皆さん、こんにちは。
2021 Miss SAKEの松崎未侑です。
4月8日に愛知県半田市にて開催された「敷嶋」醸造元 伊東株式会社蔵開き「亀崎酒蔵祭」に出演いたしました。
第一回目の亀崎酒蔵祭。酒蔵を復興してから初の旧酒蔵一般お披露目の門出となる本イベントでは、第一次産業からアプローチする新たな取り組みについても重大発表がありました。
天明8年(1788年)に愛知県半田市亀崎町で創業した伊東合資会社は、江戸で日本酒の需要が活況だった時期に、亀崎から千石船の直送にて「敷嶋」を供給し続け、江戸で人気を博しました。
全国に名が知れた銘醸蔵だった伊東家は元々大名相当の土地を有しており、日本酒の醸造をメインに保険業、薬剤販売業、銀行業等を通して地域を支えていました。ご自宅には昭和天皇を迎えるために建設されたお茶室もあるほどの名家で、伊東株式会社のある亀崎はユネスコ世界無形文化遺産にも登録されているお祭り「潮干祭」が開催されるなど、長い年月をかけて豊かな伝統が育まれた地区です。
歴史をかけて江戸時代には大きく繁栄した伊東合資会社は2000年に一度幕を閉じました。
その後9代目の蔵元が「酒造りを中心に伝統の復刻を通して地域を、そして日本を活性化させたい」と強い意志を固め、2021年に日本酒造りを再開させました。
2021 Miss SAKE最終選考会の質疑応答にて、私も「伊東代表の地域興しへの想い、次世代のために繁栄し続けるまちづくりへの熱い覚悟、酒蔵復興への志と実行力」についてお話をさせていただいたからこそ、日本代表へ選出いただけたのだと思っています。
9代目代表 伊東さんのnoteからも熱い思いをお読みいただけます。
4月8日に開催された亀崎酒蔵祭は、今回が初めてであり、30分に一本の普通電車から15分程度歩く立地にも関わらず、推定来場者数はなんと3,000名程度。ご来場は地元からはもちろんのこと、全国、そして海外からも。オーストラリアの半田市姉妹協定都市からのビジターや、台湾からのインバウンド観光客も足を運び、日本文化を凝縮したイベントを堪能されました。
代表の伊東さんの「大好き」がギュッと凝縮されたお祭りになりました。
メインステージでは書き初めから始まり、トークショー「伊東ーク」「米農家の生きる道」やJAM Jumble様によるライブなどの実施。
私も山忠本家酒造11代目蔵元の山田様と、農業系インフルエンサーであり米農家のKTこと近藤様と「米農家の生きる道」に出演し、MCをさせていただきました。
全国で「愛知の地酒」と言えばまず名前が上がる義侠さん。蔵元山田様のお話からは、農家・酒蔵のねじれた産業構造への課題感と、将来的な米不足による日本酒製造への危機感、確固たる伝統継承への想いに触れられました。
一方で、稲作、美味しいお野菜PR、専門知識+面白く明快な食育SNSで総フォロワー15万人以上のKT様のお話からは、農業の業界内からの改革と毎日の発信を通した徹底的な農業のイメージチェンジの取り組みについて学ばせていただきました。
印象に残っているのは「米農家が増えればいいというわけではない。より効果的な方法で、お米農家が経済的に自立できる仕組みも大切である。」というKT様の言葉です。かつて廃藩置県により大名が広大な地域を支える産業構造が変化し、人民が小さな土地を持つようになったことは、一見領地が分散化され社会が平等になるようにも感じますが、地域の中心となる存在だった酒造や農業を担う名家が権力を縮小させ産業構造が歪む大きな変化だったという話もしばしば聞きます。
近年の傾向として第一次産業・第二次産業・第三次産業などの産業の垣根が壊され、また、かつての街づくりのように、「地域を元気にする」という大きな共通目標の下、酒蔵さんやお米農家さんが自治体と一丸となる将来が到来する風を感じるトークセッションでした。
動画も公開されています。
試飲場所は長蛇の列。敷嶋に加え、金鯱と義侠の有料試飲に加えて、Carft Sake Bar hirose様による日本酒アッサンブラージュ、熱燗DJつけたろう様のお燗酒が振る舞われました。 お食事も、亀崎の安政2年から続く料亭 望州楼、文政11年創業のはんぺい屋 政七屋、県外からもお客様が多い半田市の創作料理Re Chimique、名古屋の肴糀醸やしろ、知多半島の南に位置する篠島の朋輩牡蠣、ジビエのSaloon、カレーのこころ、おにぎりやさん、すニャッくKが駆けつけました。昼過ぎには完売するお店が続出するほどの賑わいでした。
他にも催しが目白押し!書家 田坂州代先生によるオリジナルラベルづくりのワークショップや、T1グランプリ準優勝 Tukemonist 柴田様によるぬか床ワークショップ、柔らかい色合いが特徴的で人気のギャラリーもゆ様の絵つけ体験、mugwort paddy様による米袋ワークショップなど、手を使って楽しく学べる体験ブースも賑わっていました。私は、mugwort paddy様の山田錦精米50%精米のかんざしをゲットいたしました。
そして、重大発表は「山忠本家酒造(義侠)・丸石醸造(二兎)・伊東(敷嶋)合同による特別栽培米を利用した酒造り」です。今回の主役となるのが、近藤様所属のnaoriceがつくる特別栽培米(夢吟香)。お米、米農家にフォーカスを当てたチャレンジ日本酒です。詳細は、伊東さんのnoteよりご覧いただけます。
今回のイベントでは、私の故郷でありホームの半田市にて趣向を凝らし伊東さんの想いが詰まった初めての蔵開きにて、亀崎酒蔵祭の一員として全国からの皆様をお出迎えすることができて大変光栄でございました。3歩歩けばご来場者の皆様との写真撮影をご一緒させていただくほど、多くの方に声をかけていただき、皆様と交流をすることができました。今後の伊東様の活躍から目が離せません。
関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
2021 Miss SAKE
松崎未侑