皆様こんにちは、2024 Miss SAKE Japan 南侑里です。
2025年4月25日、三重県鈴鹿市にある清水清三郎商店株式会社様を訪問させていただきました。今回の訪問には弊社団 大西美香 代表理事 をはじめ、日本キャビアソムリエ協会 会長 出口彰様、株式会社オーシャン・トラスト 代表取締役/Sturgeon LOHAS 代表 辻良様とご一緒させていただきました。
清水清三郎商店株式会社様
「作(ざく)」を醸す清水清三郎商店株式会社様は、三重県鈴鹿市に蔵を構え、国内外で高く評価される日本酒を生み出している酒蔵様。長い歴史に裏打ちされた伝統を大切にしながらも、現代の感性に響く酒造りを追求し続けておられます。代表銘柄である「作」シリーズは、酵母や造りの手法を意図的に変えることで、一本ごとに異なる香りや味わいの個性を生み出しているのが大きな特徴です。華やかで果実のような香りを持つものから、穏やかでやさしい余韻を残すものまで、多彩な表情を見せるラインナップは、まるで“香りのコレクション”です。
蔵の息遣いを感じた見学
今回の訪問では、蔵見学をさせていただく機会をいただきました。ご案内くださったのは、蔵人のマルティン様。
仕込み、発酵、貯蔵、麹室に至るまで、酒造りの全工程を丁寧にご紹介いただきました。
特に印象的だったのは麹室の見学。室内に一歩足を踏み入れると、ふわりと広がる麹の香り、肌に感じる穏やかな熱、やわらかな湿度──その空間には、数字や温度管理では表しきれない“蔵全体の息遣い”が満ちており、五感すべてで酒造りの核心に触れるような感覚を覚えました。
また、発酵中のもろみに櫂を入れる「櫂入れ(かいれ)」の様子も、目の前で拝見させていただきました。
大きな櫂を静かに差し入れ、ゆっくりと撹拌していくその所作には、経験に裏打ちされた確かな技と、醸造に対する深い敬意が宿っていました。
しかもそれはわずかな時間ではなく、約一時間にわたり続けられるとのこと。日々の作業の積み重ねが刻まれた腕の筋肉が、蔵人としての誇りと覚悟を物語っていました。
そこに込められたのは、技術ではなく“情熱”そのもの。
この愛情と情熱こそ、私たちが世界に向けて発信していかなければならない──そう強く心に刻まれる光景でした。
そして清水清三郎商店株式会社様では、蔵人の皆様が特定の工程に固定されることなく、日々のシフトによって役割を交代しながら、すべての工程に携わっておられるとのことでした。一人ひとりが工程全体を理解し、実践できる環境があるからこそ、知識や技術が自然と共有され、互いに支え合い、学び合う文化が蔵の中に育まれているのだと感じました。
それは“分業”ではなく、“協働”。
全員が同じ志のもとで酒を醸す──そんな一体感が、酒の味わいにまで確かに表れているように思いました。
見学後は、清水清三郎商店株式会社 統括マネージャー 清水雅恵様、そしてマルティン様のご案内のもと試飲をさせていただきました。
試飲室は、実際に蔵人の皆様も日々味を確認しながら品質を磨く場所であり、月に一度は蔵全体での試飲会も行われているとのこと。そこで交わされる率直な意見や気づきの積み重ねが、酒の精度を高め、その一杯一杯にさらなる個性をもたらしているのだと感じました。
最後に
伝統と革新が見事に調和するこの蔵で、造り手の皆様の真摯なまなざしと、深く静かな情熱に触れることができた今回の訪問は、私にとって忘れがたい学びの時間となりました。
その一つひとつの工程に込められた想いが、確かな味わいとなって私たちの心に届いていることを、改めて実感いたしました。
統括マネージャー 清水雅恵様、マルティン様、そして温かく迎えてくださった清水清三郎商店株式会社の皆様に、心より御礼申し上げます。
このような貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。
2024 Miss SAKE Japan南侑里