「〜未来のために今からできること〜」
皆様こんにちは。
2023 Miss SAKE 神奈川 山田琴子です。
4月23日の第12回ナデシコプログラムについてご報告させていただきます。
初日の講義内容は、以下2講義ございました。
- 「将来の妊娠に向けて〜今からできるカラダづくり」- 慶應義塾大学医学部産婦人科 内田明花様
- 「石川酒造見学」- 石川酒造株式会社 代表取締役 石川彌八郎様
「将来の妊娠に向けて〜今からできるカラダづくり」
「将来の妊娠に向けて〜今からできるカラダづくり」というテーマで、慶應義塾大学医学部産婦人科の内田明花様から講義を賜りました。
講義の内容は大変専門的で、幅広い妊娠に関わることを教わりました。
- 月経と排卵の仕組み
- 気をつけておきたい、子宮卵巣の病気
- 不妊治療とは?
- 未来のために、いまできること
私はこの講義を受けて、妊娠というのは「奇跡」の連続であるということを再認識させられました。
内田様がおっしゃっていたように、月経と排卵の仕組みは非常に複雑で、妊娠に至るためには多くの条件が必要です。また、子宮卵巣の病気や、不妊治療に関する話も、妊娠に至る過程において、今すぐ妊娠をするわけでなくても、いざ妊活を始めたいとなったときに、大変重要な私たちが知っておくべき大切な情報だと感じました。
特に先生のお話で印象に残っているのが、不妊治療についてです。
「不妊治療と仕事が両立できない方が34.7%もいる」
会社や日々の生活の中でも、妊婦さんはマークを付けられていたり、膨らんだお腹で妊婦さんだと気づき、お手伝いなどをすることができます。ですが、不妊治療をしている方は多くの通院回数とプレッシャーの中、周りに相談ができず精神面でお仕事と両立ができなかったという方がこんなにいるという現状に大変驚きと悲しさを感じました。
ただ、これを打開するための仕組みもあるとのことでした。「不妊治療連絡カード」というカードを厚労省が配布しており、これを職場に提出することでお仕事で配慮いただけるというものでした。
このような相談ができず、困っている女性を減らすためにも、もっともっと治療について相談しやすい社会になるよう、私にできることである、情報の発信を続けていきたいなと切に感じました。
妊活を行っていない方でも、未来のために今からできることもたくさんあります。
例えば、適度な運動やバランスの良い食事、禁煙や過剰な飲酒の控えなど、健康的なライフスタイルを送ることが大切です。また、妊娠を希望する方は、早めに「ファティリティチェック」という妊婦健診を受けることも重要だそうです。中でも、妊娠中の妊婦さんが風疹になったときに起こす大きな合併症を防ぐことのできる風疹抗体検査は私だけでなく、周りの妊婦さんを大切にすることにもつながるので、是非受けてみたいなと思いました。
どこかまだ自分とは遠く感じていた妊活も、将来のことをきちんと考え、感染症検査、風疹抗体検査、子宮頸癌細胞検査などできる健康管理はしっかりとしていきたいなと感じました。
内田様には、講義を通して自分の体と向き合い、将来のために準備するための知識の重要性を学ばさせていただきました。誠にありがとうございました。
「石川酒造見学」
晴天の日差しの中、待ちに待った石川酒造様の見学をいたしました。大変光栄なことに、石川酒造株式会社代表取締役の石川彌八郎様に講義と見学を賜りました。
石川酒造様は、今年で160年になるそうで、現在蔵元の石川彌八郎様は、6代目になるそうです。酒蔵では、蔵元はその家の中で襲名しており、何代目かを見分けるために、名前の後に追加の名前をつけるそうです。講義をいただいた6代目は、「石川彌八郎聖豊」(いしかわ やはちろう きよとよ)様が正式なお名前になるそうです。
現在もこのように襲名を行っているというところも、古くからある日本酒作りをされている日本の文化を大切にされている酒蔵様ならではだなと感じました。
酒造見学では、お米を削るところから、瓶詰めして出荷するところまで実際に見学をさせていただきました。
