皆さま、こんにちは。
2023 Miss SAKE Japan 山田琴子です。
秋の涼しさを感じ始めた10月12日、東京都九段下、九段会館にて開催されました全国燗酒コンテスト実行委員会さま主催、日本酒造組合中央会後援の『全国燗酒コンテスト KAN SAKE AWARD 2023』授賞式にて最高金賞受賞の酒蔵の皆さまへの表彰アシスタントとしてお手伝いをさせていただきました。
燗酒の魅力
日本酒を他のお酒と比較した際に、特に優れている点は、その飲用温度の幅広さです。
日本酒は1つのボトルのお酒を冷たく冷やした5℃の「雪冷え」から35℃の「人肌燗」、50℃の「熱燗」、などさまざまな温度で楽しむことができます。日本酒の面白いところは、温度によりその味わいや香りの膨らみ方が変わり、同じ一本のお酒であっても、何度も違うお酒を味わっているように楽しめるということです。
そのことから、多くのお食事に食事の温度に合わせた温度の日本酒を提供することができ、お食事の風味や熱を損なわず、楽しむことができます。
日本酒の温度については、日本酒造組合中央会がまとめられているので、よかったらご参照ください。
「日本酒を温度で楽しむ」:https://japansake.or.jp/sake/enjoy-sake/how-to-drink-sake/#:~:text=7〜25℃%20飲用適温帯が広い%E3%80%82
平安時代には、日本酒を温めて飲んだという記録もあり、江戸時代以降は平杯に「燗」を注いでいただくことが主流となっています。
燗酒があったからこそ生まれたものもございます。それは、徳利や盃などの酒器です。
燗酒は、日本の文化を語る上で、欠かせない大切な日本酒のアイデンティティの一つです。
全国燗酒コンテスト KAN SAKE AWARDとは
近年、日本酒の幅が広がり、冷やでいただく大吟醸や、ワイングラスでいただくすパクリング日本酒など多様な楽しみ方がございます。フレッシュで繊細な味わいの日本酒は温めるべきではないと誤解も広がる中、伝統的な食中酒として最適な「燗酒」に注目をあて、正しく燗酒を理解していただき、燗酒の価値の向上・おいしさの新発見を目指し、2009年に始まったそうです。
このコンテストは、今年で15回目となります。
全国燗酒コンテストはこれを引き継ぐ、専門家による厳正な審査会です。「温めておいしい酒」を周知することによって、「燗」という日本酒ならではの魅力をアピールすることを目的としています。上質な酒にも燗映えするものがたくさんあります。ぜひ、さまざまな温度で日本酒を味わい、ワインとはひと味違った料理とのペアリングをお楽しみください。
- 全国燗酒コンテスト KAN SAKE AWAED 23 公式サイトより(http://www.kansake.jp/#aConcept)
2023年度の表彰式
今回のコンテストの実施は、8月1日に学士会館にて行われた唎酒審査会にて審査を行い、結果を出したものになります。
全国の酒造241社より808点もの日本酒が出品され、その中から審査が実施されました。入賞の基準は、審査員の評価スコアの平均値で上位30%を金賞、うち最上位5%を最高金賞と認定しております。
審査は、SSI唎酒師の方が湯煎での審査温度にコントロールした燗酒を52名の審査員がブラインド唎酒審査を行い、選出を行なっています。審査員は、酒造技術者や、日本酒の販売のプロ、ジャーナリストなど様々な方で構成されています。
審査は、以下4部門にて行われました。
- リーズナブルな価格で美味しい燗酒を提案するための『お値打ちぬる燗部門』、『お値打ち熱燗部門』
- この部門よりも高い商品を対象にした『プレミアム燗酒部門』
- にごりや古酒などを対象にした『特殊ぬる燗部門』
審査の結果、2023年度は、最高金賞42点、金賞206点(入賞率31%)が選出されました。
表彰式は、その中の最高金賞を受賞した42点の酒蔵を招き、ききちょこを冠したオリジナルトロフィーの授与が行われました。
表彰式は、唎酒師の圓子千春さまの進行のもと始まりました。はじめに、実行員会を代表し、株式会社升喜 代表取締役社長 升本正さまよりご挨拶がありました。
その後、全国燗酒コンテストの後援を行なっている日本酒造組合中央会 副会長 山名規雄さまにより祝辞の言葉が述べられました。
最後に、今回の審査の講評を国税庁鑑定企画官・日本酒造組合中央会理事を歴任された濱田由紀雄さまよりいただきました。
その後、プレゼンターの歌手のなぎら健壱さまと私2023 Miss SAKE Japanにてトロフィーの授与を行いました。
今回受賞された酒蔵はこちら(順不同):
- 株式会社南部美人:南部美人 特別純米酒
- 株式会社新澤醸造店:伯楽星 特別純米 冷卸
- 秋田銘醸株式会社:爛漫 本醸造、爛漫 美酒パック、爛漫 生酛特醸
- 笹の川酒造株式会社:特別純米 山桜
- 梅一輪酒造株式会社:佳撰 梅一輪、純米大吟醸 梅一輪
- 株式会社瀬戸酒造店:セトイチ 風が吹いたら
- 吉乃川株式会社、厳選辛口 吉乃川
- 株式会社DHC酒造:越乃梅里 特別純米酒
- 東酒造株式会社:神泉 懐石酒 回
- 合資会社加藤吉平商店:梵・吉平
- 宮坂醸造株式会社:真澄 真朱
- 初亀醸造株式会社:初亀 プレミアム
- 中埜酒造株式会社:國盛 半田郷 純米辛口
- 株式会社宮﨑本店:宮の雪 山廃仕込 特別純米酒
- 清水清三郎商店株式会社:作 雅乃智
- 竹内酒造株式会社:唯々 生酛純米大吟醸
- 玉乃光酒造株式会社:玉乃光 純米吟醸 酒楽、玉乃光 純米吟醸 酒魂
- 香住鶴株式会社:RICH 山廃 香住鶴、山廃 吟醸純米 香住鶴
- 大関株式会社:のものも
- 小西酒造株式会社:KONISHI 純米吟醸ひやしぼり、白雪丹波伝承仕込
- 株式会社今西清兵衛商店:金紋 春鹿
- 利守酒造株式会社:酒一筋 時代おくれ
- 賀茂鶴酒造株式会社:賀茂鶴 樽酒
- 綾菊酒造株式会社:綾菊 金紋
表彰式は最後、実行委員長・株式会社酒文化研究所 代表取締役 狩野卓也さまよりご挨拶があり、終了いたしました。
これから気温も下がり、お食事もお酒も温かさが欲しくなってくる季節です。是非、皆さまもとっくりを鍋につけ、燗酒を楽しんでみてはいかがでしょうか?
Miss SAKEの初めての合宿にて燗酒の付け方を学んでから半年。私はすっかり燗酒の魅力と、心まで温まる優しさにはまっております。
今回ご紹介いたしました最高金賞以外にも、多くの金賞を受賞した日本酒がございます。燗酒選びの際には、是非ご参考いただけますと幸いです。
受賞酒一覧はこちら:http://www.kansake.jp/#aConcept
株式会社 酒文化研究所の皆さま、この度は、大変素晴らしい歴史のあるコンテストの授賞式にご招待いただきまして、誠にありがとうございます。
これからも、伝統ある日本酒の魅力である燗酒の美味しさと楽しみ方をより多くの方にお伝えすべく、精進してまいります。
2023 Miss SAKE Japan
山田琴子