第10回ナデシコプログラムレポート
2022年5月8日(日) / 10:00〜18:00 /キャプラン ワインアカデミー東京大手町教室
人もワインも同じように、
すごく個性が飛び抜けていたり、周りとの調和が上手だったり、相性が良い相手がいたり、苦手な相手がいたり…それぞれに特徴があるものです。
『自分は何者なのか。』をしっかり見極めてこそ、本来の魅力を発揮できます。
第10回ナデシコプログラムでは、ワインの世界について学びを深めるとともに、私、2022 Miss SAKE 秋田 長澤果奈は “何者なのか” 、 “自信をもてることは何か” について考えを深める機会となりました。
【内容】
- WSET level1 Wines 講習 木下明子様
- WSET level1 Wines 試験
Miss SAKEがなぜWSET Winesを学ぶのか
▶︎WSETとは?
WSETとは、ロンドンに本部を置く世界最大のワイン教育機関です。ワイン産業をサポートする英国のワイン商組合『Vintners Company』により1969年に創設されました。
現在では世界70カ国でWSETの教育組織が運営され、年間約95,000人が認定試験を受験するなど、国際的に認められている認定資格です。
▶︎Miss SAKEがなぜWSET Winesを学ぶのか
Miss SAKEは伝統ある日本酒と日本文化の魅力を日本国内外に発信するアンバサダーです。
日本酒のことを知らない海外の方にその魅力を説明する時には、ワインと比較して説明することで理解をしてもらいやすくなるのだそう。
そのため、基本的なワインの知識を得るためにWSET Winesを学ばせていただきました。
WSET level1 Winesの講習では、ワインの醸造方法から主要なブドウの品種、ワイン・テイスティング、ワインと料理との組み合わせまで基本的な内容を幅広く学びました。
シャルドネは個性がないことこそ個性
ワインの原料であるブドウの果肉は、『糖』、『酸』、そして80〜85%の『水分』でできています。そのためワイン醸造に水は必要ありません。
日本酒とは異なり、原料を反映するお酒であるため、ブドウの品種の知識というのは非常に重要視されています。
▶︎ワインの生産に使用される主要なブドウの品種
白ブドウ品種
- シャルドネ(Chardonnay)
- ソーヴィニョン・ブラン(Sauvignon Blanc)
- ピノ・グリージョ(Pinot Grigio)
- リースリング(Riesling)
黒ブドウ品種
- カベルネ・ソーヴィニョン(Cabernet Sauvignon)
- メルロー(Merlot)
- ピノ・ノワール(Pinot Noir)
- シラー/シラーズ(Syrah/Shiraz)
主要なブドウの品種の特徴について、それぞれ教えていただきましたが、特に印象的だったのは『シャルドネ』について。
シャルドネは色々な地域で栽培することができるため、酸味や香りは生産地域の気候に左右されます。
酸味は涼しいところで作られると高くなり、暖かいところで作られると低くなります。
香りは涼しいところで作られるとリンゴやレモンの特徴が出てくるし、暖かいところで作られるとパイナップルやモモなどトロピカルフルーツの特徴が出てきます。
“シャルドネは個性がないのが個性だ” とよく言われるのだそう。
ブドウの品種そのものは香りもそんなに特別なものがないし、酸もそこまで高くありません。単体では個性がないのです。
しかし、生産者にとってはいかようにもアレンジすることができる非常に作りやすい品種であり、“シャルドネは様々な土地の個性を引き出すことができる品種” でもあるのです。
シャルドネの特徴を聞いたとき、自分と重ね合わせ、背中を押された気分になりました。
現在、私は自分らしさについて模索し、 “私の個性とはなんだろう” と自分に問い続けています。そのたびに、自分の個性の弱さにぶち当たってきました。
一方で、自分自身の過去や現在を振り返ると『何かを発信すること』の経験を多く積み、この分野においては自信を持って取り組めることもみえてきました。
私もシャルドネのように、大好きな秋田県や日本酒の個性を引き出すことができるMiss SAKEとして、活躍していきたいと強く感じました。
系統的テイスティング・アプローチ
より正確にワインのテイスティングを行うには、全て一貫した方法をとる必要があります。
ワイン・テイスティングについての講習を終えて、これまできちんとワインと向き合わずに飲んでしまっていたことに気付かされました。
今回はWSETが独自に開発した『系統的テイスティング・アプローチ』を実践。
見た目、香り、味わいによりワインの特徴を確認しました。
特に印象に残ったのがニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブランです。
綺麗な淡いレモン色で、柑橘とピーマンの香り。スワリングをするとより香りが華やかに立ちのぼり、まるで草原の中にいるかのような想像ができました。
口内にワインを広げると非常にスッキリした辛口で、爽快な酸の味わいが突き抜けました。
香りをしっかり楽しむことができますが、口に含むとそこまで強い個性はなくスッキリ爽やかにいただけるとても美味しいワインでした。
“ただ美味しい” といただくのではなく、香りの広がりや味の深みを適切に感じ取り、想像することが “本当の美味しい” 瞬間であると実感いたしました。
マリアージュとは、お互いが歩み寄ること
ワインと料理の組み合わせについて、多くの人が一般的に避けたいと思う組み合わせと、好ましく飲むことができる組み合わせを実践を通して学習いたしました。
今回の講習前に自主学習をした際、 “塩味や酸味のお料理と酸の強いワインを合わせるとワインの酸味が抑えられ、せっかくのワインの特徴が失われてしまうのではないか。” と考えていました。
しかし、この考えは実践にて大きく覆されました。
塩やレモン果汁と合わせた酸の強いワインは、その特徴は持ちながらもより飲みやすくなり、それと同時に塩やレモン果汁の尖った味わいも少しマイルドになりました。
口内が非常に美味しい感覚になりました。
“お料理とワインのマリアージュというのは、お互いの個性も大切にしながら、お互いが歩み寄ること” だと実感いたしました。
今回のWSET level1 Wines 講習では、木下明子様の丁寧なご指導によりワインの世界へ一歩足を踏み入れることができました。
日本酒の味わいを海外の方にお伝えする際にも、今回の学びを踏まえて「ワインでいうとリースリングの酸味と似ています」、「冷涼な地域のシャルドネと似ている香りがします」など理解してもらいやすい表現を心がけていきたいです。
最後に、
この度の研修にてご協力をしていただきましたキャプラン株式会社様、
講師をしていただきました木下明子様、
またMiss SAKEの活動をいつも応援いただいている皆様、
日々サポートしていただいている事務局の皆様に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
2022 Miss SAKE 秋田 長澤果奈