*2026年9月のインタビューです。
Miss SAKEに応募したきっかけは?
一番のきっかけは、生まれ育った福島県への思いでした。
私はもともと、興味を持ったことにはまず飛び込んでみるタイプです。
これまでも、その時々で「やってみたい」と思ったことに挑戦しながら、たくさんの人と出会い、知らなかった世界を見てきました。
福島を離れて東京で暮らすようになったことも、私にとっては大きな転機でした。
不思議なのですが、故郷から離れ、いろいろな土地の人と出会うようになってからの方が、福島のことを考えるようになりました。
福島の日本酒が全国的にも高く評価されていること。
海も山もあり、浜通り・中通り・会津では文化も食も景色も違うこと。
自分にとって当たり前だったものが、外から見ると実はとても魅力的だったこと。
一方で、「福島が好き」と言いながら、いざその魅力を誰かに伝えようとすると、知らないことがたくさんある自分にも気づきました。
もっと故郷のことを知りたい。
そして、知ったことを自分の言葉で伝えられる人になりたい。
そんな思いから、2026 Miss SAKE 福島大会への挑戦を決めました。
Miss SAKEの何に魅力を感じましたか?
日本酒だけで完結しないところです。
応募した当初の私は、日本酒や日本文化に精通していたわけではありませんでした。
もちろん日本酒は好きでしたが、今振り返れば、知らないことの方が圧倒的に多かったと思います。
でも実際に学び始めると、日本酒の向こう側には、驚くほど大きな世界がありました。
お米や水、気候、土地、造り手。
そこから食や器、歴史、伝統芸能へと興味がつながっていく。
日本酒を知ろうとすることは、日本そのものを知ろうとすることなのだと感じるようになりました。
もともと好奇心が強い私にとって、一つ知るたびにまた知らない世界が現れるMiss SAKEの活動は、とても面白いものです。
ナデシコプログラムを通して学びながら、きき酒師の資格を取得し、WSET SAKE Level 1も受講しました。
「知らない」ことを恥ずかしいと思うのではなく、「じゃあ知りに行こう」と思えるようになったことも、私にとって大きな変化です。
ファイナリスト、そしてMiss SAKE Japanになって、どんな変化がありましたか?
一番大きく変わったのは、出会う人と、見る景色です。
2026 Miss SAKE Japanに選出いただいてからの数か月だけでも、本当にさまざまな場所へ足を運びました。
日本酒に関わる皆様はもちろん、行政や地域の方々、日本の伝統文化を守り継ぐ方々、海外の方々、そして子どもたちまで。
海外で日本酒の魅力をお伝えし、沖縄では泡盛文化に触れ、歌舞伎座では日本の伝統芸能と國酒が交わる特別な空間に立たせていただきました。地方の小学校では、子どもたちと一緒に日本文化について考える機会もいただきました。
少し前の自分には、想像もできなかった景色ばかりです。
応募する前の自分と、今の自分との違いは?
根本的な性格は、意外と変わっていなく、好奇心が強いところも、面白そうだと思ったら飛び込んでしまうところも、人との出会いが好きなところも、昔から変わりません。
ただ、その好奇心の「その先」を考えるようになりました。
以前なら、初めての場所へ行ったり、新しい経験をしたりすること自体に満足していました。
今は、そこで何を知ったのか。誰から何を教えていただいたのか。 そして、それを自分は誰に、どう伝えられるのか。
そこまで考えるようになりました。
Miss SAKE Japanという肩書きをいただいたからといって、突然、完璧な女性になったわけではありません。
むしろ、知らないことやできないことに気づく機会は以前より増えました。
人前に立つ以上、もっと勉強しなければと思うこともありますし、自分の言葉一つ、立ち居振る舞い一つにも責任があることを感じます。
でも私は、それでいいと思っています。
完成してから挑戦するのではなく、挑戦したからこそ、自分に足りないものが見えてくる。
そして、必要になったら学べばいい。
以前よりも、そんなふうに自分の未完成さを前向きに受け止められるようになりました。
あなたから見た「Miss SAKE」とは?
私にとってMiss SAKEは、「自分の世界を広げながら、自分の原点を知っていく場所」です。
応募した頃は、福島の日本酒や魅力を伝えられる人になりたいと思っていました。
その思いは今も変わりません。
でも今は、その意味が少し広がっています。
日本酒を知れば、その土地を知りたくなる。
日本文化を知れば、世界から見た日本を知りたくなる。
海外へ行けば、今度は自分の故郷をもっと知りたくなる。
そして、人と出会えば、また次の世界につながっていく。
この数か月だけでも、最初から自分で想像できていたことはほとんどありません。
その時々で巡ってきた機会に向き合っていたら、気づけば応募した頃には想像していなかった場所に立っていました。
私はまだ、2026 Miss SAKE Japanとしての活動を始めたばかりです。
「Miss SAKEになって、私はこういう人間になりました」と完成形を語るには、まだ少し早い気がしています。
今も変化の途中です。
一年後、自分がどんな景色を見て、どんなことを考えているのか、私自身も楽しみにしています。
そして、もし今Miss SAKEに興味を持ちながら、
「日本酒に詳しくないから」「日本文化についてあまり知らないから」「今の私ではまだ足りない気がする」
そんな理由で応募を迷っている方がいたら、最初から完璧である必要はないとお伝えしたいです。
私自身も、そうでした。
今の自分に知識が足りないからといって、挑戦を諦めなくてもいい。
知識は、挑戦してから身につけることもできます。
知らないことがあるから、知りに行ける。できないことがあるから、挑戦できる。
大切なのは、最初から何でも知っていることではなく、「もっと知りたい」と思える好奇心と、学び続けようとする姿勢なのだと、私はこの活動を通して感じています。
ほんの少しの好奇心と、「やってみたい」という気持ちから、想像していなかったご縁や景色につながることがあります。
私自身が、それを今まさに経験しています。
2026 Miss SAKE Japanとしての一年は、まだまだ途中です。
これからも人とのご縁を大切に、たくさんの場所へ足を運び、学び続けながら、日本酒、日本文化の魅力を、自分らしい言葉で届けていきたいと思います。

2026 Miss SAKE Japan 長瀬志珠




















