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第8回ナデシコプログラムレポート【〜私自身が外交官であるという意識〜】2025 Miss SAKE 静岡 永田しおり

皆様こんにちは!

2025 Miss SAKE 静岡 永田しおりです。

2025年4月13日(日)第8回目となるナデシコプログラムが開催されました。

本プログラムを通して、これから世界で活躍をしていく為に必要な心構えを、改めて考えさせて頂きました。この度は特に、日本を世界に発信するための、多角的な学びと実践が組み込まれており、意見交換も含めて業界と向き合えたこと、大変有り難く感じております。

”私”というフィルターを通して、これから多くの方が日本酒の情報を受け取られる時に、私自身が外交官であるという意識と責任を持って活動して参ります。

プログラムは以下の通りです。

-「日本酒は”世界酒”を目指す〜ユネスコ無形文化遺産登録」/ 元ユネスコ大使・酒サムライ 門司健次郎様

-「もしも投資のない国に生まれたら?」/ WEALTHPARK研究所所長 加藤航介様

– 日本酒表現 ENGLISH 講座 / 2024 MISS SAKE準グランプリ寺崎千波様

①「日本酒は”世界酒”を目指す〜ユネスコ無形文化遺産登録」/ 元ユネスコ大使・酒サムライ 門司健次郎様

門司様は元外交官で42年もの間お勤めになられ、主に安全保障・防衛や文化外交を担当。数多くの日本酒外交の実績を残されてこられました。

現在でもサケサムライやクラマイスター名誉会長としてご活躍されていらっしゃる門司様ですが、実は17年間日本酒を敬遠していた過去もあったとお話くださいました。

しかし1989年に日本に一時帰国した際、吟醸酒ブーム真っ盛りで、その美味しさに驚いた事がきっかけで、”悪酔いをするお酒”から日本にも世界に誇れるお酒があったのだ!と感激し、1991年ベルギー赴任を機に日本酒外交を展開し、食文化と交え日本酒の文化自体をイベントにした取り組みに励まれました。

そして2017年にご退任され帰国した際、日本酒の全般的なアルコール離れや社会生活での日本酒の居場所の喪失を目の当たりにし唖然。日本酒の居場所を取り戻す必要がある!と

ユネスコ無形文化遺産登録に向けての働きかけや日本酒外交の執筆をされたりなど、今の日本酒業界を作ってこられた、日本酒界のスターなのです。

<文化外交とは>

文化外交は政府と民間が連携し、外国の国民や世論に自国の理解を深めることを目的とするもので、ハードパワー(軍事力、経済力)からソフトパワー(文化、価値観)へ移行し、どちらか一方に偏るのではなく、広い視点で自国を深く理解する事が求められます。

そしてハードとソフトを適切に組み合わせた、スマートパワーが重要となります。

<日本酒外交の展開>

◯外交における会食の重要性

饗宴外交/宮中晩餐会・午餐会、総理主催夕食会、天皇誕生日レセプション等

個人/ 「カウンターパート」との付き合い

外交時には、食事が非常に大事な役割を果たす為、レセプションでは日本酒を活用し、日本酒の文化自体をイベントにされました。また、日本人は日本酒には和食という思い込みが強い傾向にありますが、日本酒には4種類の味タイプがあり、ワインが苦手とするタイプの食事や、和洋折衷どんなものにもマッチすることで、ペアリングやマリアージュを楽しめることが魅力の一つです。

こちらは和食に合わせたペアリングではございますが、右下には静岡より「磯自慢」が

お魚にペアリングされておりました。磯自慢 特別純米 雄町は、くどさのない爽やかな吟醸香に、柔らかな甘みと酸味のキレを兼ね備えた大変美味しいお酒です。

このように静岡のお酒が世界で楽しまれていると考えただけで喜ばしく、ただならぬ努力のもと活動を続けてくださっている門司様に、感謝の思いでいっぱいです。

ユネスコ無形文化遺産登録に向けて>

ユネスコとは、文化を扱う唯一の国連の専門機関(本部はパリ)で、二度と戦争を起こさないことが目的となっております。

「戦争は人の心の中に生まれるものであるので、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」と記されており、そのための手段が、教育、科学、文化だと説かれています。

ユネスコ無形文化遺産とは、特徴として変化していくものだと認められている点です。

文化は時代に合わせて変化していくという視点です。現在、日本には23件の登録があり、世界第7位を誇ります。 門司様は和食の登録時から立ち会い、その直後から日本酒への働きかけをされ2022年正式提案、2024年晴れて和食と同じ日付12月5日に10年越しの思いが届いたのです。

