皆さま、こんにちは。2025 Miss SAKE Japan 館農知里です。
12月8日(月)、株式会社フジキン 万博記念 つくば先端事業所(茨城県つくば市)にてチョウザメ養殖施設を見学させていただいただきました。チョウザメは、高級食材として知られる「キャビア」の唯一の供給源であり、卵を持つまでに長い時間を要することから、丁寧な管理と高度な技術を必要とする特別な養殖魚です。今回は、同社のチョウザメ養殖における長年の取り組みについて伺う貴重な機会もいただきました。
「株式会社フジキン」について
株式会社フジキンは、1930年創業のバルブ機器を中心とする超精密流体制御システムメーカーで、半導体製造から宇宙開発、水素エネルギー分野まで、最先端産業を支える高度な技術を展開してきています。近年では、持続可能な「水素社会」の実現に向けて、水素の輸送・貯蔵に不可欠な液体水素向けバルブの開発にも注力しています。また、産業領域にとどまらず、1992年にはチョウザメの人工孵化、1998年には世界初となる水槽での完全養殖に成功するなど、日本国内におけるチョウザメ養殖技術の向上にも大きく貢献し続けています。環境保全などの社会課題の解決にも積極的で、技術・文化・地域が共に発展する持続可能な社会の発展にも寄与する存在です。半導体から新エネルギー、そしてチョウザメ養殖まで、「時代の潮流」を最先端技術で後押しする企業と言えます。
キャビア文化を支える現場へ
チョウザメはサメではなく、約3億年前から地球上に生息する古代魚の一種です。平均寿命は70〜80年、最高齢は150年に達するといわれています。株式会社フジキン様は、30年以上にわたりチョウザメ養殖業界を牽引してきました。今回は同社チョウザメ養殖施設の見学を通して、長年をかけて培ってきた高い技術力とその背景に根付く理念に触れさせていただきました。
水槽の中には、成育段階に応じた様々なサイズのチョウザメが泳いでいました。そこには、養殖の中でも特に難しいとされる全長10cmほどの稚魚から、中には全長2mかつ体重70kgを超える親魚まで。その姿は壮観で、同社の専門性と長年の取り組みの蓄積を間近に感じることができました。また施設内には、水産養殖と水耕栽培を組み合わせた「アクアポニックス」も導入されていました。この仕組みは、チョウザメ水槽で課題となる窒素やリンといった富栄養化の原因物質を植物が吸収し、同時に水耕栽培における肥料添加の負担を軽減するという循環型システムです。双方が抱える課題を同時に解決する「持続可能な取り組み」として、近年ますます注目を集めています。
見学後は、株式会社フジキン 平岡潔氏と水谷優太氏から、チョウザメ養殖事業の歩みや新たな取り組みについてご説明いただき、貴重な質疑応答の時間もいただきました。同社のチョウザメ養殖事業は、もともと社内新規事業として立ち上がったもので、現在も養殖管理からトラック輸送、研究開発に至るまで、わずか6名の社員の皆様が一丸となって運営されていると言います。
近年、フォアグラやトリュフと並ぶ「世界三大珍味」の一つとして、年々消費が拡大しているキャビア。しかし、チョウザメの雌が卵を持つまでには7年以上の年月を要し、その卵は体重の約10%程といわれています。長期間にわたる管理と高度な技術力、そして持続可能性への配慮が不可欠なチョウザメ養殖は、キャビア文化だけではなく、豊かな食文化を支える重要な基盤であることを、改めて実感いたしました。
チョウザメがつなぐ地域の未来
株式会社フジキン様への訪問後には、地元茨城県におけるチョウザメ・キャビア文化を支えている「キャビアの里」(茨城県桜川市)を訪れました。こちらは、有限会社つくばチョウザメ産業 代表取締役 白田正男氏により経営されており、株式会社フジキンで大切に育てられた稚魚から育った親魚から採れるキャビアを直売所およびオンラインで販売しています。産地ならではの鮮度と品質を保ったキャビアを求めて、愛好家が足を運ぶスポットでもあります。
さらに現在では、築年数を重ねた古民家をリノベーションしたカフェ「スタージョン」を運営し、キャビアだけでなくチョウザメの身を生かした多彩な料理を提供しています。「Sturgeon(スタージョン)」はチョウザメの英名。その名を冠したカフェには、チョウザメの身がもつ繊細な旨みや食材としての可能性を、もっと多くの人に知ってほしいという白田氏の情熱が込められています。
キャビアの価値を高めるだけでなく、チョウザメを地域の新たな特産品へと育てようとする取り組みは、まさに「地域文化 × 養殖技術 × 食の未来」を結びつける挑戦であり、現地ならではの熱量を感じる貴重な訪問となりました。
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今回の「株式会社フジキン様」への訪問・見学を通して、チョウザメ養殖の現場には、長年の研究と挑戦、そして一つひとつの命に寄り添う誠実な姿勢が息づいていることを強く感じました。目の前に並ぶキャビアの一粒には、膨大な時間と技術、そして未来に向けた確かな信念が込められていることを深く理解する学びの一日となりました。
キャビアは日本酒との相性にも非常に優れています。地域の食材と日本酒を組み合わせた新たなペアリングの創造や、観光・食イベントでの発信など、双方の魅力をより高め合う取り組みにも大きな広がりが期待されています。
今後もMiss SAKEとして、食文化を支える生産者の皆様の取り組みや情熱を広く発信し、日本の多様で豊かな食の魅力を国内外に伝えてまいります。そして、地域の技術や文化、自然と調和した持続可能な取り組みが、日本の食の未来を切り開いていくことを、多くの皆様に知っていただけるよう努めてまいります。
2025 Miss SAKE Japan 館農知里




























