、協議会の具体的な活動についてご紹介いただきました。閉会挨拶では、副会長の脇本利紀様より、関係者の皆様への感謝の言葉が述べられました。
懇親会
セミナーの後には、参加者の皆様との懇親会が開催されました。酒蔵の皆様だけでなく、観光業や飲食業など、さまざまな分野の方々が集い、それぞれの視点で酒蔵ツーリズムの未来について意見を交換する貴重な場となりました。
乾杯の際には、先ほど講演をしてくださった佐浦様の日本酒「春酣(はるたけなわ)」が振る舞われました。優しい味わいの中に、ふんわりと広がる華やかな香りが特徴で、寒い日にも関わらず、春の訪れを感じさせてくれる一杯でした。
また、賀茂鶴酒造の天畠様より、G7広島サミットでも提供された「広島錦」をご紹介いただきました。世界のリーダーたちにも楽しまれたこの日本酒を味わいながら、日本酒の持つ国際的な魅力を再認識しました。
さらに、大島様からは、ブランデー樽で熟成させた日本酒をご紹介いただきました。これまでの日本酒の概念を覆すような、香り豊かで奥深い味わいに驚かされ、日本酒の可能性の広がりを実感しました。
この他にも会場には多くの素晴らしい日本のお酒が並び、それぞれを味わいながらどのように酒蔵ツーリズムを盛り上げていくか皆様大変熱心に議論されておりました。私も日本酒業界の皆様の熱い思いや、日本酒を通じた地域活性化の可能性について、さまざまなお話を伺うことができました。日本酒蔵ツーリズムが、単なる観光の一環ではなく、地域の文化や歴史、そして人々の想いを伝える大切な役割を担っていることを改めて感じました。
今回の総会と懇親会を通じて、日本酒を取り巻く環境や、酒蔵ツーリズムの今後の展開について、非常に多くの学びを得ることができました。貴重なお話をしてくださった講師の皆様、そしてこのような素晴らしい機会を作ってくださった日本酒蔵ツーリズム推進協議会の皆様に、心より感謝申し上げます。
Miss SAKEとして、日本酒の魅力を国内外に伝えていくことは、私にとって大きな使命です。これからも、日本酒を通じた文化交流や地域活性化に貢献できるよう、一歩ずつ歩んでいきたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
2023 Miss SAKE Japan
山田琴子