皆様こんにちは。
2023 Miss SAKE 神奈川 山田琴子です。
4月8日の第7回ナデシコプログラムについてご報告させていただきます。
7回目の講義内容は、以下講義がございました。
- 「和紙漉き体験」- 小津和紙 高木清様、田中様、北村様
- 「江戸切子作成体験」- 江戸切子の店華硝 取締役 熊倉千砂都様
- 「1ヶ月たった今の成長を振り返って」- 一般社団法人Miss SAKE 事務局長 中村信次郎様、初代 Miss SAKE 森田真衣様
「和紙漉き体験」
第7回目のナデシコプログラムでは、承応二年(1653年)創業 東京・日本橋 和紙の専門店の小津和紙様にて、世界に誇れる日本の技術である和紙作りについて学ばせていただきました。
和紙は、古くから日本で愛されている伝統的な紙で、その手作業の職人技により生まれる美しさや質感が魅力です。2020年度の東京オリンピックの際、選手たちに渡された賞状は全て手漉きの和紙で出来ていたそうです。
小津和紙様では、そんな和紙の中でも「日本3大和紙」である岐阜県美濃市を中心に作られている美濃和紙についてその製法と魅力を教わりました。
美濃和紙の和紙作りの工程は、以下のような流れで行われます。
- 楮(こうぞ)の刈り取り:大きく育った楮を収穫します。
- 楮ふかし:皮をむきやすくするために楮を蒸します。
- 剥皮:楮の皮をむきます。
- 晒し:皮を流水につけ、天然漂白します。
- 煮熟(しゃじゅく):灰と皮を煮て皮を柔らかくします。
- 灰汁抜き:水につけて灰をぬきます。
- ちりとり:皮を水の中につけてちりを手で取り除きます。
- 打解:皮の繊維を叩き、ほぐします。
- 紙料作り:皮の繊維、水、トロロアオイを入れ、撹拌します。
- 紙漉き:紙料をすくい、四角の形に漉きます。
- 脱水:漉いた紙を重ね、紙の水気をしぼります。
- 乾燥:紙を1枚づつにはがし、刷毛で熱い鉄板に貼ります。
- 検品:1枚1枚丁寧に目視で検品を行います。
美濃和紙では、このような工程を職人さんが全ての工程を手作業で行っています。繊維の取り出しから仕上げの検品まで、一つ一つの工程に職人の手が加わり、その紙には職人の技術や思いが込められているということを学びました。
和紙作りの全貌を学んだのちは、実際に和紙漉きを「手漉き和紙体験工房」にて体験いたしました。この紙漉きの漉き上げる工程にて、縦と横に動かして楮の繊維を重ねるため、繊維が持つ本来の強靭さを生かした薄くて丈夫な美濃和紙ができるのだそうです。
実際に3回ほど、体験させていただいたのですが、これがまた大変難しく、3回とも私は失敗してしまい、最後は田中様に支えていただきながらようやく完成することができました。一見シンプルな作業に見えた和紙漉きも、体験してみるといかに凄い職人技なのかを痛感いたしました。
小津和紙様には、1階に売店もあり、便箋と懐紙を購入させていただきました。和紙作りに込められた思いやその過程で渡ってきた方々を思い浮かべると、感謝をお伝えしたい方にお礼の言葉をしたためるのに和紙のお手紙は最適だと感じました。購入させていただいた和紙の便箋でお手紙を書く機会が待ちきれません!
「江戸切子作成体験」
午前中の和紙漉き体験に続き、午後は江戸切子専門店の華硝様にて江戸切子の作成体験をいたしました。
江戸切子は、その名の通り江戸時代に日本橋において加賀屋久兵衛が創始したと言われています。そんな江戸切子の模様をみなさんきちんと見たことはありますか?
