Miss SAKE News/Blog

上野 ミュラー 佳子様の新作出版記念パーティーにてMiss SAKEが司会を務めさせていただきました/ Miss SAKE served as the host at the publication celebration party for Ms. Yoshiko Ueno-Müller’s new book [*English follows]

皆様、こんにちは。

2023 Miss SAKE 準グランプリ 齋藤ひかりです。

日に日に寒さが増していますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

2024年11月6日(水)に、ドイツの日本酒専門商社 ウエノグルメ創業者で、酒サムライでもある、 上野 ミュラー 佳子様の新作出版記念パーティーが学士会館にて開催されました。

大変光栄なことに、今回の司会進行を務めさせていただきましたので、ご報告いたします。

*記事で使用されている出版記念パーティーの公式写真は、マルクス・バスラー氏によって撮影されました。

日本酒の伝道師:上野 ミュラー 佳子様の情熱と軌跡

(写真引用元:https://ch.japan-gourmet.com/veranstaltungen/in-japanese-in-tokyo

上野 ミュラー 佳子様は東京生まれで、1989年からドイツに拠点を構えています。2005年には「ウエノグルメ」を設立し、ドイツ人のパートナーであるミュラー氏と共に、欧州有数の日本酒専門輸入販売会社に成長させました。

日本酒教育の第一人者として、過去20年間にわたり、ドイツ商工会議所のソムリエ学校などで約1,000人のソムリエに、日本酒の味わいやペアリングを教えてきました。また、国税庁の国酒輸出促進プロジェクトの現地コーディネーターとしても活動しており、ドイツのスターシェフとのペアリングディナーや、世界初のSAKEペアリングコンテストの開催にも尽力しています。

その多岐にわたる活動と功績が高く評価され、2011年には第6回酒サムライに叙任されました。

出版記念パーティー

第一部では、著者である上野様より本の概要と制作に込められた想いをプレゼンテーションしていただき、その後、酒文化研究所の山田聡昭様との対談で、欧州にて外国の方にSAKEを売る秘訣についてお話しいただきました。

日本酒の本『SAKE The Art and craft of Japan’s National Drink』

プレゼンテーションでは、本にも掲載されているお写真を見せていただきながら、上野様ご本人より特にこだわった箇所や想いを伺うことができ、大変貴重な機会となりました。

今回の発刊は、2013年のドイツ語版に続く2冊目となり、世界最大の出版グループであるペンギンランダムハウス系列のプレステル出版社から、英語版とドイツ語版が同時に出版されました。

本書は大きく3章に分かれ、日本酒の基礎的な情報から、文化的・伝統的な側面までをカバーし、日本酒の多面的な魅力を紹介しています。また、ペアリングの章では、味わい別に実際の日本酒が紹介されており、東京をはじめとする日本各地の酒蔵や店舗も紹介されています。内容は非常に充実しており、幅広い情報が詰まっています。

特に上野さんが時間をかけてこだわったのは、各章で紹介される酒蔵のストーリーです。日本各地の地域性や伝統にも焦点を当て、それぞれの酒蔵がどのようにして現在の形や存在に至ったのか、その歩みを知ることができます。

ドイツの高級料理やグルメに特化した著名な雑誌での撮影も手掛けている写真家、マルクス・バスラー氏が捉えた豊かな表情の写真とともに、上野様が綴った言葉を読んだ読者は、間違いなくその世界に引き込まれ、実際に自分の目で見て体験したいという気持ちになることでしょう。

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-02-9783791393049

対談「欧州の日本酒市場 外国人にSAKEを売る秘訣、お教えします」

酒類業界の専門コンサルタントとして活躍し、一般向けコラム執筆や酒類コンテスト・イベントの企画運営も多く行われている山田聡昭様を招いての対談が行われました。

対談を通じて、上野様が渡独当初の厳しい状況の中で、荒地を耕すような想いで日本酒の普及に尽力されてきたことが伝わってきました。
当時、ヨーロッパでは日本酒や日本の食文化はほとんど認知されておらず、その中で試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ信頼を築いていったのだと伺いました。

上野様の情熱と努力があったからこそ、今日のドイツ語圏における日本酒の地位があることを実感しました。

*きき酒師や通訳案内士の資格を持ちインバウンド対応される方達も多数参加されました。

試飲会

*乾杯のご挨拶とご発声は発起人代表、浦霞蔵元の佐浦弘一様

第二部では、上野様がご縁のある20蔵から選ばれたバラエティ豊かな日本酒とともに、西洋料理が提供され、参加者の皆様に素晴らしいペアリングを楽しんでいただきました。

*ドイツに輸出している20社の蔵元が、本に紹介され欧州で好評なお酒を振る舞われました。

普段はドイツにいらっしゃるため、直接お会いできる機会が少ないこともあり、多くの方々が上野様を囲んで楽しいひとときを過ごしていました。

私自身、Miss SAKEの活動を始めた頃にドイツ語で日本酒について学びたくて調べた際、上野様の存在を知りました。当時は海外で日本酒を広めることの難しさをまだ理解できていませんでしたが、実際に海外での活動を経験してからは、文化や言葉の違いによるギャップを少なからず感じることがありました。

