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第12回ナデシコプログラムレポート【日本酒の醸造技術と伝統工芸、Miss SAKEの歩みを深める一日】2026 Miss SAKE 北海道 若井日南子

皆様こんにちは。

2026 Miss SAKE 北海道 若井日南子と申します。

第12回ナデシコプログラムが開催されましたので報告いたします。

【プログラム内容】

⚫︎醸造機械について、機械業から見る日本酒(講師:株式会社北村商店 北村商店 専務 北村勇人様)

⚫︎手ぬぐい講座(講師:株式会社かまわぬ 専務取締役 高橋基朗 様)

⚫︎初代Miss SAKEとして(講師:初代Miss SAKE 森田真衣 様)

【醸造機械について、機械業から見る日本酒】

 今回の講義では、1911年に東京・上野で創業された醸造用品専門商社、株式会社北村商店の代表取締役・北村勇人様よりお話を伺いました。北村様は蔵元での修行や酒類総合研究所での研修を経て、現在は醸造機器の提供にとどまらず、熟成酒の価値向上を目的としたD2Cブランド「北村酒展」の立ち上げや、熟成日本酒文化を広めるための「株式会社 熟と燗」の運営など、多角的に日本酒の価値向上に取り組まれています。

 醸造機器業界は、精米から瓶詰めまで、酒蔵をゼロから設計・施工する役割も担っており、日本酒文化を文字通り「土台」から支える存在であることを改めて実感いたしました。北村商店様は現在、国内400蔵以上のクライアントに加え、海外の拠点のサポートやクラフトサケ、蒸留酒のスタートアップ支援など、時代の変化に合わせた柔軟な活動を展開されています。

道具の変遷が紡ぐ日本酒の歴史

 日本酒の歴史を振り返ると、それは道具の進化の歴史そのものであると伺いました。古代の飛鳥・奈良時代には臼での精米や土に埋めた甕(かめ)での仕込みが行われていましたが、鎌倉から室町時代にかけて大容量の甕や木製の桶が登場し、大量生産の礎が築かれました。

 江戸時代には現代の醸造工程の原型が確立され、火入れによる殺菌技術も普及しました。さらに明治から昭和にかけてガラス瓶やホーロータンクが導入され、昭和の大量生産時代に現在の醸造機械のベースが完成したという経緯があります。現代では新政様やせんきん様のように、あえて昔ながらの木桶仕込みに立ち返ることで独自の価値を生み出す蔵も増えていますが、当時の主流であったフルボディな味わいを想像しながら、道具が酒質に与える影響の深さを学びました。

理想の酒質を実現する現代技術

 現代の酒造りにおいて、機械は単なる効率化の手段ではなく、造り手が理想とする酒質を実現するための「パートナー」へと進化しています。精米時の摩擦熱を抑える最新の精米機や、吸水量を1%単位で管理し、過酷な冷水作業を自動化する洗米機の存在は、品質の安定と蔵人の負担軽減を両立させてくれます。

 また、夜通しの作業が必要だった麹づくりを自動管理する製麹機や、Wi-Fiを通じて外出先からタンクの温度を操作できる機械など、デジタル技術の導入が進んでいます。さらに、数時間を要した成分分析を数分に短縮する装置や、酸化を極限まで防いでフレッシュさを保つ「KeyKeg(キーケグ)」など、品質保持の面でも革新的な技術が投入されています。こうした最新機器の導入は、特に人手不足に悩む小規模な蔵ほど、持続可能な運営のために不可欠な要素であると伺いました。

熟成酒の価値創造と未来への展望

 北村様が特に注力されている熟成酒の市場開拓については、非常に感銘を受けました。日本酒の在庫を「余り物」と捉えるのではなく、時間という付加価値が付いた「資産」として捉え直す視点は、業界にとって大きな希望となると感じました。1本3万円という高価な熟成酒の販売や、京都での専門バーの展開を通じて、ワインにおけるロマネコンティのようなハイエンドな市場を構築しようとする試みは、日本酒の新たな可能性を切り拓くものです。

