皆さま、こんにちは。
2024 Miss SAKE 岡山 小野愛理佐です。
先般開催されました『第107回 備中杜氏自醸清酒品評会』に参加させていただきましたので、ご報告させていただきます。
岡山県には江戸時代には広く名を馳せていた「備中杜氏」とよばれる集団があります。
この品評会は、備中杜氏を置く県内外の酒蔵で醸された清酒を審査し、歴史ある備中杜氏の技術の進歩と交流を図ることで、よりお客様に喜んでいただける日本酒醸造へ歩んでいく研鑽の場です。また、今回で第107回を数える全国でも2番目に歴史のある品評会です。
まずは第1部についてご紹介いたします。
(1)備中杜氏組合員の自醸清酒で、令和5酒造年度の新酒(原酒)が対象。
(2)清酒の種類の制限はなし。2点までの出品制限。
審査は広島国税局および岡山県工業技術センターの専門員の方々が務められました。
結果は以下のようになりました。
最優等製造場 白菊酒造株式会社 「大典白菊」
最優等杜氏 三宅祐治氏 「大典白菊」
第2位杜氏 菊池東氏 「燦然」
第3位杜氏 岡崎達郎氏 「極聖」
20年連続出品杜氏 原潔巳氏 「喜平」、三宅祐治氏 「大典白菊」
10年連続出品杜氏 守中修氏 「櫻室町」
松尾大社顕彰状 三宅祐治氏 「大典白菊」
受賞されました杜氏の方々、本当におめでとうございます。
なんと白菊酒造株式会社 三宅祐治杜氏は長い歴史の中でも初となる3連覇を達成されました。表彰のカップにはこれまでに最優秀賞を受賞されてきた酒蔵様の名前が刻まれたリボンがたくさんかけられており、107回という歴史を感じることが出来ました。
そのような場に立ち会えたことを光栄に思います。
次に、審査員として参加させていただいた第2部の様子をお伝えします。
(1)岡山県産米100%使用した自醸酒
(2)カプロン酸エチル高生産性酵母を使用した清酒の出品は不
(3)清酒分類(純米・吟醸・山廃生酛等)および醸造年度の制限はなし
(4)清酒分類や特徴など判断基準となる表示はなくランダムに並んでいる
(出品酒の特性を加味、香味バランス、冷酒燗酒想定含めての総評価)
審査は、第1部に引き続き広島国税局および岡山県工業技術センターの専門員の方々、そして全国農業協同組合岡山県本部の小原久典部長、日本酒ライターの市田真紀氏、2024 Miss SAKE 岡山 小野愛理佐が加わりました。
これは第1部と少し趣が違い、一般の消費者に近い感覚で評価してもらおうと近年始まったものだそうです。評価方法は、いいと思ったものに「1」を、そうでないと思ったものに「5」をつける5点法を用いました。
審査は第一審、第二審、第三審に分けられ、27点が13点、6点と高い評価を得たものに絞られていきました。
そして第2部では、「カプロン酸エチル」を高生成せずに備中杜氏の腕を以って美味しいお酒を醸すことが重点となりました。
一般的に吟醸香に含まれるマスカットのような華やかな香りには、カプロン酸エチルという香気成分が含まれています。品評会で賞を取るようなお酒は、フルーティで華やかなカプロン酸エチルをたくさん生産する酵母が使われていることが多いです。
その中で、岡山のお酒の特徴か「旨口」。お米の味わいをしっかり感じられる、美味しい酒造りをされている杜氏様が沢山いらっしゃいます。このことから、「カプロン酸エチル」に頼らず、備中杜氏の美味い酒を評価するとしているそうです。
私自身品評会にて審査するという経験は初めてでしたので、大変難しく、時間がかかりましたが、とても貴重な経験となりました。
結果は以下のようになりました。
第1位杜氏岡﨑達郎氏 「純米大吟醸大地のかなで」宮下酒造株式会社
第2位杜氏落昇氏 「大正の鶴 RISING 赤磐雄町」株式会社落酒造場
第3位杜氏渡邊良夫氏 「蘭の誉 純米吟醸 桜渓」山成酒造株式会社
第4位杜氏麻衣子氏 「御前酒 1859」株式会社本店
第5位杜氏 内倉直氏 「嘉美心秘宝」嘉美心酒造株式会社
受賞されました杜氏の方々、本当におめでとうございます。
審査の後は、出品されたお酒の一般公開も行われました。幅広い年代の備中杜氏が醸すお酒のファンの方や、日本文化日本酒に興味がある留学生も沢山おられ、大賑わいとなっておりました。
改めて、このような歴史ある備中杜氏自醸清酒品評会に審査員という特別な枠で参加させていただいたこと、感謝申し上げます。
備中杜氏の醸すお酒が楽しめる岡山が故郷であることに誇りを持ち、岡山のお酒を飲んで楽しみながら、引き続き応援させていただきます。そして、岡山のお酒の美味しさ、そして想いやストーリーを広く伝えていけたらと思っております。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
2024 Miss SAKE 岡山 小野愛理佐