初めてお目にかかったProWeinや、先日ご一緒させていただいたSake Week Viennaにて、ご一緒させていただいた方々から上野様やウエノグルメについてのお話を伺い、上野様のこれまでのご功績に改めて感銘を受けました。

(左から写真1,写真2、写真3)
*
参加者と歓談する上野ミュラー佳子様。ご祝辞をいただいた来賓、元ユネスコ大使で酒サムライ(第三回)の門司健次郎様のお姿もございました(写真1)
*発起人で酒サムライのお仲間とのお写真。左から齋藤ひかり、上野ミュラー佳子様(第六回)、妹尾理恵様(第二回)、平出淑恵様(酒サムライコーディネーター)(写真2)
*パーティーの事務局長を務められ、上野ミュラー佳子様の会社を創業時からサポートされている人気酒造代表の遊佐勇人様(写真3)

まだまだ未熟な点もありますが、私も今後さらにドイツ語圏の皆様に日本食や日本酒の魅力を発信できるよう、精進して参りたいと存じます。

上野様、この度は新作のご出版、誠におめでとうございます。

また、今回の会で司会進行を務めさせていただけたことに心より感謝申し上げます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2023 Miss SAKE 準グランプリ 齋藤ひかり

[ For English Speakers ]

Miss SAKE served as the host at the publication celebration party for Ms. Yoshiko Ueno-Müller’s new book

*The official photos of the launch party used in this article are taken by Markus Bassler.

Hello everyone. 

I am Hikari Saito, 2023 Miss SAKE Japan Runner-up.

It is getting colder day by day, but I hope you are all doing well.

On November 6, 2024, a publication celebration party for Ms. Yoshiko Ueno-Müller’s new book was held in Tokyo, and I was honored to serve as the host.

About Ms. Yoshiko Ueno-Müller

Ms. Yoshiko Ueno-Müller was born in Tokyo and has been based in Germany since 1989. In 2005, she founded “Ueno Gourmet” and grew it into one of Europe’s leading Sake importers and distributors together with her German partner, Mr. Müller

As a leading authority on Sake education, she has taught over 1,000 sommeliers the art of Sake tasting and pairing over the past two decades, including at the German Chamber of Commerce’s Sommelier School. She also serves as the local coordinator for the National Tax Agency’s “Sake Export Promotion Project,” organizing Sake pairing dinners with top chefs in Germany and playing a key role in launching the world’s first Sake pairing competition.

Her extensive contributions have been widely recognized, and in 2011, she was awarded the prestigious title of “Sake Samurai“.

Publication launch party

In the first part of the event, Ms. Ueno-Müller gave a presentation on the overview of her book and the thoughts behind its creation. 

During the presentation, Ms. Ueno-Müller shared her thoughts and insights on the book, showing us photographs featured in the book and explaining the elements she was particularly passionate about. 

“SAKE The Art and craft of Japan’s National Drink”

The book is divided into three main chapters, covering the basics of Sake, its cultural and traditional aspects, and introducing the multifaceted appeal of Sake. The pairing chapter presents actual Sake options categorized by taste, along with a spotlight on Sake breweries and establishments across Japan, including Tokyo. The content is rich and packed with a wide range of information.

The book features stunning photography by Markus Bassler, a renowned photographer specializing in high-end cuisine and gourmet magazines in Germany. His expressive images, along with Ms. Ueno-Müller’s words will undoubtedly draw readers into this world, inspiring them to experience it firsthand.

https://prestelpublishing.penguinrandomhouse.de/book/Sake/Yoshiko-Ueno-Mueller/Prestel-com/e629526.rhd

Dialogue: “The Secrets to Selling Sake to Foreigners”

Afterward, she engaged in a discussion with Mr. Toshiaki Yamada of the Sake Culture Institute, where she shared her experience selling Sake in overseas.

During the conversation, it became clear that when Ms. Ueno-Müller first moved to Germany, she worked tirelessly to promote Sake, as both Sake and Japanese food culture were virtually unknown in Europe at the time. 

Through perseverance and trial and error, she gradually built trust. It was evident that Ms. Ueno-Müller’s passion and dedication were key to establishing Sake’s position in the German-speaking world today.

Sake Tasting

In the second part of the party, a variety of Sake from 20 different breweries, personally selected by Ms. Ueno-Müller, was served alongside Western cuisine. 

As Ms. Ueno-Müller is usually based in Germany, opportunities to meet her in person are rare, and many guests were excited to spend time with her, enjoying a delightful moment together.

When I first began my journey as Miss SAKE, I wanted to learn about Sake more in detail in German, and that’s when I came across Ms. Ueno-Müller’s work. At ProWein and more recently at Sake Week Vienna, I had the opportunity to hear from those I met about Ms. Ueno-Müller and Ueno Gourmet. I was once again deeply impressed by her remarkable achievements.

Ms. Ueno-Müller, congratulations on the publication of your new book. I would also like to express my heartfelt gratitude for the opportunity to serve as the host for this event.

Hikari Saito

2023 Miss SAKE Japan Runner-up

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