 先日の梅乃宿酒造様の上場という明るいニュースや、海外での醸造所設立の動きが加速する中、日本酒がグローバルな市場で勝ち残るためには、こうした付加価値の創造が欠かせないと感じております。

講義を受けて感じたこと

 今回の講義を通じて、日本酒の美味しさは、蔵人の情熱と、それに応える「道具」と「技術」の進化の結晶であることを深く理解いたしました。

 醸造機器という「裏方の力」が、未来を切り拓いているということを知り、Miss SAKE 北海道として、より多角的な視点でお酒のストーリーを伝えられるようになると確信いたしました。蔵人の想いと醸造機器の技術を大切に、これからも日本酒の魅力を発信して参りたいと思います。

 

【手ぬぐい講座】

 今回のナデシコプログラムでは、株式会社かまわぬの専務取締役、高橋基朗様を講師にお迎えし、手ぬぐいの歴史から現代における価値の創造についてご講義いただきました。

江戸の「粋」を纏うブランドの原点

「かまわぬ」という屋号とロゴは、江戸時代後期の「判じ絵」という遊び心あふれるデザインに由来します。農具の鎌(かま)に輪(わ)、そして「ぬ」を組み合わせたこの紋様は、もともと「お構いなし」「構うものか」という江戸町人の心意気を表したものでした。たとえ火の中、水の中であっても、我が身を捨てて弱き者を助ける。そんな町奴や火消したちの男意気を象徴するデザインとして好まれ、七代目市川團十郎が舞台で用いたことをきっかけに、当時のクリエイターや庶民の間で爆発的に流行したといいます。

 現代の「かまわぬ」という店名には、「特別なお構いはできませんが、気軽にお立ち寄りください」という想いが込められています。かつては配り物やノベルティという立ち位置だった手ぬぐいを、自分たちで価値を育てる「商品」へと昇華させ、訪れるお客様に気兼ねなく楽しいひとときを過ごしていただきたいという、現代の粋な精神が息づいています。

職人の手仕事「注染」

 かまわぬの手ぬぐいの根幹を支えているのは、明治時代から続く「注染(ちゅうせん)」という技法です。最大の特徴は、布の両面から染料を吸い込ませるため、裏表が全くない仕上がりになることです。この工程に欠かせないのが、海藻や粘土を用いた「糊」の管理です。気温や湿度に合わせて職人が糊の硬さを調整し、デザインの輪郭を決めるマスキングを行っていきます。この糊の硬さの調整が大変な作業で、糊が硬すぎるとマスキングが割れてしまい、緩すぎると線がうまく決まらないデザインになってしまうとのこと。てぬぐい造りの中で一番大変な工程だと伺いました。

機能美と「育てる」喜び

 手ぬぐいは単なる布ではなく、日本の気候に最適化された機能を備えています。端を縫わない「切りっぱなし」の仕立ては、水切れを良くして速乾性と衛生面を確保するための江戸時代からの知恵です。使い込むほどに端がフリンジ状になりほつれが留まります。また、使うたびに肌に柔らかく馴染んでいくため、自分だけのてぬぐいとして育てる楽しさがあります。

瓶包みに挑戦

 手ぬぐいの知識や歴史を深めた後は、実践編として日本酒の四合瓶を包む2種類の技法をご教授いただきました。

 実際に挑戦してみると、単に強く締めれば良いというわけではなく、力の入れ方のバランスが重要であることを学びました。例えば、最初に瓶へぎゅっと結びすぎてしまうと、最後に手ぬぐいの端を隙間に潜り込ませる際に余裕がなくなってしまい、指先に苦労する場面もありました。全体の形を整えながら、適度なゆとりを持って包むことの難しさと大切さを実感いたしました。

 今回学んだ包み方は、一度コツを掴めば日常でもすぐに取り入れられる実用的な形でした。これからお酒をどなたかにプレゼントする際には、手ぬぐいを添えて、この温かみのある贈り方をぜひ役立てていきたいと感じています。

講義を通して感じたこと

 これまで、私にとって手ぬぐいは日常的に使う機会の少ないものでした。しかし、今回の講義を通して、心躍るような可愛らしいデザインの数々や、職人の方々が丹精込めて作り上げる背景を伺い、その奥深さにすっかり魅了されました。これからはお気に入りの一枚を見つけ、暮らしの中で育てていく喜びを味わいたいと感じています。

