皆様こんにちは、2024 Miss SAKE Japan 南侑里です。
2025年6月15日に大阪・南港ATCホールで開催された「國酒フェア2025」2日目に、2023 Miss SAKE Japan 山田琴子、2024 Miss SAKE Japan 南侑里、2025 Miss SAKE Japan 館農知里のMiss SAKE Japan 三世代で伺いました。
全国の酒蔵が一堂に会する「かけがえのない場」
國酒フェアの最大の魅力は、全国の酒蔵が一堂に会することにあります。
北は北海道から南は沖縄まで、日本酒・本格焼酎・泡盛という國酒を担う造り手の皆様が集い、それぞれの風土と文化、技術と物語を届けてくださる場は、他に類を見ません。
ブースを巡るたびに、地域ごとの味わいや造りの違いに触れながら、まるで日本中を旅するような豊かさを感じました。
作り手の方々から直接お話をうかがい、背景にある想いや歴史に触れることで、お酒は単なる嗜好品ではなく、「文化」であり「人の営みそのもの」なのだと改めて実感いたしました。
本格焼酎・泡盛フェアにも参加して
日本酒のエリアと並行して開催されていた「本格焼酎・泡盛フェア」にも参加させていただきました。現在、私たちMiss SAKEは、本格焼酎・泡盛を海外で“國酒”としてご紹介する立場をいただくこととなり、その責任と意義を胸に、改めて現場での学びを大切にしたいと思っております。
焼酎や泡盛は、原料や製法の違いによってまったく異なる表情を見せてくれます。さらに近年ではカクテルスタイルの提案も進み、国際的な広がりも感じられる場面が増えています。私自身も、アジアをはじめとする海外での活動を通じて、焼酎や泡盛に対する関心の高まりを感じてきました。今回の参加を通じて、その奥深さと可能性に、改めて心が動かされました。
酒蔵ツーリズム
日本各地の酒蔵を訪ねる旅の魅力を伝える「酒蔵ツーリズム」ブースにも伺いました。地域ごとに異なる風土と歴史、そして蔵ごとに息づく酒造りの物語。それらを実際に訪ね歩きながら体感できる旅は、日本酒をより深く味わう上で欠かせない要素です。
伝統的酒造りミニセミナー
「伝統的酒造り」エリアでは、ユネスコ無形文化遺産にも登録された日本の酒造りをテーマにしたミニセミナーを拝聴いたしました。
今回参加したのは、「下り酒の立役者 菰樽の菰巻き実演」。登壇されたのは、株式会社 岸本吉二商店 代表取締役 岸本敏裕様、そして実演を務められたのは職人・西陽汰様です。
テーマとなったのは、日本酒の輸送に欠かせない「菰樽(こもだる)」について。今では読むことさえ難しくなったこの文字ですが、その背景にある文化と知恵を知ることの意義は、今だからこそ大きいと感じました。
江戸時代、灘や伊丹で造られた酒は「下り酒」と呼ばれ、江戸で愛されていました。当初は馬で、やがて船で大量に輸送されるようになると、樽を荒波から守るために藁で巻いた「菰樽」が生まれました。
この文化を現在も守り続けているのが、兵庫・尼崎にある岸本吉二商店様です。岸本様からは、明治33年の創業以来、100年以上にわたって手仕事で菰縄を作り続けてきた歴史と、現在日本で菰樽を製造するのは全国でわずか2社のみという現状についてお話を伺いました。
西陽汰様による菰巻きの実演では藁を一本一本丁寧に編み込んでいく姿には、会場全体が息を呑むほどの静けさと集中が漂い、その手技から伝統の重みと誇りが伝わってきました。いつも目にしていた「菰樽」の裏側に、これほどの技術と物語が宿っていることを知り、改めて日本酒とは“文化そのもの”であることを実感いたしました。
最後に
國酒フェアは、お酒を「味わう」だけでなく、「学び」「感じ」「つながる」場でもありました。一杯のお酒の背景には、土地の記憶、人の想い、そして時間をかけて紡がれてきた技と物語があります。
全国の酒蔵が一堂に会し、造り手と飲み手が言葉を交わしながら、その土地の風土や歴史に触れる——そんな体験ができる場は、そう多くありません。多彩な出展、丁寧な演出、文化を伝える展示やセミナー、どこを切り取っても熱意と誇りに満ちており、“國酒”という言葉が持つ奥深さを、心から感じることができました。
日本の酒文化を次世代へ、そして世界へとつなぐこの素晴らしいイベントにMiss SAKEとして参加させていただけたことに心より感謝申し上げます。
2024 Miss SAKE Japan南侑里