皆さま、こんにちは。
2023 Miss SAKE Japan 山田琴子です。
雪の中、寒椿の美しさが際立つ頃となりました1/25(土)、石川県 金沢市 金沢港クルーズターミナルにて開催されました「匠のわざと日本の文化を未来へ紡ぐ 伝統的酒造りシンポジウム」に弊社団代表理事 大西美香同行のもと、2024 Miss SAKE 南侑里さんと、私2023 Miss SAKE 山田琴子が日本酒のおもてなしに伺いました。
イベント公式HPはこちら:https://www.bunka.go.jp/traditional_sake_making_symposium/
伝統的酒造りとは
「伝統的酒造り」とは、杜氏・蔵人等がこうじ菌を用い、長年の経験に基づき築き上げてきた酒造り技術のことで、500年以上前に原型が確立したといわれています。
日本各地の気候風土に応じて発展し、日本酒、焼酎、泡盛、みりん等の製造に受け継がれてきました。
また、祭事や婚礼といった日本の社会文化的行事に酒が不可欠な役割を果たしており、伝統的酒造りはそれを根底で支える技術とされています。
こうした「伝統的酒造り」は、2024年12月5日にユネスコ無形文化遺産保護条約 第19回政府間委員会(於:パラグアイ)において、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。(匠のわざと日本の文化を未来へ紡ぐ 伝統的酒造りシンポジウム HPより:https://www.bunka.go.jp/traditional_sake_making_symposium/)
私達日本人にとって歴史ある技術と文化であります「伝統的酒造り」が世界に認められたことは、日本の誇りであり、日本のお酒を愛する私たちにとっても大変感慨深い瞬間でした。
匠のわざと日本の文化を未来へ紡ぐ 伝統的酒造りシンポジウム
このシンポジウムは、日本の伝統的な酒造り技術がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを記念し、その価値や魅力を広く伝えるため開催されました。
会場は、昨年ございました能登半島の地震の復興への思いも込めて石川県にて開催されました。
シンポジウムでは、「学ぶ」「味わう」「繋げる・広げる」という視点で用意された多くの展示や、体験、トークショーや、販売があり、今まであまりお酒造りについて知らなかった方やお子様でもしっかりと、日本の文化を味わうことができる場が多くございました。また、開催地である、石川の伝統芸能の鑑賞、食や工芸品の制作体験を通じて、石川県の文化的魅力を改めて感じることができる催しも多くございました。
ここで、大変光栄なことに、初日の初めにございましたオープニングセレモニーにて2024 Miss SAKE 南侑里さんと二人で鏡開きに参加をさせていただきました。
オープニングセレモニーは、文化庁長官 都倉俊一様より今回の登録に関しての喜びの言葉とこれからの期待についてお話がありました。その後、来賓代表として石川県知事 馳浩様、日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会 会長 小西新右衛門様よりご挨拶がありました。
その後、(写真左から) 参議院議員 宮本周司様、北陸農政局長 遠藤知庸様、金沢国税局長 長内昌三様、石川県酒造組合連合会会長 車多一成様、石川県知事 馳浩様、文化庁長官 都倉俊一様、保存会会長 小西新右衛門様、株式会社北國新聞社 代表取締役社長 砂塚隆広様、文化功労者 滝久雄様、衆議院議員 小森卓郎様、私たちMiss SAKE 2名にて鏡開きを行いました。
鏡開きののち、樽のお酒を会場の皆様に振舞わせていただきました。振る舞い酒の始めの6杯は、都倉長官、馳知事、小西様よりよそっていただいたお酒に私達Miss SAKEで金箔をかけさせていただきました。こちらの金箔は、折鶴の入れ物の羽の部分を動かすと金箔が出てくるようになっており、その縁起の良い、金沢らしい様子によりこの催しの重要性を実感いたしました。
トークショー 「伝統的酒造り」を知る。
オープニングセレモニーの他、大変光栄なことに、日本酒に関してのプロフェッショナルである方々と一緒に、私も一緒に参加をさせていただきました。
