皆さま、こんにちは。2025 Miss SAKE 北海道 館農知里です。
こちらで、4/26(土)に開催された第11回ナデシコプログラムについてご報告いたします。
〇当日のスケジュール
「手ぬぐい講座」(講師:株式会社かまわぬ専務取締役 高橋基朗さま)
「グローバルな感覚を養うための1day講義、異文化理解」(講師:グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社 創業者 布留川勝さま、代表取締役 福田聡子さま)
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〇暮らしに寄り添う手ぬぐい
最初の講義では、株式会社かまわぬ専務取締役 高橋基朗さまより、「手ぬぐい講座」を開講していただきました。「包む」「拭く」「巻く」…、多用途で長く使える手ぬぐい。その歴史や具体的な使用方法について詳しく教えていただきました。
まずは、手ぬぐいの歴史から。手ぬぐいは、平安時代には「白いものが穢れを払う」という考え方のもとで、神事の装身具として使用されたそうです。現在の形で普及したのは、江戸時代。手ぬぐいの素材である綿花が品種改良により日本で大量生産されるようになったことから生活必需品として一般化します。現在では、「注染(ちゅうせん)」と呼ばれる染色技術も発展し、東京・大阪・静岡を中心に職人さんの手で製造されています。このように時代の変遷とともに多種多様な使用方法があったことに驚きました。
次に、手ぬぐいの特徴について。手ぬぐいは、吸水性・速乾性があり、裏表関係なく使え、長く使うことで柔らかくなり風合いも増すという特徴があります。印象的だったのは、高橋さまがおっしゃった「変化の美しさ」についてです。同じ種類の手ぬぐいで、新品のものと2年間使い込まれたものとを実際に比較したとき、使い込んだものほど色のぬくもりと共に手に馴染む柔らかさのようなものを感じました。年を重ねて使い込むごとに風合いを増し、愛着や思い入れを持つようになる。そこに、日本に古くから根付く美学のようなものを感じました。手ぬぐいの特徴の中でも、特に印象的だった学びは、「手ぬぐいの端の部分が切りっぱなしになっている」ことについてです。ここには、日本の温暖湿潤な気候の中で、早く乾くようにという理由があります。そして、もう一つに、すぐに縦に手で裂けて、日常生活だけでなく災害時の包帯としても使えるという実用性が隠れているそうです。古くから日本人の生活に根付いてきた道具だからこそ、現代においても変わらず使われている理由がここにあるのだと実感しました。
今回は実際に、酒瓶を包む手ぬぐいの使用方法についても教えていただきました。たった15秒ほどで可愛らしいラッピングが出来ることに驚きました。最近ニュースで、手ぬぐいや風呂敷などの多用途にわたる機能性と長く使える耐久性が「サステナブル」であるとしてアメリカやフランスなど海外で高く評価されていることを知りました。日本人として、海外の方をおもてなしする場面では、ぜひ手ぬぐいを活用したいと強く思いました。
最後に、海外での手ぬぐい普及についても伺いました。海外の方々は、手ぬぐいをストールやバンダナ、インテリアとして使うなど新しい用途を生み出す創造力に富んでいるという話が印象的でした。特に「藍染」の手ぬぐいは、産業革命以降に藍染文化が失われたヨーロッパで「ジャパンブルー」として親しまれ、人気を集めているそうです。アートや伝統文化に対する自己評価が低くなりがちな日本だからこそ、海外からの視点を通じてその価値を再認識し、国内での評価や地位の向上につなげていけるのではないかと強く感じました。さらに、かまわぬさまでは古典柄に加え、春夏秋冬それぞれの季節に合わせて、年間500種類以上の手ぬぐいをデザインしているとのことでした。伝統を守りながらも現代の感性を取り入れ、「次世代への継承」に向けて日々挑戦されている姿に大きな刺激を受けました。
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〇未来を切り拓く力
次に、グローバル・エデュケーションアンドトレーニング・コンサルタンツ株式会社 創業者 布留川勝さま、代表取締役 福田聡子さまより、「グローバルな感覚を養うための1day講義、異文化理解」のご講演をいただきました。国内外で活躍できるグローバル人材の育成を目指す「パーソナル・グローバリゼーション」について理論面・実践面から教えていただく貴重な時間でした。
まずは、日本の現状について。近年日本では、一人当たりGDPや学習時間、社員の熱意などにおいて、世界的な競争力が急速に落ちてきています。布留川さまは、現状維持を続けるのではなく、「新しい環境に適応し、成長し続ける力」が今後ますます重要になるとおっしゃっていました。それを体現するのが「GAD人材」です。これは、「Global(グローバル)」「Agile(適応する俊敏さ)」「Digital(デジタル)」を特徴とする次世代に渇望される人材のことです。彼らのようなグローバル人材における基本的かつ重要な5つのスキルが、「ビジョナリーシンキング」「セルフエンパワーメント」「ダイバーシティ」「コミュニケーション」「グローバルイングリッシュ」の5つです。特に、これらをバランスよく兼ね備え、国内外で活躍できる柔軟性と文化の橋渡しとなる調和的な「マルチ・アダプター型人材」が最も理想的とされています。
講義では、実際に70個の質問に答えることで、自分が持つ各スキルのバランスを確認できました。わたしは「ビジョナリーシンキング」が最も高く、「デジタル」が低い傾向にありました。前者は、右脳のアイデアを左脳で即座に検証する行動能力であり、後者はAIを使いこなすデジタル力です。ここに上記5つの能力バランスを全てを考慮すると、自ずと自分の理想像が見えてくる気がしました。それは「次世代の武器AIを使いこなしながら、多様性にとんだ環境下に自ら飛び込み、自分を客観視しつつ相手を尊重できる人間」になることです。この目標に向けて、日々意識的にマインドセットを鍛えていくことの重要性を再認識しました。
