皆様こんにちは。
2023 Miss SAKE 島根 土倉麻杏(とくらまこ)です。
第16回ナデシコプログラムのご報告をいたします。
【第16回ナデシコプログラム内容】
- Miss SAKE Japan として/2021 Miss SAKE 松崎未侑さん
- 国税庁特別プログラム/国税庁 鑑定企画官室 井原信二様
|Miss SAKE Japanとして
2021 Miss SAKE 松崎未侑さんより、Miss SAKE Japanになってからのこと、日本酒から学んだこと、そしてファイナリスト期間のこと、大変貴重なお話を賜ることができました。
SNSやMiss SAKEブログで松崎さんの活動を拝見しておりましたので、今回遂にお会いできること、ナデシコプログラムのお話を大変楽しみにしておりました。
松崎さんはこの日、最終選考会で着ていらしゃった振袖を着られてお話くださいました。
藍色の綺麗な振袖が松崎さんの雰囲気にとてもお似合いで、この場に着てこられたことが私たちファイナリストを想ってくださっているお気持ちに感じました。
・松崎さんのご活動
松崎さんは現在、2021 Miss SAKE Japanとしてお仕事と両立させながらご活動されています。
各省庁への表敬訪問、日本酒品評会の出席、各国との交流、マスメディアの出演などご多忙ながらも、目をキラキラ輝かせながらご自身の活動をお話してくださいました。
Miss SAKE Japanになってから良かったこととして、日本代表として日本文化を伝えられる誇りであったり、
資格取得により圧倒的に日本酒の知識が増えたこと、イベント出演によりたくさんのご縁をいただいたことだそうです。
松崎さんのMiss SAKEを誇りに思って活動されている姿、周りの方へのリスペクト、真っ直ぐな想い、謙虚さ、落ち着いた話し方と対応、そして何より明るくて、松崎さんがいらっしゃるだけでその場が和みます。
私も松崎さんに少しでも近づけるような魅力あふれるMiss SAKEになることができるよう自分を磨き、周りの方から求められるような存在になりたいと強く感じました。
・日本酒のこと
日本酒は國酒であり日本のアイデンティティ。日本酒は様々な”繋ぎ”の役割を果たすそうとのこと。
日本酒と人、文化はもちろんのこと、日本酒が農業や生産者の方、街づくりへのハブとなったり、SAKE+〇〇であることを教えて頂きました。
日本酒の魅力をこれから伝えていくためには、日本酒がどのようにSAKE+〇〇となっているか、またこれからはどのようなSAKE+〇〇になり得るか、考えて発信することが大事だと感じました。
松崎さんから”酒縁”という素敵な言葉を教えていただきました。
お酒の場で繋がるご縁を指している言葉で”宿縁”という天命を指す言葉からきているそうで、Miss SAKEで出会えた方々は酒縁であり、そして私がMiss SAKE ファイナリストに選出いただいたことも酒縁だと感じました。
・ナデシコプログラムの心意気
受講態度、身だしなみの他以外に、事務局はみなさんを守るための存在だということ、先生方への感謝のお気持ちのこと、着物のチェックポイントや綺麗な立ち方を教えて頂き、常に見られているということをおっしゃられていました。
松崎さんのお話を通じて、Miss SAKE最終選考会に向けてどれだけ準備されてきたかがよくわかりました。質問やスピーチの準備のこと、自分らしさとはを落とし込むことなど、松崎さんが懸けてきた想いや姿勢を見て感化されるばかりです。
・オンリーワンに
Miss SAKEはグランプリというファイナリストからナンバーワンが決められますが、オンリーワンになろうとおっしゃられました。
自分らしさとは?
どんな方に支えてもらっているのだろうか?
自分なりのMiss SAKEとは?
