皆様こんにちは。
2024 Miss SAKE 京都の津田朋佳です。
このたび、GI「京都」記念発表会に出席いたしましたので、ご報告いたします。
本発表会は、地理的表示(GI)「京都」が清酒として新たに指定されたことを記念して開催されたものであり、京都の日本酒が長い年月をかけて育まれてきた風土、歴史、文化の結晶であることを、改めて社会に示す大きな節目の場であったと感じております。Miss SAKEとして日本酒の魅力を伝える活動に携わる中で、このような歴史的な瞬間に立ち会えたことを、大変光栄に思いました。
GIとは、その地域ならではの自然的、人文的、社会的要因の中で育まれてきた品質や社会的評価などの特性を有する産品の名称を、生産地や原料、生産方法などの基準とともに登録し、国が保護する制度です。日本酒は2015年に国レベルのGIとして「日本酒」が指定され、原料米に国産米のみを使用し、日本国内で製造された清酒のみが「日本酒」を名乗ることができるようになりました。近年では各地域でのGI登録が進み、2025年には「京都」も新たに登録されました。
このGI「京都」の認定は、単に名称が守られるということにとどまらず、京都の酒造りに携わってこられた努力や、地域全体で培ってきた価値を、次世代へと受け渡していくための大きな意味を持つものだと感じています。また、消費者にとっては品質への信頼を高め、インバウンドや海外市場においては、日本酒が日本の文化産品であることを示す重要な指標となります。Miss SAKEとして、この背景にあるストーリーを伝えることこそが、自身の役割であると改めて強く認識しました。
第一部では、大阪国税局長 彦谷直克様より、GI「京都」認定に際してのお言葉を頂戴し、日本酒が地域文化と密接に結びついた産品であること、そしてそれを正しく守り、伝えていく責任についてのお話がありました。その言葉一つひとつが、日本酒を発信する立場にある私自身への問いかけのようにも感じられました。
続いて、京都府酒造協同組合 理事長 大倉博様からは、「京都で造られ、京都で育まれてきた酒こそが京都の酒である」という力強いお話がありました。伝統を守りながらも革新を恐れず、時代に応じて変化を続けてきた京都の酒造り。その背景には、京都の食文化とともに歩んできた日本酒の存在があり、文化と文化が寄り添い合うことで、酒の味わいそのものが深まってきたというお話が印象に残りました。Miss SAKEとして、日本酒単体の魅力だけでなく、それを取り巻く文化との関係性まで含めて伝えていくことの大切さを、改めて教えていただいたように思います。
文化庁 生活文化創造担当参事官 武藤高之様からは、和食、日本酒、そして京料理がユネスコ無形文化遺産として登録されてきた流れに触れ、今回のGI「京都」認定が、京都の食文化・清酒文化が世界へと広がる新たなきっかけになるのではないかとの期待が語られました。
京都府立大学 生命環境科学研究科 准教授 中村貴子様によるご講演では、GI京都の基準づくりに携わられた立場から、京都の日本酒の特性や歴史的背景について詳しくお話しいただきました。「伝統は、言葉にして伝えていかなければ残らない」というお言葉は特に心に残りました。Miss SAKEの活動もまた、日本酒の味わいだけでなく、その背後にある価値や想いを“言葉”として届ける役割であることを、強く実感しました。
京都の日本酒は、華やかでありながら口当たりがやわらかく、調和のとれた丸みのある味わいと、品のある香りが特徴で、京料理に寄り添う酒であると表現されました。主張しすぎることなく、しかし確かな存在感を持つ。その在り方は、まさに京都という土地そのものを映しているように感じられました。この「寄り添う日本酒」という表現は、今後私自身が京都の日本酒を伝えていく上で、大切にしたい言葉の一つとなりました。
また、京都の地形や気候、水質、米、酒造技術がどのように酒質に影響しているかについての説明を通して、日本酒は自然と人の営みの積み重ねによって生まれるものであることを、改めて深く理解することができました。京都の酒造りが、早い段階から新しい技術を柔軟に取り入れてきた背景には、地域としての強い結束力があったのではないかというお話も印象的でした。
トークセッションでは、GI京都管理機関を代表して京都府酒造協同組合 理事長 大倉博様、酒造会社を代表して株式会社北川本家 代表取締役 北川幸宏様、酒造りに従事する立場から東和酒造株式会社 杜氏 今川純様、本日の講演者である中村貴子様、そしてMiss SAKEとして2025 Miss SAKE JAPAN 館農知里さんと、私、2024 Miss SAKE 京都 津田朋佳が登壇いたしました。
大倉理事長からは、地域が持つ素晴らしい文化を最大限に活用しながら、京都の清酒を今後さらに発展させていきたいという強い意志が語られました。
北川社長からは、多くの訪日外国人に対して、京都が日本酒の主要な産地であることを積極的にアピールしていきたいとの抱負が述べられました。
また、女性初の丹波杜氏である今川純様からは、京都の地形と酒質の関係についてお話しいただくとともに、今後はより親しみやすく、軽やかな飲み口のスパークリング日本酒を造っていきたいという展望が語られました。現在造られている日本酒についても、ラベルにメッセージ性を持たせ、絵葉書のように「贈りたくなる」日本酒を目指しているとのことで、思わず手に取りたくなる工夫を通じて、日本酒の魅力を伝えていきたいという想いが印象に残りました。
中村様からは、大学で20歳前後の学生に日本酒について教えている立場から、若い世代が日本酒を選ぶ機会はまだ多くはないものの、仲間とお酒を楽しむ文化の中で、一人でも日本酒を飲む人がいれば興味を持つきっかけになっているという現状が紹介されました。低アルコールやスパークリングといったタイプは学生にも手に取りやすく、飲み方の多様性を伝えることの重要性についても触れられ、Miss SAKEにはその橋渡し役としての発信が期待されました。
大倉理事長や北村社長も様々な飲み方をすることも一つの楽しみ方だと仰っており、Miss SAKEとしても、沢山の人が日本酒を飲むきっかけを作るためにもおすすめの飲み方やペアリングをより発信していくべきだと感じました。
第二部では鏡開きや舞妓さん・芸妓さんの舞、GI京都認定酒と料理のペアリングが行われ、日本酒が人と人をつなぎ、場の空気を和ませ、文化として息づいていることを体感する時間となりました。単に「飲む」だけではなく、日本酒を介して交流が生まれる、その光景そのものが、日本酒文化の価値であると感じました。
今回のGI「京都」認定は、京都の日本酒が持つテロワールや歴史、造り手の想いを、国内外へと伝えていくための大きな一歩です。Miss SAKE 京都として、私はこの認定をゴールではなく、新たなスタートと捉えています。京都の日本酒がなぜ美味しいのか、なぜ京料理に合うのか、そしてなぜ今、世界に伝える価値があるのか。その問いに、自分自身の言葉で答え続けながら、日本酒の魅力を未来へとつないでいきたいと、強く心に刻んだ一日となりました。


































