『WSET WINE講座 Level1』
5月9日に受けたSAKE講座同様、一日を通して、9種類のワインをテイスティングしながら講義を受講、最後にはイギリス ロンドンで採点が行われる認定試験を受けさせていただきました。
”難しい”というイメージを持たれることが多いワイン。
飲食の道へ進み、ワインの勉強をするまでは私も同じイメージを持っていました。
しかし、ブドウの品種や地域ごとの特徴、自分の味の好みを少し知るだけで、どんどん間口が広がり、味わいや風味が分かるようになってきます。
Level1でのテイスティングで表現する色や風味の表現は比較的簡単で、誰でも分かりやすいと感じました。
難しい表現や複雑な味の構成を味覚から取れることも大事ですが、サービスする上で相手に伝わらなければ意味がありません。
例えば白ワインでは、青リンゴやレモン、パイナップル。赤ワインでは、黒スグリ(カシス)やイチゴ、ミントなどが挙げられます。
どれも馴染みがあり聞いただけで香りや味が想像しやすいもので、こういった品種や産地の系統や特徴を分別できることによってその時の気分や料理に合わせたワインを選択できるようになります。
同じ品種のブドウを使っていても、温暖な地域ではブドウがより完熟するので濃厚かつ複雑な味わいになったり、冷涼な地域ではすっきりと爽やかな味わいになったりします。
日本酒も、作られる地域の気候や使う酒米によって風味が変わりますし、辛口か甘口、酸味などもそれぞれ個性があり好みも分かれますが、ラベルから産地や日本酒度、精米歩合などを読み取ってなんとなくの味わいや風味を予想して購入出来ます。
日本酒はラベルが日本語であるのに対してワインはフランス語や英語など様々。
こういった点も難しいと感じてしまう原因なのではないかと思います。
日本酒とワインは同じ醸造酒ですが、それ以上にどこか似ていて、ワイン好きには日本酒を、日本酒好きにはワインを、おすすめしやすいと感じます。
また白ワインと赤ワインは、使うブドウはもちろん作る工程にも違いがあり。
白ワインが「〈破砕〉→〈圧搾〉→〈発酵〉→〈熟成〉→〈瓶詰め〉」と圧搾の後に発酵する工程であるのに対して。
赤ワインとロゼワインは、「〈破砕〉→〈発酵〉→〈抜き出し〉→〈圧搾〉→〈熟成〉→〈瓶詰め〉」と先に果皮付きで発酵したのち、液体を抜き出してから圧搾します。
同じワインでも、このように作り方が変わるのはとても面白いなと思いました。
私自身、国内では山梨県のワイナリーに数か所、国外ではイタリアのワイナリーを訪れたことがあります。
ワイナリーのすぐ近くでは、大抵沢山のブドウが植えられていました。
第一回目ナデシコプログラムの関谷社長のお話で、フランス人の方が。
「ワイナリーではすぐ横でブドウを栽培しているのに日本酒の酒蔵ではお米を育てないのはなぜか?」と質問を受けたというお話をしていただいたことを思い出しました。
今では、白鶴酒造様の様に独自の酒米を開発されているところや、酒米作りから携わる酒蔵様も少なくありませんが、日本酒業界も今後はさらに自家栽培が増えていき、よりおいしいものが出回るのではないかと思い今から楽しみでなりません。
ワインと料理の相互作用についての講義、実践では様々な調味料、クッキーやチーズなどとワインを合わせて味わいを比べてみました。
SAKE講座でも同様の実践をいたしましたが、合わせ方が少しだけ日本酒よりも難しいと感じました。
理由は、ワインは製造方法の影響でほとんどが辛口のため旨味や甘み単体に合うものが少ないから。
知識や合わせるコツが分かっていないと、少しだけ難しいのかなと思います。
ただ、それも最初に記載した通り初めの”掴み”さえしっかり掴んでしまえば後は試すのみです。
ソムリエのいるレストランやワインショップに行ってみるのも勉強になります。
自分の中に『味の蓄積』があるかないか。
色々な味や香りを知り、表現できることで自身の選択肢も、他人へ勧めるときの選択肢も、大幅に変わってくるので、私も色々な食材や食べたことのないものなど、日々味覚の幅を広げていきたいと思います。
日本酒を広めるアンバサダーとして、他のお酒の知識や味の蓄積を持つことで、様々な分野から間口を広げ、沢山の方に日本酒の魅力を伝えていけるよう精進してまいります。
キャプラン株式会社 オースタン紗知子様、ご講義ありがとうございました。