皆さまこんにちは。
2026 Miss SAKE Japan 長瀬志珠です。
前日は、MÙA Craft SakeでベトナムにおけるSAKE造りの現場を見学し、在ホーチミン日本国総領事公邸では、日本酒の魅力を現地の皆様へお伝えする機会をいただきました。
そしてこの日は、さらにその先へ。
日本酒を海外へ届け、一度飲んでいただくだけではなく、その土地に日本酒を楽しむ文化をどのように根付かせていくのかという視点から、ベトナムにおける日本酒市場について学びました。
TASU+ Fine Sake & Beyond
訪れたのは、ホーチミン市の「TASU+ Fine Sake & Beyond」
こちらでは、ベトナムにおける日本酒の輸入・流通、そして日本酒市場を育てていくための取り組みについてお話を伺いました。
今回のお話の中で特に印象に残ったのは、日本酒を海外へ広めるためには、商品を輸入し、販売するだけでは十分ではないということです。
日本酒は、造られた後の品質管理も非常に重要なお酒です。
Protraderでは、日本からベトナムまでリーファーコンテナによる低温輸送を行い、現地到着後も冷蔵倉庫で保管するなど、品質を維持したまま飲み手へ届けるための温度管理を徹底しているとのことでした。
どれほど素晴らしい日本酒でも、本来の品質が保たれなければ、その魅力を正しく伝えることはできません。
「日本酒を届ける」という言葉の中には、日本から海外へ運ぶことだけではなく、造り手が生み出した味わいをできる限り良い状態で飲み手までつなぐことも含まれているのだと、改めて感じました。
そして、Protraderが力を入れているもう一つの取り組みが、日本酒について正しく伝えられる人材を育てる「教育」です。
2026年には「Sake Academy Vietnam」を設立。現在はSake Sommelier Academy®のプログラムを通して、ソムリエや酒販店の方々、日本酒を専門的に学びたい方々などを対象に、日本酒の知識を学ぶ機会を提供されています。
日本酒には、原料や製造方法、温度による味わいの変化、料理とのペアリング、酒蔵や産地の背景など、一杯の向こう側にたくさんの物語があります。
だからこそ、日本酒そのものを届けるだけでなく、その魅力を理解し、自分の言葉で次の人へ伝えられる人を現地で増やしていく。
それが、長い目で見た日本酒市場の成長につながっていくのだと感じました。
さらに、2026年には「Vietnam Sake Club(VSC)」も設立され、日本酒を愛する消費者や愛好家、飲食業界の方々、造り手などがつながり、交流できるコミュニティづくりにも取り組まれています。
このお話を伺って、とても印象に残った言葉があります。
それは、持続可能な市場の成長は、単に商品を販売するだけではなく、コミュニティを形成することによって生まれるという考え方です。
初めて日本酒を飲んだ方が、「おいしい」で終わるのではなく、もっと知りたいと思う。また違う日本酒を飲んでみる。日本酒について学ぶ。誰かにその魅力を伝える。そして、日本酒を好きな人同士がつながっていく。
その積み重ねによって初めて、日本酒が一時的なブームではなく、その土地で長く楽しまれる「文化」になっていくのだと思います。
今回の研修を通して何度も触れてきた、和醸和楽の「0杯を1杯に」という活動。
前日の日本国総領事公邸では、まだ日本酒を知らない方に最初の一杯を届けることの大切さを、私自身も「伝える側」として実感しました。
そしてこの日のお話を伺いながら、その言葉にはさらに続きがあるように感じました。
「0杯」が「1杯」になったその先に、2杯目、3杯目がある。最初の一杯をつくることと、その一杯を文化へ育てていくこと。
その両方があってこそ、日本酒は世界のさまざまな土地に根付いていくのだと思います。
TASU+での研修後は、ホーチミン市を代表する市場の一つであるベンタイン市場を訪れました。
食材や衣類、雑貨などが所狭しと並び、多くの人で賑わう市場を歩きながら、ベトナムの暮らしや文化にも触れることができました。
East West Brewing Co.
そして今回のベトナム研修、最後の訪問先となったのが「East West Brewing Co.」です。
East West Brewing Co.は、ホーチミン市で生まれたクラフトビール醸造所です。
大きな醸造タンクが並ぶ施設内を案内していただき、ベトナムで育ってきたクラフトビール文化や、現地でのものづくりについてお話を伺いました。
East West Brewing Co.は、ホーチミン市で誕生したローカルクラフトブルワリーとして、ベトナムで造ることを大切にしながら、さまざまなスタイルのクラフトビールを展開しています。
日本酒とは原料も製造方法も異なりますが、現地でお酒を造り、飲み手へ届け、その楽しみ方まで含めて文化を育てていくという点では、共通するものがあるように感じました。
醸造所見学後は、皆様とクラフトビールやお料理を囲みながら夕食をいただき、今回の研修を振り返る時間となりました。
今回のベトナム訪問では、
ベトナムの地でSAKEを「造る」現場を知り、
日本国総領事公邸で、私自身が日本酒を「伝える」機会をいただき、
そして最終日には、その日本酒を現地の文化として「育てる」ための取り組みについて学びました。
この3日間を通して、日本酒を世界へ広げていくということの意味を、以前よりもずっと広い視点で考えられるようになったように思います。
酒蔵で一本のお酒が完成しても、それだけでは世界の飲み手には届きません。
その品質を守りながら運ぶ人がいて、その魅力を説明する人がいて、料理とともに提供する人がいて、初めてグラスを手にする人がいる。
そして、その一杯をきっかけに日本酒を好きになり、さらに次の誰かへ魅力を伝えてくださる方が生まれていく。
日本酒文化は、そうした一人ひとりのつながりによって世界へ広がっていくのだと、今回のベトナム訪問を通じて実感しました。
和醸和楽が掲げる「0杯を1杯に」。
2026 Miss SAKE Japanとして、私も日本酒をまだ知らない方との最初の接点となり、その一杯から日本酒だけでなく、日本の文化や地域、そして造り手の皆様への興味へとつなげていける存在でありたいと思います。
そして、一度きりの「1杯」で終わらせるのではなく、その先へと日本酒の輪を広げていけるよう、これからも国内外で一つひとつの出会いを大切に活動してまいります。
3日間にわたり、このような貴重な学びの機会をいただきました和醸和楽の皆様をはじめ、ご案内、ご説明をいただいた現地関係者の皆様、そして今回の研修に携わってくださったすべての皆様に、心より御礼申し上げます。
今回学んだことを、これからのMiss SAKEとしての活動にしっかりと生かし、日本酒の魅力をより多くの方へ届けてまいります。
2026 Miss SAKE Japan 長瀬志珠




























