みなさま、こんにちは!
2025 Miss SAKE 福岡 松口理子です。
7月16日から18日に、東京ビッグサイト南展示棟にて第4回国際醗酵醸造食品産業展が行われ、2025 Miss SAKE ファイナリストが出演させていただきました。
私は記念すべきイベント初日である16日に、2025 Miss SAKE JAPAN 館農知里とともに様々な企業様のブースを取材いたしました。
こちらのレポートでは、この展示会の概要と、3つの企業について詳しくご紹介いたします。
国際醗酵醸造食品産業展とは?
『国際発酵・醸造食品産業展』は、発酵・醸造に関わる食材、素材、研究機器、製造設備、検査機器、パッケージ製品などを一堂に集めた日本唯一の専門展示会です。
(展示会HP https://hakkoexpo.jp/ より引用)
会場には約400社の企業の皆さまがブースを出展され、業界関係者の方や日本酒ファンの一般のお客様、メディアの方が来場されており、大変活気ある雰囲気でした。
酒造りの現場で使用される大きな機械から小さな部品、そして酒造りに欠かせない水を扱う企業など、業種は多岐に渡ります。
展示のパネルや映像など皆様が工夫を凝らしたブースはどれも華やかで、私たちが見ても大変分かりやすいものばかりでした。
永田醸造機械株式会社
兵庫に本社を置く永田醸造機械株式会社様と、福岡を拠点とするナガタエンジニアリング様は、醸造・食品機械の製造や販売に加え、米麹の生産や輸出までマルチに手がけていらっしゃいます。
今回の展示で目を引いたのは、蒸煮原料冷却装置に使われる「蛇行レス金網」。
原料を蒸したり、冷ましたりする際に使うこの金網。従来では金網の上に乗せた原料が偏り、ムラができやすかったものの、小さな凹凸のある網にすることで原料を均一化でき、効率が格段に向上するそうです。
さらに、自動的に麹を撒く種麹撒粉機も印象的です。人の手で撒いていた種麹をこちらの小型の機械で撒くことで、時間が大きく短縮されます。分解・洗浄のしやすさに配慮した衛生設計にも、現場を熟知した企業ならではの視点が光っておりました。
またブースでは、自社製の甘酒も試飲させていただきました。クセがなくすっきりとした飲み口で、日本酒への入り口にぴったりな味わいでした。
なんとこの甘酒に使われている米麹は福岡県内で製造されているとのこと。福岡代表として、地元から醸造業界を支える企業に出会えたことが非常に嬉しく、心から励まされる思いでした。
企業公式HP: https://www.nagata-bm.co.jp/index.html
株式会社サタケ
精米技術のパイオニアとして知られる株式会社サタケ様。広島県東広島市に本社を構えるこちらの企業は、今から129年前、日本で初めて動力式精米機を開発した老舗企業です。
特に印象的だったのは、灘・伏見とともに「日本三大銘醸地」のひとつに数えられる広島・西条の発展に、サタケの存在が大きく寄与していたという事実です。
サタケの動力式精米器の誕生によって当時としては驚異的な60%の精米歩合が実現し、雑味の少ないクリアな酒造りを可能にした技術は、吟醸酒発祥の地としての広島の礎を築きました。
上の写真の右側が従来の球形精米、左側がサタケの特徴である扁平精米の模型です。
平べったく削る扁平精米により、米粒のタンパク質の部分は効率よく除去され、必要なデンプンはしっかり残ります。
そうすると綺麗な味わいのお酒になるだけでなく、玄米を3分の1削減できるとともに、精米時間も短縮されるため電気代が4分の1削減できるのだそうです。
歴史を守る存在でありながらSDGsも実現するという、まさに時代を牽引する存在でいらっしゃいました。
このような扁平精米の技術・米・酒を総称し、「真吟(しんぎん)」という名称で展開されているのだそう。皆様にも、真吟酒を見かけた際には是非お手に取っていただきたいと思います。
企業公式HP:https://www.shingin.jp/
薮田商事株式会社
ろ過・搾り・発酵にまつわる醸造機器の開発・製造を行う薮田商事株式会社様は、兵庫県で長年信頼を築いてきた専門企業です。
酒蔵見学をした際にも、薮田式の機械を目にする機会が多くありました。
ブースで展示されていた「薮田式自動醪搾機 BP型」は、軽量なポリプロピレン素材のろ板を採用することで、従来よりも約10kgの軽量化を実現。小ロットのクラフトサケにも対応したコンパクトモデルなどもあり、現代の多様なニーズに応えていらっしゃいます。
さらに、洗浄性や耐薬品性にも優れており、ろ布の着脱もワンタッチで完了。衛生管理の面で、我々消費者にとっても安心感がありました。
加えて、研究用小型ろ過圧搾機や、覗き窓付きの発酵タンク、生酒のための限外ろ過装置など、発酵の各工程を支える先進的な機器が揃っており、現場の課題に寄り添った開発力を随所に感じました。
特に限外ろ過装置は、生酒を加熱せずに微生物や酵素を除去できるという画期的なシステム。
日本酒の香味を損なわず、常温流通を可能にする仕組みは、国内だけでなく国外への輸出をも支える大変重要な技術であると感じました。
企業公式HP:http://www.yabuta.co.jp/
こちらの3社以外の企業様のブースについては、他の2025 Miss SAKE ファイナリストのブログでもご紹介させていただきますので、ぜひそちらもお読みいただけますと幸いです!
SAKE LEADERS SUMMIT
今回は初の試みとして、展示会と同時開催で「SAKE LEADERS SUMMIT」が行われており、私たちMiss SAKEもレセプションに参加させていただきました。
こちらのサミットでは、日本酒業界を牽引されてきた酒蔵の皆さまがセミナーを開催され、日本酒の未来についてのさまざまな議論が行われているそうです。
レセプションではMiss SAKEの顧問を務めてくださっている株式会社コーポ・サチ代表取締役の平出淑恵様、出羽桜酒造株式会社代表取締役の仲野益美様にもご挨拶をさせていただき、大変充実した時間を過ごさせていただきました。
また今回の出演にあたり大いにサポートしてくださった、新洋技研工業株式会社の大辻節子社長のご厚意で、壇上にてMiss SAKEについてご紹介させていただく機会もいただきました。
業界の皆さまにも「頑張ってね」と声をかけていただいたり、Miss SAKEの活動についてご興味を持っていただき、大変嬉しく励みになりました。
大辻社長、貴重な機会を誠にありがとうございました。
最後に
今回この展示会に参加させていただいて感じたのは、各企業様の豊かな知恵と技術の素晴らしさ、そして日本酒業界を盛り上げよう!という熱い想いの数々でした。
異なる企業であっても、同じ想いのもとに手を取り合い、業界全体で成長を目指される皆さまのお姿が大変刺激的で、私たちMiss SAKEも、そのネットワークの一部としてしっかりと発信し続けていきたいと改めて感じました。
次回の国際醗酵醸造食品産業展は、来年8月4日から6日に開催予定だそうです。
ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください!
展示会HP:https://hakkoexpo.jp/
2025 Miss SAKE 福岡 松口理子







































