皆様、こんにちは!
2024 Miss SAKE 新潟 野俣佳那です。
8月14日(水)~16日(金)の3日間 香港にて「Oriental Sake Awards」(以下、OSA)と「Hong Kong Sake Festival」が開催され、各イベントへ参加いたしましたのでご報告いたします。
「Oriental Sake Awards」
OSAとはアジア最大級の日本酒コンクールの一つです。
酒類専門家によるブラインドテイスティングで審査を行い、アジアの消費者に好まれる日本酒を選出することにより、酒蔵のアジア市場に向けた輸出戦略の一助となるコンクールを目指しています。
開催は今回で3回目となり、2023年には、在香港日本総領事館、JETRO香港、香港日本料理店協会、一般社団法人awa酒協会の後援のもと、147蔵・356銘柄がエントリーしました。
出品部門は、「純米大吟醸/純米吟醸(淡麗)」「純米大吟醸/純米吟醸(芳醇)」「大吟醸/吟醸(淡麗)」「大吟醸/吟醸(芳醇)」「本醸造」「純米酒(旨味濃醇)」「純米酒(淡麗)」「スパークリング」「生酒」の9つとなります。
各部門で「金賞」「銀賞」「銅賞」が選出され、最高得点の出品酒が「部門チャンピオン酒」となります。さらに、すべての「部門チャンピオン酒」の中から、最高賞として「Sake of the Year」が選出されます。
開催目的:
- アジアの消費者に好まれる日本酒を選出し、消費者の指南書のような役割となること。
- アジア市場で好まれる味わいを選出することで、市場開拓の参考となるデータを提供すること。
- アジア地区で最も影響力のあるコンクールとなること。
審査員:
酒サムライのMicky Chan氏をはじめとしたアジア各国の専門家、教育者、酒サムライや各種日本酒の資格を持つプロから15~20名で構成されています。
審査方法:
審査はワイングラスを使用し、15-18℃(生酒は5-10℃)の温度でサーブされ、ブラインドテイスティングにて行われます。出品酒は審査会場とは別の部屋で準備され、グラスに注がれた状態で審査員の手に渡ります。(審査員がその部屋に入るのも禁止されています)
今年も香港をはじめ、日本、韓国、中国、台湾、マレーシア、シンガポール、オーストラリアなど多くの国から酒類専門家が集まり、8月14日~16日までの3日間「The Mira Hong Kong」にて審査会が実施されました。
私も審査員の一人として審査会へ参加し、3日間多種多様な日本酒をテイスティングいたしました。
5人1テーブルでワイングラスに注がれた日本酒を部門ごとに1ターン10種類ほどテイスティングし個人で「金賞」「銀賞」「銅賞」に評価をした後、グループのメンバーでディスカッションをして評価付けをしていきました。
部門ごとにそれぞれの日本酒が織りなす香りや味わい、切れの良さなど繊細な部分を注視しながら審査を進めていきました。
スペシャリストが感じた感性や一つ一つの日本酒に対する評価基準を伝えながら進めた審査でしたので選りすぐりの日本酒を厳選できたのではないかと思います。
OSA2024にて受賞された日本酒は部門ごとに下記リンクにて公開されております。
Medals List
https://bit.ly/4ebCQ36
YouTube Live
https://youtu.be/LF7lqloaFF0
新潟県からは下記日本酒が賞を受賞しております。受賞された蔵元の皆様おめでとうございます!
・Junmai Daiginjo / Junmai Ginjo (Light & Clean)
「銀賞」
越後桜酒造株式会社 越後櫻 大吟醸
「銅賞」
白瀧酒造株式会社 白瀧 SEVEN 純米大吟醸 25%/白瀧 SEVEN 純米大吟醸 50%
・Junmai (Light & Clean)
「金賞」
高の井酒造株式会社 田友 特別純米酒
・Sparkling
「銀賞」
八海醸造株式会社 瓶内二次発酵酒 あわ 八海山
・Namazake
苗場酒造株式会社 醸す森 純米大吟醸/醸す森 純米吟醸
今回私は初めてテイスティング審査員として参加いたしましたので、不慣れで戸惑うことも多くありました。しかし、テイスティング回数を重ねながらスペシャリストの方々の評価基準に対する考え方や感性を学んでいく中で自分自身の日本酒に対する知識や感性を磨くことができたと思います。
今回の経験をもって、もっと日本酒のテイスティング能力を高めたいと思うようになり、いずれは皆様のように利き酒師として活躍していきたいです。
本コンクールを通して、香港そしてアジア地域へ益々日本酒の輸出が拡大することを期待しております。
この度ご招待いただきました主催元である日本酒造組合中央会様をはじめ、各国の酒類専門家の皆様ありがとうございました。
引き続き、アジア地域の日本酒を一緒に盛り上げていきましょう!!!
「Hong Kong Sake Festival」
8月14日(水)~16日(金)OSA審査会の同日夜、日本酒造組合中央会(FJSIHK)主催の元「Hong Kong Sake Festival」がThe Mira’s penthouse Ballroomにて開催されました。
日本全国43都道府県から150以上の蔵元と蒸留所が参加し、限定品や初入荷の希少種を含む500種類以上の日本酒が出品され、来場のお客様がテイスティングできることが最大の魅力です。
今年のイベントでは、日本各地の日本酒が毎晩登場いたしました。
8月14日 – 「中部地方」の淡麗辛口で有名な新潟県、フレッシュで軽快な味わいの長野県、コクとまろやかさの石川県の日本酒が登場。
8月15日 –
・「東北地方」の代表として有名な酒蔵が数多くあり、日本酒の繊細な味わいで知られている 青森県、秋田県、山形県の日本酒が登場。
・その他北海道や日本酒シーンの新参者となり、主要な日本酒コンクールで数々の賞を受賞している福島県、栃木県の日本酒が登場。
8月16日 ‐ 関西、四国、中国、九州地域の日本酒が登場。
会場では、その場で飲むだけでなく、参加する日本酒の一部や、当日のテーマ地域の日本酒を販売しておりました。
その他リーデル社製グラスのプレゼントや、日本酒協会が主催する初心者からプロまでを対象とした101のワークショップに参加できるなど日本のお祭りと酒イベントを融合したユニークな企画でした。
会場には日本酒ブースのほかにお祭りをイメージして輪投げや金魚すくいなど誰もが楽しめるアクティビティも用意されており、老若男女たくさんのお客様が来場し非常ににぎわった様子でした。
中でも日本への旅行券や「The Mira」の宿泊券など豪華景品が当たる日本酒クイズは非常に多くの方が参加し大盛況でした。
4択のクイズ形式で日本酒にそこまで知見がない人でもトライアルしやすいですし、少しでも日本酒に対して関心が沸くいい機会になったのではないかと思います。
3日間のイベントを通して、たくさんの香港の方々が日本そして日本酒が好きなことを感じることができました。
香港は日本酒の主要な輸出国の一つです。香港経済が厳しい状況ではありますが、一定の市場がある中でより多くの日本酒ファンを獲得し市場を拡大するためには、今回のような新規の客層から注目を得るような、新しい体験を提案していくことが重要だと思いました。
「Hong Kong Sake Festival」は新規の客層からも注目される非常に良いイベントだと思いますので、本事例を参考にその他の国でも同様のイベントを開催し、Miss SAKEもサポートとしてイベントを盛り上げていければと思います。