<日本酒市場と低迷と課題>

社会生活の中で日本酒の居場所がなくなった・・ことが全ての始まり。

<日本酒振興のための4ステップ>

1:カテゴリーとして日本酒を知ってもらう

2:個々の日本酒を知ってもらう

3:日本酒を口にしてもらう

4:日本酒を売ってもらう・買ってもらう

まず、日本酒を知ってもらうためには新たなファン層の取り込みが重要になります。

他業種とのコラボや、ラベルに語らせることも重要だと仰っておりました。

確かに近年では英語記載や奇抜なデザインのボトルも増えてきて、グローバル化やジャケ買いという視点でも作り手の努力を感じます。

<価格問題>

日本酒の問題は、市場価格が、日本で安すぎて、海外で高すぎるという点です。

日本に来なければ飲めないお酒があるというのも一つの戦略であり、インバウンドを誘致する事に繋がります。また、ワイン以上に技術面含め、多様性と地域性を持っているのが日本酒です。市場価格を上げていくことをこれからの取り組みとして、向き合わなければなりません。

<まとめ>

外交を行う上でまず大切なのは、自分たちのことを理解すること。と繰り返し講座の中で教えて頂き、その上で、相手の宗教・文化を学び、双方向に交流を行うことが重要だと心構えを教えていただきました。

門司様がこれまでに培ってきた経験と、グローバル視点で日本酒を捉え向き合ってきたからこそ発することのできるお言葉一つ一つが深く、大変感慨深い時間となりました。

私自身、酒蔵巡りをし、造り手の方の思いを知れば知るほどに、今回問題として上がっていた点は肌を持って課題だと感じており、この文化の継承をして行かなければと活動を始めMiss SAKEに出会いました。

課題解決のステップを教えて頂いた中で、私たちは今まで日本酒に興味がなかった層やインバウンドの誘致の為に情報だけではなく、いかに歴史的背景や想いの部分を届けていけるのかがこれから求められているポイントだと実感しております。TikTokやSNSの取り組みをはじめとしたツールを使って、”私には何ができるのか”を追求して参ります。

門司様のユーモア溢れるネクタイや小物遊び、こうした楽しさを伝える姿勢もこれから身につけていきたいと思っております!

サイン入りの著書も一緒の宝物です!誠にありがとうございました。

②「もしも投資のない国に生まれたら?」/ WEALTHPARK研究所所長 加藤航介様

続いて加藤様より実践的に投資を学ぶ講座を開催いただきました。

Wealth Park Lab様では、投資の本質を研究し個人や社会の豊かさへの投資を啓発すべく、救筆、セミナー、社会貢献活動を行っております。

加藤様は幼少期から家庭のお金問題に悩まされた経験を糧に、世界30カ国の投資を学び、実績を積み重ねられてこられました。そんな加藤様はなんと、東京農業大学醸造学科を卒業されており、日本酒が大好きなのだそうです!

”種を蒔いて、実になる” という点では、お金の投資と農業は似ている”と、

冒頭にお話されており、まさにその通りだなぁ・・と、とても印象的でした。

<質問:世の中は投資に溢れていますがその投資は何のために行われているでしょうか?>

投資とは=未来にお金を投じること

正しい投資が人々の社会の豊かさを決める中で、投資→成長→豊かさ→投資・・

このサイクルを回すことが、個人、家族、会社、国として重要となります。

逆に、このサイクルのどこかが止まってしまうと豊かさとは逆の道を辿ります。

ここで、個人ワークを行いました。

<質問:個人や家族/学校や会社/国が行っている投資とは何でしょう>

次にグループワークに移りました。

<ワーク1:世界の国から考える投資>

ウクライナ、フランス、カンボジア、アメリカ、4カ国の投資先について現在の情勢をもとに話し合いました。

-先進国だと・・長期的な思考になれる

-戦争中や発展途上国だと・・短期的な思考になる

ことが分かりました。

<ワーク2:官と民の役割から見える投資>

①これは、「政府が担当すべき」これは、「民間が担当すべき」など、

現状は一切関係のない、理想の社会像に沿って自由に決めるワークです。

②その後、日本で明治時代以降に民営化が進んだ事業やサービスについて話し合いました。

<ワーク3:豊かさと投資の優先順位>

このワークでは、国の経済状況によって投資すべき対象が変わることを可視化しました。

例えば

  • 貧しい国 → 「インフラ整備」「教育」「保健医療」
  • 豊かな国 → 「文化・芸術」「環境保護」「先端技術の開発」など

<ワーク4:投資の「お金」と「意思」>

続いて、お金の流れと投資、意思決定と責任について学びました。

 

<私たち一人ひとりの「社会参加」が社会を豊かにする>

最後に、次の問いについてみんなで考えました。

  • 皆が政治に無関心な社会は、豊かになりますか?
  • 皆がお金の投資に無関心な社会は、豊かになりますか?

