みなさま、こんにちは。2026 Miss SAKE 岐阜 矢橋舞美です。
5月30日と31日の二日間にわたって三重県の各地にてナデシコプログラムが行われました。本レポートでは2日目の様子をご報告いたします。この場をお借りして、ご多忙の中この合宿にご協力いただきました皆様に感謝申し上げます。
【今回お世話になった方々とプログラム内容】
・イノウエパール 代表 井上啓俊様及び「真珠の里」の皆様 「真珠についてのご講義と真珠取り出し体験」
・志摩なぎさ企画 代表 竹内壽治様及び「火場・広の浜」の皆様 「昼食・海女小屋体験」
・井上啓俊様のアテンドによる「横山展望台散策」
【なぜ真珠は高級なのか?】
2日目の午前中は、志摩市にある「真珠の里」にて、真珠についてのご講義と、アコヤ貝からの真珠取り出し体験をさせていただきました。
真珠とは、砂粒や貝殻の欠片などの異物がアコヤ貝の体内に偶然入り込んだ際、貝がそれを外套膜の真珠膜で包み込むことで生まれる天然の産物です。
英虞湾の穏やかな海は、アコヤ貝の養殖に恵まれた環境として古くから知られてきました。かの有名な三重県鳥羽出身の御木本幸吉が、3年にわたる試行錯誤と赤潮による全滅という苦難を乗り越えながら、1893年に世界で初めて真珠の養殖に成功しました。さらに、球体に削った核を外套膜と一緒に貝の体内に挿入する技術が確立され、天然では稀であった「大きくて丸い真珠」を人の手で生み出すことが可能となりました。志摩はまさに、世界の真珠養殖発祥の地なのです。
では、なぜ真珠はこれほど高級なのでしょうか。まず、真珠の価値を決める主な要素には、真珠層がどれだけ厚く巻かれているかを示す「巻き」と、光の反射の美しさを示す「照り」の2つがあります。どちらも海の環境と貝の状態に左右される繊細なものです。核入れをしてから真珠が形成されるまでには8〜12ヶ月を要し、その間アコヤ貝は海の環境変化に絶えずさらされます。水温の変動や赤潮が起きると真珠層の輝きが損なわれ、価値が大きく下がってしまいます。
アクセサリーとして使われるような美しい真円に仕上がる真珠は全体のわずか5%ほどに過ぎません。なお、アコヤ貝と同じ餌を大量に食べる牡蠣とは一緒に養殖できないといった制約もあり、手間と時間と自然の偶然が重なってこそ生まれる一粒であることが、真珠が高級たるゆえんなのだと深く理解できました。ちなみにアコヤ貝の寿命は5年ほどで、その短い生涯の中で人の手と自然の力が一体となって真珠は育まれます。
さらに、冠婚葬祭の時に真珠のアクセサリーが使われる理由ついてもお話を伺いました。明治・大正期に着物文化が廃れ、正装の機会が減っていく中で、真珠が装いを格上げするアクセサリーとして広まっていったというお話も印象的でした。真珠が単なる宝石にとどまらず、日本人の装いの歴史とともに歩んできたことを知り、改めてその奥深さを感じました。
講義の後は、実際にアコヤ貝から真珠を取り出す体験をさせていただきました。手探りで貝を触ってしばらくすると、その中に柔らかな光を帯びた真珠が現れました。その瞬間の驚きは、講義で学んだ知識がはじめて実感として結びついた瞬間でもありました。
私が獲得した真珠は、雫のような形で、光沢もムラがあるものでした。これはおそらく市場に出すと価値が低くなってしまうのかもしれません。しかし、私は個性的だと感じ、何よりも自然の恩恵を受け様々な奇跡が重なってできたものに変わりはないので、すぐに愛着が湧きました。
取り出した真珠はその場でアクセサリーに加工することができます。いつでも身につけられるよう、私は指輪に加工していただきました。
【海女さんが獲る美味しい貝類と現実】
昼食は、志摩なぎさ企画の竹内壽治様にお世話になり、海女小屋体験をさせていただきました。海女さんが獲りたての魚介類をその場で豪快に焼いてくださる海女小屋は、伊勢志摩を代表する食文化のひとつです。アワビやサザエをはじめとする新鮮で貴重な三重の幸を堪能しながら、海女さんたちの仕事や暮らしについても直接お話を伺いました。
海女とは、素潜りで海底の貝や海藻などを獲る女性の漁業者で、その歴史は数千年前の原始社会にまで遡ると推定されています。1500年前の万葉集にもその姿が詠まれており、三重の海女の歴史は3000年以上に及ぶとも言われています。かつては裸眼で潜っていた海女さんたちが磯眼鏡を使うようになったのは明治以降のことで、それまでは素の目で海底を見ながら漁をしていたといいます。
現在、全国の海女の約半数が三重県の鳥羽・志摩に集中しており、2017年には「鳥羽・志摩の海女漁の技術」として国の重要無形民俗文化財に指定されました。ユネスコへの登録を目指し、県と国の認定を経て現在も活動が続けられています。
しかし、その文化は今、大きな岐路に立っています。現在活躍される海女さんには80代・90代の方も多く、高齢化と後継者不足は深刻です。加えて、近年は黒潮の蛇行などの影響で3月頃から海の様子がおかしくなるなど、気候変動による漁場環境の変化も追い打ちをかけています。
高齢化、後継者不足、そして漁場における資源の減少が重なり、海女文化の存続は深刻な課題に直面しており、海女漁で生計を立てることが難しくなっている現実があります。「海女さんは絶滅危惧種だ」という言葉が切実な現状として胸に刺さりました。
獲りたての貝の美味しさに感動しながらも、それを届けてくださる海女さんたちの文化が今まさに継承の瀬戸際にあることを、同時に胸に刻んだひとときでもありました。3000年続いてきた営みを次の世代へつなぐために、私たちMiss SAKEが日本の食文化を発信する立場として、何ができるのかを真剣に考えさせられた体験でした。