もう一つの学びは、「セルフエンパワーメント」の重要性についてです。社会の多様性の中に身を置くと、人の言動に一喜一憂してしまうことがあります。これは決して悪いことではありませんが、多種多様な人間性が存在することを理解し、「この人はこう考えているが、私はこう考えている」という客観的な自己認識を持ち、アサーティブな態度で物事を俯瞰していくことが大切だと学びました。私は毎日、1日の中で頑張ったことや少しモヤっとしたことについて、AIを心理カウンセラーとして使い、振り返る時間をできるだけ持つようにしています。この習慣を通じて、自己を俯瞰できる感覚を養っています。狭い視野から抜け出し、自分と未来の可能性を広い世界に広げていけるよう、意識して行動していきたいと思います。特に、今後Miss SAKEとして多様な人々に出会う中で、自分の軸を持ちながら、同時に多様性を自ら生み出す姿勢を大切にしていきたいと感じました。
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以上が、第11回ナデシコプログラムの内容です。日本で長く使われてきた「手ぬぐい」の歴史や魅力を知り、海外での新たな<Tenugui>ブランド確立への可能性を感じました。また、自分自身を見つめ直し、グローバルな社会での今後の活躍に向けたビジョンを俯瞰する貴重な機会をいただきました。これからMiss SAKEナデシコプログラムも正念場を迎えます。自分自身と向き合いながら、果敢に挑戦を続けてまいります!
2025 Miss SAKE 北海道 館農知里
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[Brief summary in English]
Hello, this is Chisato Tateno from 2025 Miss SAKE Hokkaido.
This is the new edition of the 11th Nadeshiko Program!
Tenugui Lecture
In a lecture by Motohiro Takahashi, Executive Director of Kamawanu Co., Ltd., we learned about the history and versatility of tenugui. Tenugui were originally used in Shinto rituals during the Heian period and became widely used during the Edo period. They are known for their water absorption and quick-drying properties, and the more they are used over time, the softer they become and the more their texture changes, creating a unique beauty. The lecture also covered why the edges of tenugui are left unfinished and their practicality, including their use as bandages in times of disaster. Furthermore, it was explained how tenugui have gained recognition overseas, particularly the popularity of “indigo dye” and how a blend of tradition and innovation in their designs is challenging the next generation.
Lecture on Cultivating a Global Sense
In a lecture by Mr. Furukawa, Founder, and Ms. Fukuda, CEO, of Global Education and Training Consultants, the importance of “GAD talent” (Global, Agile, Digital) was discussed, given the decline in global competitiveness of Japan. To thrive in the modern world, it is essential to balance five key skills: “Visionary Thinking,” “Self-Empowerment,” “Diversity,” “Communication,” and “Global English.” Through the lecture, we were able to assess our own skill balance. Additionally, we learned the importance of “self-empowerment” and the need to cultivate a mindset of respecting diversity while maintaining self-awareness.
Chisato Tateno, 2025 Miss SAKE Hokkaido.