皆さま、こんにちは。2025 Miss SAKE Japan 館農知里です。
5月27日(土)-28日(日)、東広島運動公園 新酒鑑評会場入口前 特設会場(広島県東広島市)にて開催された「日本醸造機械用品総合展示会2026 in 広島」において、2026 Miss SAKE 広島 大下紗智香とともに、特別ゲストとして会場内を周遊させていただきました。
日本醸造機械用品総合展示会について
日本醸造機械用品総合展示会とは、日本酒をはじめとする醸造産業を支える機械、設備、関連技術が一堂に集結する国内最大級の専門展示会です。毎年、日本屈指の酒どころである広島県東広島市西条にて開催され、全国から酒造関係者が集い、最新の醸造機械や品質管理技術、自動化設備などを実際に見て触れながら、情報交換や交流を行う場となっています。
主催は、全国の醸造機械・用品メーカーが加盟する日本醸造機械用品商工組合。2024年10月に「全国醸造機器工業組合」と「日本醸造用品組合」が統合して発足し、日本酒をはじめとする発酵・醸造産業のさらなる発展を目指して活動されています。また、日本酒造組合中央会や公益財団法人日本醸造協会、広島県酒造組合、西条酒造協会などが後援されており、日本の伝統的な醸造文化を支える技術やものづくりの最前線に触れることができる貴重な機会となっています。
企業の歩みと技術に耳を傾けて
新洋技研工業株式会社
日本酒造りに欠かせない「製麹(せいぎく)」は、蒸した米に麹菌を繁殖させる工程であり、夜間を含む細かな温度管理や高い技術が求められます。同社では、その製麹作業を一台で完結できる自動製麹機「Kojinator(コウジネーター)」を展示されていました。遠隔操作や加熱・冷却機能も搭載されており、杜氏や蔵人の負担軽減と働き方改革の推進に大きく貢献しています。さらに、酒母ヒーターやポータブルレベル計、ダマトレーナー、アルミ製麹箱、ピルビン酸簡易測定キット、グルコース測定セット、移動式小型CIPユニットなど、酒蔵の現場ニーズに寄り添った多彩な製品を展開。長年にわたり、「酒蔵の困りごとを解決する」ことを第一に醸造業界を支えてこられています。
株式会社阪口製作所
ブースでは、瓶のキャップを締める「半自動キャッパー」や自動充填機を中心に展示されていました。一見するとシンプルな工程に思えるかもしれませんが、瓶詰めや打栓は製品品質を左右する重要な作業です。同社は長年培ってきたものづくりの技術と経験を活かしながら、現場の声を反映した改良を重ね、酒蔵で働く方々の負担軽減と作業効率向上を支えています。
新宅工業株式会社
石川県金沢市に本社を構える新宅工業株式会社は、「詰め」の技術を追求し続けるボトリングシステムの専門企業です。酒類や飲料が充填される工程から出荷前までをコンベアでつなぎ、生産ライン全体の効率化を実現。人手を最小限に抑えながらも安定した品質を維持できる仕組みづくりを支えています。創業70周年を迎えた同社は、日本酒のみならず泡盛やミネラルウォーターなど幅広い液体製品のボトリング設備を手掛け、日本の飲料業界を支えています。
銘醸機械株式会社
今回は、同社ブース内で京都電子工業株式会社の分析機器が展示されていました。酒造りの過程で発酵中の「もろみ」を分析し、アルコール度数や日本酒度、アミノ酸度などを高精度で測定できる機器です。従来は時間を要していた分析も、わずか約4分で測定可能とのこと。目に見えない発酵の状態を数値化し、安定した品質の日本酒造りを支える、まさに酒蔵の“品質管理の要”ともいえる技術でした。
株式会社GSユアサメンブレン
仕込み水や瓶詰め前の日本酒をろ過する「中空糸膜フィルター」を展示されていました。0.04μm(マイクロメートル)という極めて細かなレベルでろ過できるため、微生物などの不純物を除去しながら、日本酒本来の味わいを守ることができます。30年以上にわたる技術開発によって、多くの酒蔵の酒質向上と品質安定に貢献されており、日本酒造りを陰から支える重要な存在です。
株式会社ウッドソン
東京都に本社を置くウッドソンでは、洗米機「コメクリーン」を中心に展示されていました。精米後の米を洗う工程では、糠(ぬか)をしっかり落としながらも米を傷つけないことが重要です。同製品はジェット気泡の力を利用することで、やさしく効率的な洗米を実現しています。また、酒席で使用されるオリジナル枡の製作も行われており、今回は透明素材を用いたクリア枡をいただきましました。現代的なデザインと使いやすさを兼ね備えた魅力的な製品でした。
有限会社キクプランドゥー
4つの大型テントを用いて幅広い醸造機械を展示されている光景が印象的でした。日本酒は温度や酸化、澱(おり)の状態によって味わいが変化します。同社では、搾りたてのフレッシュな味わいをできる限りそのまま届けることを目指し、中空糸膜フィルターを活用したろ過装置を展示されていました。自動洗浄機能によって少ない水量でもフィルターを清潔な状態に保てるなど、現場での使いやすさにも配慮されています。さらに、九州大学大学院理学研究院化学部門との共同研究も紹介されていました。純金を用いたろ過技術によって熟成時の老香を抑え、日本酒のキレを向上させる研究が進められているそうです。現場の課題解決と新技術開発を両立する姿勢が非常に印象的でした。
澁谷工業株式会社