トークショーでは、日本酒造組合中央会 理事 宇都宮仁様、日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会 会長 小西新右衛門様、日本酒造杜氏組合連合会 相談役/(一杜)南部杜氏協会 名誉会長/天鷹酒造株式会社 顧問 直町昊悦様、諏訪御湖鶴酒造場 酒造本部長 杜氏 竹内重彦様、国税庁 鑑定企画官 岩田知子様と私2023 Miss SAKE 山田琴子で「伝統的酒造り」、そして日本酒について改めて会場の皆様に知っていただくという内容にてトークショーを行いました。
宇都宮様の司会のもと、トークショーにて私はMiss SAKEとして活動を行ってきた中で、特に海外での日本産酒類への関心の高まりを感じた話をさせていただきました。
日本の中での日本産酒類の消費が伸び悩んでいる中、海外では「和食ブーム」や日本のアニメや文化に興味を持った方々が、「憧れのカッコ良い飲み物」として日本のお酒を楽しまれていらっしゃいます。私が2回ほど伺っております韓国ソウルのソウルサケフェスティバルでは、多くの20代の若者が会場前の朝からずらっと並び、「私は五百万石のお酒を飲み比べしたいの!」などど、日本酒知識も大変詳しく、その熱量に大変驚いたのは忘れられない記憶です。
そんな世界にて、日本の素晴らしい文化であると認められ、憧れの対象になっている日本のお酒を、私達日本人が改めて、しっかりと自国の文化を知り、守っていくためにももっともっと関心を高め、飲んで応援をしていけたら嬉しいなと私は思います。
トークショーでは、その他にも中々伺うことの出来ない「杜氏」のお話や、最近のお酒造りでは実はDXが進んでおり、デジタルという革新を使うことで伝統を守り続けることができているという大変興味深いお話もございました。
会場の中には、あまり日本のお酒が身近でなかった方も多くいらっしゃいましたが、宇都宮様の丁寧な司会と皆様のわかりやすいご説明にて多くのかたがトークに聞き入っていたのが大変私も嬉しかったです。
改めまして、皆様のような日本産酒類の第一人者の方々とご一緒させていただきましたこと、忘れられない誇らしい思い出となりました。ありがとうございました。
他にも、会場では2日間に渡り様々なトークショーやパフォーマンスが行われました。詳しい情報はこちらをご覧ください。https://www.bunka.go.jp/traditional_sake_making_symposium/
「学ぶ」「味わう」「繋げる・広げる」
この日会場の金沢港クルーズターミナルでは、伝統的酒造りや、開催地石川県の伝統文化について体験できる様々なブースがございました。
特に、石川県酒造組合の皆様の日本酒24酒類が飲み比べできる試飲ブースは大変大盛況でした。ここでは、大きくテーマごとに分けられたお酒を2セット(6種類)選択し、飲み比べ体験ができます。その中には、能登のお酒や、復興支援酒もございました。南さんと私もこのブースにて飲み比べをされる方へお酒のご紹介をさせていただきました。
「今までこんなに美味しいお酒が地元にあるとは知らなかった」など、このシンポジウムをきっかけに地元の宝に気づいたというコメントに私もMiss SAKEとして美味しい石川のお酒をご紹介でき大変嬉しかったです。
この他に、ご家族でも楽しめるブースも数多くございました。出張!日本の酒情報館ブースでは、石川県以外の様々な日本酒の飲み比べセットの販売もございました。
また、九谷焼上絵つけ体験や、水引箸置き制作、アルミ鋳物のカトラリーレスト作り、縁起もなか作り等実際に手を動かして伝統文化を体験できるエリアでは多くのご家族がお子様と一緒に体験をされておりました。
特に印象的だったのが、おぼろ昆布手すき体験です。この日は、敦賀で活躍なさっている名人がいらっしゃり、一緒におぼろ昆布の手すきを教えていただけるというものでした。私達も職人さんが削ってくださったおぼろ昆布をいただいたのですが、ふわふわで柔らかい食感に、コクのある味わいがとても美味しかったです。これは、熟成されている味わいのある石川のお酒にとても合うだろうなと思いました。
このような貴重な機会をいただき、主催者の文化庁の皆様、石川県酒造組合および金沢市の関係者の皆様、そしてご来場いただいた全ての皆様に心より感謝申し上げます。
今回のシンポジウムを通じて、改めて日本酒とその背後にある文化の深さ、そしてそれを未来へと伝えていくことの大切さを実感しました。これからも、日本酒の魅力を国内外に伝え、多くの方々と「酒縁」を結びながら、日本の伝統文化の継承と発展に寄与してまいりたいと思います。
皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
2023 Miss SAKE Japan
山田琴子