1日目の夜には頂かなかった三重県産日本酒とともにいただきました。
【鳥羽に来たらこの絶景!地元の方々がおすすめする横山展望台】
午後は、井上様のアテンドにより、横山展望台を散策いたしました。横山展望台は、日本有数のリアス海岸美を誇る英虞湾に浮かぶ約60の小島と、幾重にも折り重なるように突き出た半島を一望できる、志摩市にある展望スポットです。その眺望は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」において一つ星を獲得しています。
午前中に真珠の里で眺めた英虞湾の筏が、展望台から海面に広がっているのが見えました。この湾の穏やかな水面の下で、長い年月をかけて真珠が育まれていることや、海女さんたちが今日も素潜りで海に入っていること。その光景を思い出しながら眺めるその景色は、三重の海の奥行きを感じさせてくれました。
【最後に】
大西代表曰く、この合宿は「1年前から練りに練ったプログラム」だったそうです。いつもナデシコプログラムでは各分野の一線でご活躍されている一流の方々からお話を伺うことができ、おかげさまで、普通ならできない経験を多くさせていただきました。また、この伊勢合宿はその集大成でした。大変ご多忙の中、お時間を作っていただき、私たちにご講義やご案内をしてくださった先生方、街で出会い話しかけてくださった方々、そして事務局の皆様、関わってくださった全ての方々に誠に感謝申し上げます。
最終選考会まで残り2週間。いよいよクライマックスを迎えます。後悔のないように大会まで準備を整え、大会後も多くの方々に日本酒をはじめとする日本の伝統文化の魅力をお伝えできるよう、精一杯努めてまいります。未熟者ではございますが、引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。
【Brief in English】
On 31st May, we visited Shima City and Toba City in Mie Pref. as part of the 18th Nadeshiko Program.
In the morning, we visited Shinju no Sato, a pearl experience facility, where we attended a lecture on pearl cultivation and extracted pearls from akoya oysters ourselves. We learned that Shima is the birthplace of pearl cultivation worldwide, as Mikimoto Kokichi first succeeded here in 1893. We also learn that only about 5% of cultivated pearls achieve a perfect round shape. I had my pearl made into a ring as a memento of the experience.
For lunch, we experienced an ama-koya hosted by Mr. Takeuchi of Shima Nagisa Kikaku, where ama divers cooked their fresh catch for us. We enjoyed abalone, turban shells and other local seafood while hearing about the ama tradition, which dates back over 3,000 years. However, the number of active ama has dropped drastically, and the culture faces serious challenges from an aging workforce and climate change.
In the afternoon, Mr. Inoue guided us to Yokoyama Observatory, which offers a panoramic view of Ago Bay and its approximately 60 small islands, awarded one star in the Michelin Green Guide Japon.
In closing,I would like to express my sincere gratitude to everyone who supported us as they have fully supported us to have such precious experiences on the Nadeshiko Program. We have only two weeks until the Final of 2026 Miss SAKE.I will continue to do my best to play my role, which is to promote Japanese SAKE and culture to the world.




