社会をより良くするためには、社会参加が欠かせません。

<お金で買えるもの、買えないもの>

こちらの問いかけも大変印象的でした。お金で買えないものを大切にして過ごすことは、私の人生においても重要視しているポイントです。Miss SAKEの取り組みだって、お金では絶対に買うことのできない、未来に向けた貴重な時間と経験です。

<まとめ>

本セッションを受ける前は、お金の投資について学ぶのだと思っておりましたが、投資とは単にお金だけを指しているものではないと気付きました。

また今回のように、世界情勢についてディスカッションをし政治的観点から改善策を考えるという機会は初めての事でしたので、大変刺激になりました。

今後、様々な業界の方と関わる立場になる中で、世界情勢を知り、日本の今の立ち位置を認識することは日本酒を伝えていく上でも切り離せない部分だと感じました。

一部の講義の中で学んだ、自分・相手を理解することの重要性はこういった視点からも学べることなのだと感じました。

加藤様、貴重な機会を頂き誠にありがとうございました!!

③日本酒表現 ENGLISH 講座 / 2024 MISS SAKE準グランプリ寺崎千波様

最後に寺崎様より、日本酒に特化した英語講座を行って頂きました。

冒頭には昨年のグローバルでのご活動報告と、Miss SAKEとしての心構えを教えていただきました。さすがMiss SAKEだね!呼んでよかった!と言って頂けるよう、日々の生活の中で小さな習慣化と努力を怠らず、精一杯励んでいきたいと感じました。

日本酒とは何?から始まり、原料のことや、日本酒の種類、作り方、楽しみ方

についてまで英語で解説できるよう網羅された、大変充実した講義内容でした。

私は、ウェディング専門学校卒業後、アメリカカリフォルニア州で語学留学を経て、ハワイにて就活・グアムにて就職を致しました。英語を話している時の自分と日本語を話している時の自分は少し別人格になり、私は英語を話している時の方が、実は自己開示や自己表現が得意だと感じています。日本酒特有の表現はまだまだ勉強不足ではございますが、これからしっかりと習得し、自分の強みを活かしながら、ユーモアと共に世界に日本酒を発信できるアンバサダーになりたいと思います。

下記にて少し、プログラムに沿って英語にて回答させていただきます。

<自分について/名前・職業・趣味・特技・日本酒資格など>

My name is Shiori Nagata, and I am honored to be Miss SAKE Shizuoka 2025.

I run my own business as a wedding planner and beauty salon owner. In my free time, I love traveling to visit sake breweries, practicing yoga, and singing and dancing!

One of my strengths is coming up with creative ideas and turning them into action.
I’m also certified as a Sake Navigator, hold EIKEN Grade 2, and am a Phyto Life Coordinator, among other qualifications.

<代表県について>

Shizuoka is located in central Japan, facing the Pacific Ocean and Mt. Fuji is located partly in Shizuoka. This beautiful natural environment gives the region pure water, fresh air, and a rich food culture. We have about 30 sake breweries, all perfect for making high-quality Japanese sake!

One of the special things about sake from Shizuoka is its pure and fresh taste because water from Mt.Fuji is clean and we use a local yeast called Shizuoka Yeast, which helps bring out light aromas and elegant flavors. Some sake is also made with a unique local rice called Fuji Homare.

Shizuoka’s sake matches perfectly with local dishes, especially fresh seafood, wasabi and other traditional foods…you might have thought of sushi? 

Our sake is easy to enjoy even for people new to Japanese sake.

寺崎様のように、しなやかさの中にも強さを感じられるグローバルで活躍するMiss SAKEを目指し残りの2ヶ月も全力で取り組んで参ります!

ご質問に対しても快くお答えくださり、誠にありがとうございました。

海外留学で苦戦の時期を味わった経験があるからこそ、”語学の習得に近道はない”というお言葉も大変心に残っております。日々の小さな積み重ねと継続を楽しんで参ります。

<まとめ>

この度も、日本酒業界や自分自身の課題と真剣に向き合うことのできる、濃密で学び多き時間を過ごさせていただきました。
外側から見た日本、内側から見た日本、そして俯瞰的に世界を捉える視点。

グローバルな舞台で、自分がこれからどのように日本酒と共に生き、伝えていくのか・・

頭と心の両方を使って、たくさん考えることができましたし、展望が広がりました。

私は、日本酒業界に新しい風を吹き込み、世界中に“日本のファン”を増やしていけるような存在になりたいと強く思っています。

Miss SAKEに出会っていなければ、一生お会いすることのなかったかもしれない、各業界の第一線でご活躍されている皆さまから、直接学ばせていただけるこの環境に、心より感謝申し上げます。

 

2025 Miss SAKE 静岡 永田しおり

 

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