皆さま、こんにちは。
2021 Miss SAKEの松崎未侑です。
先日、WSET SAKE Level 3 <Advanced Course>第3回、第4回講義を受講いたしました。
今回は「自分が日本酒の作り手になったとしたら」をテーマにブログ記事にまとめていきます。
WSET SAKE Level 3 <Advanced Course>の概要については、第1回目のブログ記事をご覧ください。
第3回目【麹づくり】
麹の出来の良さ次第で、日本酒の出来も変わると言われています。
日本酒造りの要である麹づくりなのですが、今回は「麹菌が育つ仕組み、麹菌の種類、入手方法、スペックによる麹の育て方の違い、麹のつくり方、酒蔵ごとのこだわり」などについて学びました。
麹づくりの前に行うのは、まずはお米の準備です。
まず、精米によって、発酵の際の栄養となるお米の周りにあるミネラルや脂質などの栄養分の量を調整します。
次に、浸水によって、洗ったお米を8-10度くらいの冷水でゆっくり33-35%くらいまで水分量を高めます。
最後に、蒸すことによって、殺菌を行い、またお米を柔らかくアルファ化(澱粉糊化)させ、それを32-35度くらいまで冷まします。
お米の準備ができたら、麹菌をふりかけます。
地面に木の根っこが生えるように、麹菌がお米に菌糸という根を張っていきます。
麹の菌の繁殖のさせ方一つにも工夫が必要です。
お米全体を菌糸が覆うのを「総破精型(そうはぜがた)」と呼び、まばらなものを「突き破精型」と呼びます。
濃醇な味わいを出したり、大量且スピーディーに日本酒を造りたい時は「総破精型」の麹を造ります。
反対に、吟醸酒などの繊細な日本酒や、淡麗な味わいに醸したい時には「突き破精型」の麹が適しています。
自分が日本酒のつくり手になったとしたら、
米の栄養バランスを見ながら精米歩合を決め、秒単位の浸水によって確実に水分量を計算し、菌の繁殖方法も数時間ごとに温度管理をして総破精型にするのか、突き破精型かを操って行かなければいけません。
麹作りは手がかかることから、赤ちゃんの子育てに例えられるほどです。
蔵元の皆様は、どんな日本酒を作りたいかを設計した上で、全てのプロセスを計算して日本酒造りに魂をぶつけていることを実感いたしました。緻密な技術に圧巻です。
第4回目【水と酵母】
生命の源【水】
水に恵まれた国日本には、湧水、河川、地下水など様々な水源があります。
『名水百選』として、環境省が国家をあげて保全を推進するほど貴重な資源が【水】なのです。
自然から湧き出る清らかな水は、日本の象徴であり「日本酒」の象徴的存在です。
世界中で消費されるワインには、水は使われていません。
日本酒造りで最も時間をかける過程の一つである「発酵」のスピードを左右するのが「水の硬度」です。
柔らかい水の場合は発酵がゆっくりになるので、総破精の麹を用いて温度を少し上げてじっくりと発酵させたり、
硬度の高い水であればそのままの温度でイキイキと発酵してくれるので、発酵が活性化されすぎないように突き破精の麹を用いて高温になりすぎないように温度を保ちながら発酵させたりする工夫が必要なのです。
*軟水で突き破精、硬水で総破精を用いることもあり、組み合わせが無限大なのが日本酒造りです。
日本酒の真の影役者【酵母】
その使用量は少量なので、原材料には表記されない酵母。
しかし、日本酒の「香り」を司るのが酵母なのです。ものによっては酸味や苦味を生み出す作用もあります。
1000種類以上存在するとも言われている酵母ですが、頻繁に日本酒造りに使われる10種類くらいを覚えれば、日本酒をもっと楽しめるようになりそうですね!
自分が日本酒のつくり手になったとしたら…
個人的には時間をかけて醸したエレガントで、吟醸香もあり、優しいお米の膨よかな味わいやボディがある日本酒を造ってみたい。
すると、お米の膨よかな味わいとエレガントさはどのように合い入れるのだろうという疑問に陥ってしまいました。
総破精型の麹と1801酵母を使って、軟水で醸した、日本酒を探してみようと思います。
唎酒師やSAKE DIPLOMAの資格を持つクラスメイトは、酒造りの手順や材料の種類はもちろんですが、酒造りを論理的に因果関係まで教えてくれるのはWSETの特徴であると仰っていました。
自分が日本酒のつくり手になったとしたら「なぜ、どんな麹づくりにするか」、「なぜ、どんな水、酵母を選ぶか」、「なぜ、どんな温度で発酵をさせるか」などを考える力を身につけられるのがWSETです。
少し専門的な話になってしまいましたが、日本酒を論理的に学びたい方に興味を持っていただけたら幸いです。
次回以降の講義についてもレポートをさせて頂きます。
引き続き応援をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
+@の知識を教えてくださるクリス先生と、学びの環境をご提供いただいている関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
2021 Miss SAKE
松崎未侑