皆様、こんにちは。
2024 Miss SAKE 準グランプリ 寺崎千波です。
涼しい風から初秋を感じる季節となりました9月24日(火)に、株式会社SAKEマーケティングハウス 松崎晴雄様主催の世界の日本酒市場や日本酒輸出に関するセミナーに参加して参りました。アメリカ、スペイン、中国を中心に世界各国における最新の日本酒動向について教えて頂き、大変勉強になりましたので皆様にも要点をシェアさせていただきます。
当日のセミナー内容
- セミナー①「 日本酒輸出と海外産SAKEの現状と今後」
~直近3年間に見る各国日本酒市場の進化と現地生産の状況、今後の展望~
講師:松崎 晴雄様 ㈱SAKEマーケティングハウス代表取締役
- セミナー②「有望なスペイン、中南米のSAKE市場」
~スペイン、ならびに同じ言語圏の中南米への輸出、市場拡大の可能性~
講師:笹山 繭子様 スペイン・ラテンアメリカ日本酒普及協会会長
- セミナー③「中国日本酒市場、水面下の動きを探る」
~輸出低迷は一時的なもの?巨大な中国市場の現状と今できる準備とは~
講師:山本 敬様 中国日本酒アドバイザー
講師プロフィール
松崎 晴雄 氏
日本酒を中心とする酒類コンサルタント、ジャーナリスト。
西武百貨店在籍時の1991年、「香港西武」日本酒売り場のマーチャンダイジングを契機に、日本酒の海外市場の可能性を強く感じる。同社を退職した1997年「日本酒輸出協会」を結成し、以後日本酒の海外マーケティング、プロモーションを展開。現地の業界関係者、メディア等とのネットワークを広げる中で、現地産SAKEの発展にも注目。訪問した酒蔵は日本以外11ヶ国30場に及ぶ。
現在JETRO(日本貿易振興機構)の「輸出プロモーター事業」、国税庁の「日本産酒類輸出促進コンソーシアム」の専門家を務め、酒造メーカーのほか酒類卸、専門酒販店の海外輸出支援に従事している。
笹山 繭子 氏
日本酒エデュケーター、スペイン語日本酒ガイドブック「El Mundo del Sake (スペイン出版社Planeta, 2023)」著者、スペイン語日本酒講座「Sake Master」創設者及び講師。
2015年より約8年間スペイン・マドリッドにて、日本食材輸入卸会社の日本酒部門マネージャーとして活躍。レストランのソムリエやシェフへの研修をはじめ、政府系食のイベントや展示会等での日本酒のプレゼンターとなり、同国における日本酒普及に貢献。また、スペイン初の日本酒バー「Shuwa 酒和」の責任者や、世界初のスペイン語による「きき酒師講師」を務めた。
本年6月「スペイン・ラテンアメリカ日本酒普及協会(ASEL)」を設立し、スペインとスペイン語圏である中南米の日本酒普及活動に従事している。
山本 敬 氏
中国(大陸)の日本酒黎明期に輸入、専門居酒屋を開業したパイオニア。
2000年から北京を中心に活動、2007年より「株式会社和醸」(日本酒の輸入販売)、「sakeMANZO」(地酒居酒屋)をそれぞれ設立。冷蔵管理した物流や冷酒の普及、大吟醸など特定名称酒の知識啓蒙等をいち早く手掛け、中国の日本市場形成に貢献した。その後事業を売却し、2020年に帰国。現在東京をベースに、中華料理市場への日本酒導入を目指して活動中。
本年5月に「sake×中華研究会」を起ち上げ、現在日本酒中華バル「カンフー・サケ」を都内に出店準備中。同時に「株式会社留盃(るばい)」を設立し、中華圏における日本酒文化の更なる普及を目指している。
要点まとめ:
<全体>
- 過去には、戦前よりアメリカや旧日本領などで清酒の生産は行われていましたが、主に移民や日系人向けのお酒として扱われていました
- 現在、世界各国で醸造場の数も増えており、アメリカ約30軒、カナダ3軒、中南米に数軒、アジア(日本除く)約20軒、オセアニア2軒、ヨーロッパ約10軒と少なく見積もっても全世界で50軒は稼働しております
- 世界規模で低アルコール化の消費者の意識や競合(韓国のソジュなど)などの外部環境の変化を捉えながら、今後の戦略を練る必要があります
- ユネスコの無形文化遺産登録や高級酒の誕生など追い風もあるため、今後の市場成長へ期待が高まります
<アメリカ>
- 2007年以降クラフトサケの時代が到来し、SAKEの魅力に気づいた現地の方々が各地で起業し、アメリカでは高品質で量産態勢に臨む藏も出てきています
- 例)Brooklyn Kura, Origami Sake, Dassai USA
- 各蔵ではダイニングスペースやテイスティングカウンターを備えたお店を併設し、遠方からきた方への観光名所としても、地元の方が試合を観るために気軽に訪問できるような居心地を創出しています
- イベントも年々増えており、日本酒だけでなく発酵文化の普及も行っております
- 例)アメリカン・クラフト・サケ・フェスティバル (inノースカロライナ州アッシュビル)
<スペイン>
- 日本食レストラン件数は認定されているものだけでも700件以上あり、日本酒の輸出先国ランキングでは量別で第18位です
- スペインは素材を活かしたシンプルな料理が多く、日本と食文化が似ていることもあり日本酒とのシナジー効果があります
- ミシュランガイド掲載レストランでもワインリストに日本酒が並ぶことも近年増加傾向
- 2025年5月12‐13日マドリード市内でNippon Sake & Gastro Expoを開催予定など今後も勢いを見せております
<中国>
- 2020-2023年日本酒の輸出額は中国が世界一位です。越境ECの普及で保税区ルートが主流となっており、スピードと低コストはメリットであるものの、違法ルートも散見され複数の課題があります
- 小酒館という居酒屋のようなカジュアルにお酒を楽しめるお店が増加中です
- 日本同様、低アルコールの商品や個性派の商品が人気上昇中である一方、特に若者の白酒離れが顕著です
- (日本での若者が日本酒離れをしてサワー系を好む傾向にあるのと状況が似ております)
- 解決策として、日本酒や米酒によりポップでカジュアルなブランディングをし、若者に刺さるようなマーケティング施策を各企業行っているようです
松崎先生、この度は会社設立5周年、誠におめでとうございます。
今後もMiss SAKEとして、国内外で日本酒のPRにより一層尽力して参ります。引き続きのご指導ご鞭撻賜れますと幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2024 Miss SAKE 準グランプリ 寺崎千波
https://www.instagram.com/misssake_chinami/