皆様こんにちは。
2024 Miss SAKE Japan南侑里です。
2024年9月27日に一般社団法人半原宮大工集団が主催する「半原宮大工ファムトリップ」に参加してまいりました。
このツアーは、これから開催されるインバウンド向けの神奈川県相模原市愛川町の観光誘致を目的として、旅行業界関係者を対象に現地を視察するものでした。
私たちMiss SAKEも、日本酒を国内外に広めるアンバサダーとして、今後のツアーにて日本酒の魅力を伝える役目をいただきましたので、今回ツアーに2023 Miss SAKE Japan 山田琴子さんとともに同行させていただきました。
ツアーは、朝9時に本厚木駅から始まり、マイクロバスで半原宮大工にまつわる場所を巡りました。
まず、勝楽寺を訪問し山門を拝見しました。山門は、半原宮大工の職人の方々の手によって造られたものです。繊細な木彫りや、見事な梁(はり)の組み方は、目を奪われるようなものでございました。山門の屋根の反り具合や木材の接合部は、単なる建築物としての役割を超えて、日本の木工技術の粋を凝縮した芸術作品そのもの。
まるで生きているかのように息づく木の温かみを感じることができ、私たちに静かな感動を与えてくれました。
また、風に揺れる木漏れ日の中、職人の方々がどれだけの手間と時間をかけてこの門を作り上げたかを想像しながら、その技術力と信仰心の深さに思いを馳せました。
その後、塩川の滝を訪れました。
ここは自然の美しさと静けさを堪能できる場所であり、訪れる者にとって心が洗われるような特別な時間を提供してくれました。滝の水は清らかで、岩を滑るように流れ落ちる様子はまるで白い絹が風に舞うかのよう。耳を澄ませば、水が岩にぶつかりながら落ちていく音が辺りに響き、自然のリズムに心が癒されました。
滝の周囲には苔むした岩々が広がり、自然の力によって長い年月をかけて作り上げられた美しい景観が広がっていました。
滝を眺めながら、私たちが訪れたこの地域が、自然との共生を大切にしながら成り立っている場所であることが実感できる時間でございました。
続いて訪れた大裕工務店では、一般社団法人 半原宮大工集団の代表理事 本村克裕様にご案内いただきました。
本村様は、宮大工の世界で長年経験を積まれてきた方で現在宮大工の方全国に300名ほどしかいないという貴重な人材でもあるお方です。
その熱意と技術について直接お話を伺うことができたことは非常に貴重な機会でした。
木の香りが漂う作業場にて、本村様より木と触れ合う際は医者のような感覚で触れているとお伺いしました。
木材をカットする際、木材を生きているものと捉え、医者のような気持ちで優しく丁寧に誠意を持って歯を入れておられるそうです。そうすることで想いが木に伝わり、長持ちするようでした。
次に「鉋削り体験」をいたしました。法被と手ぬぐいをお借りして、まさに職人の気持ちになりながらの体験でした。
木材に鉋を当て、一気に表面を削る瞬間、思った以上の力と技術が必要であることに気づかされました。初めはぎこちなく、木材に上手く刃が入らなかったのですが、職人の方から教わりながら少しずつ力加減と角度を調整することで、滑らかな木目が表れてくる瞬間は、非常に感動的でした。
削り出された木の層はとても薄く、紙のように透けて見えるほどで、その木目の美しさと香りに、木工の世界がどれだけ深く豊かなものかを感じさせられました。
削れた木材はとても良い香りがして防臭剤にもなるとのことでプレゼントしていただきました。
この体験を通じて、木と対話しながらその特性を最大限に引き出すことが、宮大工の仕事の根幹にあることを学びました。鉋削りという技術が、建物の中に生命を吹き込み、空間にぬくもりを与える重要な役割を果たしていることを強く感じました。
そして塾生の方々が手作りされました「組み木パズル」の体験も行いました。この組み木パズルは、複数の木片を巧妙に組み合わせて作られているもので、それらを一度外すという体験をさせていただきましたが、実際に手に取るとその難しさに驚かされました。
木材同士の絶妙な噛み合わせは、ほんの少しのズレも許されない精密さが求められ、まさに職人技の結晶といえます。組み木のピースをひとつひとつ触りながら試していく中で、木材の特性や、職人がいかに木と対話しながら作品を作り上げているのかを感じることができました。
続いて移動し、昼食を地元の「満留賀」でうどんをいただきました。細麺ですがもちもちの食感で大変美味しくいただきました。参加された皆様とともに日本文化について語り合いながらのお食事はとても楽しいものでした。
午後は中野神社を訪問し正式参拝いたしました。
中野神社では、拝殿と本殿を半原宮大工の方が手がけられているということで訪問いたしました。
中野神社では、海外の方がいらした際日本の伝統的な装束の着用体験をさせていただけるとのことで、今回ファムトリップに参加された皆様衣装を替え、正式参拝に参加しました。
拝殿前に立つと、木造建築の力強さと柔らかさが調和した独特の雰囲気を感じました。半原宮大工の職人の方々が自然の素材を活かしながら、長年の技術を駆使して建築した神社は、ただの信仰の場所を超え、訪れる人々に安らぎと感謝の気持ちを呼び起こしてくれる場所でございました。
その場で参拝を行い、静寂の中で建築の美しさと自然の調和を感じることができたのは、とても貴重な体験でした。
職人の手による手仕事が、何百年にもわたって人々を守り続けてきたことに感動し、中野神社が地域の人々の心の拠り所であり続けている理由を強く感じました。
その後、さがみ大工道具館で歴史ある半原宮大工の皆様が使われている道具を見学しました。
この道具館では、昔ながらの道具から現代でも使用されている道具まで幅広く展示されており、日本の建築文化に対する理解を深めることができました。
さがみ大工道具館の中で特に興味深かったのは、「豆鉋」という非常に特殊な道具の展示でした。豆鉋は、指に装着して使う小型の鉋で、名前の通り指の延長のようにして使用することができるものです。
この道具は、特に細かな部分の仕上げや曲線の調整など、通常の鉋では対応しにくい細部に使用されることが多いとのことでした。
見せていただき驚いたのはその小ささと精緻な作りです。小さいながらも刃はしっかりと鋭く、職人の繊細な手作業を支える存在であることが伝わってきました。木工や建築の世界では、1ミリ以下のズレが全体のバランスを崩す可能性があるため、このような道具を使って最終的な調整を行うことが重要です。そのような背景を知りながら豆鉋を見ると、その小ささの中に込められた技術の大切さと、職人たちの緻密な作業へのこだわりを感じずにはいられませんでした。
最後に
半原宮大工の職人の方々が長年にわたり継承してきた技術と、その技術が生み出す空間の神聖さ、木の温かさを肌で感じることのできるこのツアーは半原宮大工ツアーでしか体験することのできないものばかりでした。
これから訪れる皆様にこの価値を共有できることがとても楽しみになりました。
ツアーを通じて、半原宮大工の技術と日本の伝統的な建築文化に深く触れていただき、日本のファン、半原宮大工のファンになっていただけますよう、私自身も精一杯ご案内していきたいと思います。
今回ご一緒させていただきました皆様、一般社団法人 半原宮大工集団の皆様ありがとうございました!
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