 質疑応答の際に、「手ぬぐいの素晴らしさをどのように伝えていけばいいか」お伺いしました。その回答として、まずは「自分」が生涯使い続けたいと思うほどファンになりなさいというお言葉をいただきました。自分(一人称)が心から愛用していれば、自然と身近な大切な人(二人称)へ伝えたくなる。そしてその想いが連鎖することで、やがて社会(三人称)へと広がっていく。「一人称、二人称、三人称」という循環の考え方を教えていただきました。この「一人称から始まる循環」の考え方は、手ぬぐいだけでなく、私たちが愛する日本酒などの日本文化すべてに通じる本質的な教えです。

 まずは自分自身が誰よりもその文化を楽しみ、よく知り、一番のファンであること。その「本気の熱量」を原動力に、日本文化の素晴らしさを、多くの方々へお届けしていきたいと思います。

【初代Miss SAKEとして】

 初代 Miss SAKE として道を切り拓いてこられた森田真衣様のお話を伺い、Miss SAKE として持つべき「アイデンティティ」と「活動の原点」を再確認いたしました。

 森田様は、Miss Universe Japan ファイナリストとして Yahoo! BEAUTY 賞を受賞されるなど華やかな経歴をお持ちですが、Miss SAKE 初代グランプリとして歩み出された当初は、想像を絶する苦労があったことを拝聴いたしました。当時は現在のように確立された運営スタイルではなく、イベントに赴いても蔵元様から「あの子は誰?」という厳しい視線に晒されたり、ブースによっては歓迎されない雰囲気を感じることもあったそうです。

 そのような中、森田様は顧問の方々への敬意を片時も忘れず、一歩ずつ信頼を積み重ねてこられました。「◯◯さんが応援しているなら」と周囲が認めてくださる背景には、顧問の皆様の多大なるお力添えがあります。私たちが今、恵まれた環境で活動できているのは、先輩方が積み重ねてこられた情熱や、顧問の皆様への感謝を忘れない姿勢が今のMiss SAKEを支えているのだと痛感いたしました。

Miss SAKEとして必要なこと

 また、Miss SAKE として必要な資質についても、多くの示唆をいただきました。「来週ブラジルに行けるか」という問いに即応できるフットワークの軽さと、現地集合さえ厭わない強い責任感。そして、国際的な場においては謙虚さを持ちつつも、場の雰囲気に合わせて自分を高く設定し、堂々と振る舞う「ハッタリをオーラに変える度胸」も時には、結果としてMiss SAKEの品格を守ることに繋がるのだということを伺い、非常に感銘を受けました。

活動の土台となる「自己管理」と「信頼」

 日々の活動の土台となる自己管理についても、技術以上に「当たり前の徹底」が信頼を生むことを改めて心に刻みました。自分で判断せず相談を仰ぐこと、そして迅速なレスポンスを心がけることは、事務局や関係者の皆様との信頼を築く鉄則です。加えて、都道府県代表という「代わりがいない」立場であることを自覚し、体調管理を徹底して、どのような状況でも現場に穴を開けないというプロとしての責任感を強くいたしました。

 さらに、私たちの象徴である「サッシュ」への向き合い方も学びました。サッシュは自分の一部であり、最も大切な商売道具です。先輩方の中には紛失を防ぐため常に機内へ持ち込む方もいらっしゃると伺い、その誇りと愛着を私も受け継いでいきたいと感じました。

 そして、振袖を脱いだ後の私服選びから、笑顔の角度、声のトーンに至るまで客観的な自己分析を怠らず、常に隙のない立ち振る舞いを心がけ、県代表としての自覚を持って行動いたします。

 共に学ぶファイナリストは、心強い仲間であると同時に、切磋琢磨し合うライバルでもあります。慣れ合いにならず、互いに良い緊張感を持ち続けることで、このナデシコプログラムを真に価値ある成長の場としていく決意です。

2026 Miss SAKE 北海道 若井日南子

 

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