1:精米
酒造好適米の周りを削る精米から日本酒作りは始まります。近年では委託精米をすることの方が多く、精米所がある蔵は少ないということで大変貴重な見学となりました。ローターの摩擦で削られた糠は、削り具合により、赤糠、中糠、白糠と呼び分けられます。赤糠は名前の通り色があり飼料や肥料になり、中糠白糠はデンプンが多いため、ノリやおせんべいになるそうです。
2:冷ます
摩擦で熱くなったお米を冷まします。この後の吸水するお水とお米が同じ温度になるまで調整を加えるそうです。
3:吸水
米の重さに対して、128%のお水を1時間弱かけて水に浸すことで吸収させるそうです。ここで適切な吸水具合にできるかどうかが、腕の見せ所だとおっしゃっておりました。
4:蒸し
水を吸ったお米を蒸します。昔は釜で蒸していたそうですが、今は連続蒸米機を使用してさくせいするそうです。
5:放冷
蒸したお米の熱を放冷します。昔は、1日の中の一番寒い時間である朝5時に地面に布を敷き、広げることで自然放冷を行っていたそうです。5時のタイミングに合わせるため、この前の全ての工程を逆算して始めることが多かったようです。この理由で昔は酒造は早起きをしていたそうです。
6:仕込み
蒸された蒸米に、麹と、酵母を入れ並行複発酵をさせます。麹の麹菌が蒸米のデンプンを糖化し、糖分を作り、酵母がそれを食べることでアルコールと二酸化炭素が作られます。麹と酵母が頑張る速さを揃えることで、22%という高いアルコール度数まで発酵をつづけることができ、ここは杜氏さんのお仕事の中でも特に難しい工程だそうです。
7:絞り
仕込みで完成したアルコールを「もろみ」と呼びます。このもろみを絞り、固形のお米の残りと液体の日本酒を分けます。
8:火入れ、熟成
完成した日本酒を3ヶ月から半年寝かせます。酵素酵母の動きを止めるためにこの前に火入れを行いますが、行わない日本酒「生原酒」もあります。
9:加水、2度目の火入れ
水を入れ、高アルコール度数の日本酒を15%程度に薄めます。ここで加わった水に含まれる乳酸菌の繁殖を防ぐため2度目の火入れを行います。火入れをしない場合もあり、それを「生詰め」と呼びます。また、1度目の火入れをせずに2回目のみを行った日本酒を「生貯蔵酒」と呼びます。
10:瓶詰め
最後に瓶詰めを行い、出荷に向かいます!
多くの工程がある日本酒はお酒の中でも、並行複発酵を行う必要があるなど、とても複雑な工程によって作られています。
いままで座学で学んでいた日本酒の作り方の知識も、今回実際に現場を見学させていただいたことで、暗記していた情報の塊が知識としてきちんと理解することができました。
また、見学中も石川様が大変わかりやすく説明を行ってくださり、今まで不明確だった並行複発酵の仕組みも理解することができました。ファイナリストみんなで手を繋ぎ、デンプンと糖の演技をしたことは忘れられません!
Miss SAKEになってから初めての酒蔵見学でしたが、実際に見学をすると、いかに文面だけではわからない日本酒作りの大変さや、どれだけ酒造の方が大切に丁寧に日本酒に思いを込めて作られているかがわかりました。
多くの蔵人様によって作られた努力と思いの結晶である日本酒がますますありがたいものだなと感じられました。
日本酒を戴くとき、それぞれの生産者様のお顔や姿が思い浮かべられるようになるとより一層美味しく楽しめるのではないかなと思います。
最後に、石川様がハーモニカの演奏をお贈りくださいました。明るく、どんなことにも全力で取り組まれる石川様のお姿はとても活力に溢れており、私も日々挑戦する心を忘れてはいけないなと実感いたしました。
石川彌八郎様、ありがとうございました!
この日は、2022 Miss SAKE 準グランプリの川上千晶様と、2022 Miss SAKE 福岡の白石 萌莉様のご同行くださいました。お二人の女性らしい柔らかさと、同時にあるしっかりとした軸の通った美しさに、私も引き続き励んでいきたいと意欲が大変掻き立てられました。お忙しい中、ありがとうございました!