Buongiorno a tutti!
みなさん、こんにちは!
2024 Miss SAKE鳥取 林原有香です。
2024年9月26日~30日、イタリアのトリノにて開催されたスローフード(Slow food)の世界的祭典であるTerra Madre Salone del Gusto 2024(テッラ マードレ・サローネ デル グスト)に参加してまいりました。
Terra Madre Salone del Gustoは、トリノの広大な公園を会場に、イタリアのみならず世界中約130カ国から約40万人近くが訪れる食の祭典です。
生産者を中心に各国代表団が集い出展されており、会場はマーケットが立ち並び、出展ブースの他、アカデミックなものを含めて、食に関するセミナー、ワークショップ等が朝から晩まで開催されていました。
本イベントへの来場者は、食に関するバイヤー、生産者、ソムリエ、シェフ、ジャーナリスト等、食をキーワードに活動されている方の他、食べることが大好きな方、お散歩中の方、地元の学校の課外イベントとしてクラス単位での訪問、友人や家族と一緒に来場されている方等様々でした。
開催日:2024年9月26日(木)~30日(月)
場 所:ドーラ公園(イタリア ピエモンテ州トリノ市)
主 催:スローフード、ピエモンテ州、トリノ市
ウェブサイト:https://2024.terramadresalonedelgusto.com/en/
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【スローフードとは?】
健康(Good)、環境(Clean)、生産者(Fair)をキーワードに、郷土に根付いた農産物や文化・持続可能な食文化を見直し、地元の小規模事業を大事にする考え・運動。1980年代にイタリアで始まり、現在160カ国以上に拡大。
私たちの生命に直接関わり、あらゆる地域の伝統・叡智・喜びなどが込められている“食べる”ことについて、食を味わい楽しみつつ、そこにある見えない味付けを考えることも大事にしている。
大きく以下3つのカテゴリで世界中様々な活動が行われています。
・生物多様性の保護
・消費者と生産者のつながりの創造
・深刻な食の問題に対する認知度向上
Terra Madre Salone del Gustoは、スローフードを代表する国際的なイベントの位置付け。隔年でスローフード発祥の地であるトリノで開催され、持続可能で伝統を守る、小規模生産者を支えていくための国際的な食の祭典となっています。
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今回私は日本から食に関する活動をしているメンバーで構成される代表団の一員として参加の機会をいただきました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000048258.html
日本ブースにて、ご来場いただいた方に日本酒をご紹介いたしましたのでその様子を中心にお伝えさせていただきます。
日本酒ブースでは、全国各地からの日本酒をご来場の方に味わっていただき、鳥取県の日本酒もご紹介させていただきました。
(稲田本店様、大谷酒造様、千代むすび酒造様、久米桜酒造様)
過去参加された方から、本イベントで日本酒は大変人気があるとは伺っていましたが、初日から多くの方にブースに立ち寄っていただき、大盛況!日本酒への関心の高さを実感しました。
Ciao!の挨拶から始まり、日本酒を知っていますか?飲んだことはありますか?日本に行ったことはありますか?等伺っていると、日本酒について以前から知っている、飲んだことがある、好きという方はそこまで多くいらっしゃらなかった印象です。
その分、日本酒について教えて欲しい、飲んでみたい!と好奇心いっぱいで、初めて日本酒に触れる方に日本酒をご紹介できたのは大変嬉しい時間でした。
日本に何度も行かれたことのある方や、日本酒を飲んだことのある方でも、お話を伺ってみると、日本では日本酒を飲む機会がなかった、ラーメン屋さんで食後に飲んだ、海外の日本風レストランで飲んだ、クールな熱燗セットは持っているけど日本酒は飲んだことがない(!)等、日本酒体験に少し物足りなさを持たれているようでした。
数十種の日本酒を前に、好みがわからないという方には、タイプ別(フルーティーな香り、爽やかで軽め、芳醇、重め等)でお好みを伺い試飲していただきました。
ワインを良く飲まれる方は、香りに特に関心を持たれていたり、貯蔵方法についての質問をいただくこともありました。
日本酒自体をご存知無い方には、日本酒は米と水のみでできる日本のお酒であることからまずはお話。
すると、そこからこんなにたくさんの種類の香りや色が異なるものが生まれるのはなぜ!?といったように「不思議な日本のお酒、日本酒」を解明するべくみなさんから質問が溢れ出てきました。
飲み方、食事との合わせ方、酒器、温度、保管方法、色や香りの違い等を含め100以上はいただいたと思います。
日本酒を初めて飲んだ方にとって、何だかよくわからないけど度数の強そうな飲み物で、ショットのように飲むのだろう、という漠然とした日本酒のイメージから、飲んでみたら美味しかった!どこで買えるんだい?というコメントに変わっていったことは、日本酒を広める役割を担わせていただいている上で、とても心動く瞬間でした。
開催地であるイタリアのみならず、世界各国から食や自然、伝統に関心のある方が集まる本イベントにおいて、その関心に沿った日本酒の魅力もお伝えすることができたことは大変有意義でした。
「意外と美味しい!」「これなら飲みたい!」等のコメントがあり、日本酒のもつ可能性の大きさを実感しました。
また、各国ブースも訪問してみる中で、それぞれの地域に根差した食物、料理、酒や調味料といった発酵食品等にも触れる機会がありました。
そのような体験をする中で感じたことは、日本という地に根差し、さらに国内それぞれの地域で独自性をも生み出しながら大切に丁寧に造れらている日本酒もまたスローフードの考えに合致しているからこそ、ここまでたくさんの方に関心を持っていただけたのかもしれない、ということです。
このイベントで重視されていた、生物多様性・環境と日本酒はもちろん無関係ではありません。
日本で造られる酒米が、温暖化の影響で栽培可能な品種や地域にも影響が出てきているというお話も伺ったことがあります。
ユネスコの無形文化遺産登録も期待される中、地域の伝統的酒造りを持続可能なものにしていくには、環境への配慮も必要となります。
今回のイベント参加を機に自分なりに考えてみようと思います。
今回のイベントに参加させていただき、海外の方の日本文化、日本酒への関心の高さを身に沁みて感じました。
身に着けていた着物、帯、髪かざり等を初めて見る方も多く、着物や浴衣の違いや、どんな時に着るのか等、日本酒以外の日本文化についてお伝えする機会もあらゆる場面でありました。
Miss SAKEの研修ナデシコプログラムで教えていただいたことを活かすことのできた場面が多くあり、とても貴重な学びの機会をいただいていたことに改めて感謝しました。
今度はどこかの機会でセミナー方式等、丁寧に日本酒について触れられる活動も行ってみたいと思います。
まだ日本酒を飲んだことが無い方一人でも多くの方に新しい体験をお届けし、今後も日本酒ファンを世界中に増やすべく活動してまいります。
トリノ市のあるピエモンテ州はイタリア北部のフランスとの国境近くに位置し、トリュフやヘーゼルナッツ、ピスタチオ等でも有名です。
初日のオープニングセレモニーにて各国からの代表団と写真撮影(メキシコ、カザフスタン、台湾、南アフリカ等)
【スローフードについての参照先】
Slow Food International https://www.slowfood.com/
Slow Food Nippon (日本スローフード協会) https://slowfood-nippon.jp/aboutus/
2024 Miss SAKE鳥取 林原有香