石川県金沢市に本社を置く、創業95年を誇る総合機械メーカーです。洗浄から瓶詰め、キャップ装着、火入れ、検査、ラベル貼付、箱詰めまで、製造ライン全体を一貫して支える技術力が大きな強みです。日本酒だけでなく、医薬品や飲料、日用品など幅広い製品の生産設備を手掛けており、日本のものづくりを支える縁の下の力持ちともいえる存在でした。
きた産業株式会社・株式会社ルーツ機械研究所
ブースでは、充填機から缶巻締機(シーマー)、ラベラーまで、生産ラインを総合的に支える設備が展示されていました。実際の稼働デモを見ると、誰でも直感的に操作できる設計となっており、年齢や性別を問わず使いやすい工夫が随所に施されていました。人手不足が課題となる酒造業界において、現場目線を大切にした機械開発の重要性を感じました。
株式会社北村商店
創業115年を迎える老舗企業です。今回は、生酒の鮮度を守る樽型容器「KEYKEG(キーケグ)」を中心に展示されていました。空気との接触を抑えることで酸化を防ぎ、生酒本来のフレッシュな味わいを維持したまま提供することができます。また、醸造機械や資材を取り扱う総合商社として、酒蔵の新規立ち上げ支援も行われています。近年増加するクラフトサケやマイクロブルワリー分野でも注目を集めているそうです。
株式会社浅野製作所
名古屋で創業し、しゃちほこのマークで親しまれる企業です。今回特に注目を集めていたのが、新製品の「もろみポンプ」でした。発酵中のもろみを移送するための機械で、分解洗浄がしやすく、臭いが残りにくい設計となっています。さらにコンパクトで静音性にも優れており、酒蔵の現場から寄せられた声を反映して開発された製品とのこと。会場でも多くの来場者が足を止め、熱心に説明を聞いていました。
オーニット株式会社
「オゾンで空間まるごと除菌・脱臭」をコンセプトに、空気環境を改善する機器を展示されていました。酒蔵では雑菌管理や衛生管理が非常に重要です。同社の製品は酒蔵だけでなく、ホテルや保育施設、介護施設など幅広い現場で活用されています。コンパクトな本体ながら最大100㎡もの広さに対応できる性能を持ち、衛生環境づくりを支える技術力の高さに驚かされました。
株式会社サタケ
「真吟(しんぎん)」で知られる革新的な精米技術を開発する企業です。通常の精米では米を球状に削りますが、「真吟」は米の形に合わせて扁平に削ることで、より効率的にタンパク質を除去できます。実際に、従来の40%精米と同程度のタンパク質除去を60%精米で実現できるため、精米時間やエネルギー消費を大幅に削減することが可能だと言います。「お米の真の価値を吟味する」という想いが込められたこの技術は、現在では全国の酒蔵で採用され、日本酒造りの新たなスタンダードとなりつつあります。
有限会社大橋商会
酒造りに必要な用品を提供しながら、長年にわたり酒蔵を支えてきた企業です。今回展示されていたのは、酛・醪・製品用と用途に応じて使い分ける「かい棒」。発酵中のタンクをかき混ぜる際に使用される重要な道具です。エポグラス樹脂と特殊構造による耐久性、アルミニウム素材による軽量性と衛生性を兼ね備え、作業者の負担軽減にもつながっています。酒造従事者の負担軽減を目指し、使いやすさとコストパフォーマンスを両立した製品開発に取り組まれている姿勢が印象的でした。
一杯の日本酒を支える多くの情熱
会場内には、隣接する東広島運動公園体育館で開催されていた「令和7酒造年度 全国新酒鑑評会 製造技術研究会」に参加された方々をはじめ、多くの日本酒業界関係者の皆様が来場されていました。
その中で、全国各地で個性豊かな酒造りに取り組まれている杜氏の皆様にもご挨拶をさせていただく貴重な機会をいただきました。清水清三郎商店(三重県)の内山智宏杜氏、本家松浦酒造(徳島県)の松浦素子杜氏をはじめ、多くの蔵元・杜氏の方々と直接お話しする中で、日本酒造りにかける情熱や、それぞれの土地ならではの酒質を追求する姿勢に深く感銘を受けました。
また今回の展示会を通じて強く感じたのは、杜氏や蔵人の卓越した技術や経験だけでなく、その酒造りを支える醸造機械や設備、分析技術の存在です。製麹や発酵管理、ろ過、瓶詰め、品質分析に至るまで、数多くの企業による技術革新が現場を支えており、伝統的な酒造りと最先端技術が融合することで、今日の高品質な日本酒が生み出されていることを改めて実感いたしました。
今回の日本醸造機械用品総合展示会を通じて、私達が日頃ご紹介している一杯の日本酒の背景には、杜氏や蔵人の皆様の技術と情熱はもちろんのこと、それを支える醸造機械メーカーや関連企業の皆様による絶え間ない研究開発と努力があることを改めて実感いたしました。製麹や発酵管理、ろ過、瓶詰め、品質分析など、日本酒造りのあらゆる工程において、現場の課題と真摯に向き合いながら技術革新を続ける企業の皆様の存在があってこそ、私たちは全国各地の個性豊かな日本酒を安心して楽しむことができます。一杯の日本酒には、造り手だけでなく、その酒造りを支える多くの方々の知恵と情熱が込められていることを肌で感じる機会となりました。
今後Miss SAKEとして活動する中でも、日本酒そのものの魅力や味わいだけでなく、その背景にある酒造りの技術やものづくりを支える方々の想いについても積極的に発信してまいりたいと思います。そして、日本酒文化を支える多様な人々の存在をお伝えすることで、日本酒への理解と関心をより一層深めていただけるよう努めてまいります。
2025 Miss SAKE Japan 館農知里






