オンリーワンになるためにこれらを掘り下げて最終選考に臨むことが大事だとのこと。
Miss SAKEは2013年から始まり2023年でちょうど10年目。
松崎さんがグランプリになるまでにかけられていた想い、大変感銘を受け私もまだまだだと思うばかりですが、10年目という節目にふさわしいグランプリになれるよう、オンリーワンの私で、最後のラストスパートに向けて準備していきます。
松崎さんから教えて頂いたことを胸に留め、松崎さんが繋がれてきたMiss SAKEブランドを、次は私たちが繋いでいくことができるようこれからも精進して参ります。
松崎さん、大変貴重なお話を賜りましてありがとうございました。
|国税庁特別プロジェクト
国税庁 鑑定企画官室 井原信二様より、国税庁特別プログラムとして、国税庁のお酒に関する業務など普段お聞きすることがないお話をいただき、また利き酒について教えて頂きました。
・国税庁の業務とミッション
国税庁は、国税に関する賦課及び徴収等を担当する行政機関で、酒類業(酒類の製造業及び販売業)を所管する行政機関でもあります。
国税庁の任務について、大きく分けて3つのミッションをご紹介いただきました。3つの中にお酒に関することが含まれています。
- 内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現
- 酒類業の健全な発達
- 税理士業務に関すること
国税庁が酒税行政をしている理由としては、明治32年(1899年)、酒税収入が国税収入の首位となり、明治時代の重要な財源となったことが始まりだそうです。明治33年で約5000万円(国税収入全体の約3〜4割)まで大きいものでした。
お酒に関わる重要なポジションとして、国税庁の技術系職員「鑑定官」と呼ばれる方々がいます。
課税物件の分析鑑定や、酒類業者へ酒造りに関するアドバイスを実施したり、酒類の品質及び安全性の確保を担い、お酒を技術的側面から支援しているとのことです。
そのおかげで私たちは、安全に販売されているお酒を口にすることができます。
・日本酒に関する国税庁の取り組み
国会で行われる施政方針演説で日本酒の魅力を発信していきましょうという方針が出されている中、国税庁の取り組みをお聞きすることができました。
日本酒、焼酎・泡盛等のユネスコ無形文化遺産登録に向けた取組が進められており、
令和3年「伝統的酒造り」を登録無形文化財登録し、令和4年に「伝統的酒造り:日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術」を令和3年度のユネスコ無形文化遺産への提案候補として選定されました。
昨今好調である日本酒の輸出における、輸出促進に関する取り組みとしては、ブランド化の推進であったり、販路開拓支援、国際的プロモーション、輸出拡大に向けた制度改正等、様々な取り組みがされています。
・日本酒の特徴
国税庁には、お酒を研究する独立行政法人酒類総合研究所がございます。科学的な観点から日本酒の魅力をお聞きすることができました。
日本酒の旨味成分に、アミノ酸、コハク酸が豊富に含まれているとのこと。
麴(酵素)の作用によりアミノ酸がバランスよく豊富に含まれ、清酒酵母の作用により、旨味の強いコハク酸の比率が高いとのことです。
同じ醸造酒であるビールとワインには、このようなアミノ酸・コハク酸が含まれていることはないので、日本酒の麴菌と酵母という微生物のパワーに改めて感心させられました。
|日本酒の官能評価(きき酒)の実施方法ついて
日本酒の香りを表す専門用語を教えていただきました。これらの香りを持ってきていただいており、日本酒の香りを体験しました。
日本酒の香りは私の中でリラックス効果として落ち着く香りがあります。実際に吟醸香はリラックス効果がわかっているそうです。
・日本酒の香り
代表的なものだと、吟醸香に分類され、りんごの香りと例えられるカプロン酸エチル、バナナの香りと例えられる酢酸イソアミル。フルーティと言われる香りです。
木草様・木の実様・香辛料様に分類され、生酒に多いイソバレルアルデヒドなど、専門用語にするとこんなにも種類があることを知りました。古酒だとカラメル様があります。失敗とされる部類の日本酒の香りも体験させていただきました。
香りが強いものもあれば、穏やかな香りもあったり、紙に自分が感じた印象をコメント欄に記入して香りを記憶しました。
そして全ての香りを試してからこの香りはどれかというクイズでは、なんとか全て当てることができました。
・利き酒体験とその方法
利き酒体験の日本酒に、Miss SAKEの顧問蔵である出羽桜酒造様、佐浦様、桝田酒造様、増田徳兵衛商店様、白鶴酒造様、そして石川酒造様に日本酒をご提供いただきました。
利き酒体験の用紙には、銘柄、香り、味、コメントの欄が設けられており、それぞれ記入していきます。この様なことが実際にお酒の品評会で行われているそうです。
利き酒の方法をご紹介いたします。
- 色調・外観を観察する。
- 容器をそっと鼻に持っていき 「上立ち香」をみる。
- 3〜5mL程度を口に含む。
- すするようにして吸い込んだ空気を鼻に抜き、「含み香」をみる。
- ゆっくりと舌の上の味をみる。
- 吐き出した後の後味をみる。
先ほど体験した香りの知識を活かして利き酒に応用しましたが、利き酒は想像していたよりもハードでした。
全部で銘柄8つでも、それぞれお酒を確認するのは大変な作業だということがわかりました。
利き酒を各自進めたのち、各銘柄の感じたことを発表する時間がありましたが、言葉に表現するのもまだまだ難しく感じました。
利き酒や日本酒の香りなど、なかなかここまで多くの種類を体験させていただく機会はございません。
ご多忙の中、ナデシコプログラムのためにご準備いただき、貴重な香りの体験とお話を賜りましてありがとうございました。
2023 Miss SAKE 島根 土倉麻杏