江戸切子の模様には、1つ1つ意味が込められており、贈呈品としてお送りする際に、その模様に思いを載せてお送りすることができるのだそうです。
中でも、一番素敵だなと思ったのが、「玉市松」の模様です。市松模様が広がっていく様に、繁栄や事業拡大という意味が込められているそうです。日々お世話になっている方へのお礼と繁栄を願ってお送りしたい模様だなと感じました。
そのほかにも、現在世界でたった一人の華硝様の職人しか作り出せない「米つなぎ」という模様もありました。丁寧に等間隔に並ぶ模様がお米が並んでいるようで、手作業で作ったとは思えないほどの緻密な模様は圧巻という言葉がまさに似合う大変美しい作品でした。2008年のG8洞爺湖サミットでは、米つなぎのワイングラスが日本を代表する贈呈品として選ばれ、海外の首脳に大変喜ばれたそうです。
江戸切子についてご教授いただいたのちに、江戸切子の作成体験をいたしました。今回は、Miss SAKE用に初心者でも簡単にできる可愛らしいデザインを教えていただきました。
割り出しというガイドラインに沿って、外に色がつき中が透明の二重構造になっているガラスを削っていくと、外側の色の部分がなくなり、美しいガラスの透き通った姿が現れます。
少しの力加減でほり具合が変わってしまう江戸切子はまさに集中力が重要で、ついつい周りのことを忘れ1本の線に集中して掘り続けてしまいました。模様が出来上がると、それがガラスの光に反射してとても美しく輝いていました。完成したコップを見た瞬間、自分が作り上げたものに感動し、とても嬉しかったです。
江戸切子の体験を通して、職人たちの技術や精神、そして日本文化の奥深さを再認識しました。職人たちは、手作業で一つずつ丁寧に作り上げていくことで、製品に魂を込めることができます。そのため、江戸切子の製品には、職人たちの思いや技術が詰まっていると感じました。
1つ1つの工程を大切に丁寧に作り上げる。
江戸切子に込められた職人精神は、午前中の和紙作りや、日本酒の酒造りにも共通する世界に誇れる素敵な日本の文化だと感じました。
Miss SAKEとして私も、日本の職人の方々のように1つ1つの出来事を大切にし、発信をすることを通して、日本の伝統的な心を繋いでいきたいと思います。
「1ヶ月たった今の成長を振り返って」
和紙漉き体験と、江戸切子作成体験の他に、今回のナデシコプログラムでは、一般社団法人Miss SAKE 事務局長 中村信次郎様と、初代 Miss SAKE 森田真衣様とこれまでの学びを振り返る時間をいただきました。
この1ヶ月間のナデシコプログラムを通し、普段の生活ではお会いすることのなかった講師の方々や、様々なファイナリストのみんなと出会い、時には圧倒され不安になったり、時には自信が更についたりと大変濃密な学びの機会をいただいております。
Miss SAKEに応募させていただくにあたり、もともと自分に自信がなかった私は、新しい方と出会うことを極端に避けておりました。また、それに完璧主義という性格も加わり、十分すぎる準備ができた時でないと、何ごとも不安になってしまい、本来の自分を出せないという癖を持っておりました。
ですが、この1ヶ月を通して、少しづつではありますが「自分らしさ」を自覚することで、前向きな私の目指している私に近づけているのではと感じております。
プログラムの中でも、特に大変刺激になっているのが、「他のファイナリストとの交流」と「講義」でございます。
プログラムには多くの多様な背景や性格のファイナリストの皆様が参加しており、彼女たちと一緒に過ごす中で自分の「自分らしさ」を掴むことができました。また、講義を通して習得した知識とスキルは私が自信を持つための武器となりました。
私の「自分らしさ」とは、以下3点だと考えています。
- 海外での経験からくる多様な違いに対する理解と尊敬があること
- 観察眼があり、状況をきちんと把握して適切な行動にうつせること
- 何事も一生懸命丁寧にこなすこと
次のステップとして、残り2ヶ月のナデシコプログラムの中、掴んだ「自分らしさ」を今度はどうやって生かしていくか、私の目指すMiss SAKE グランプリの山田琴子とはどのようなアンバサダーなのか引き続き考えていきたいと思っております。
この成長の機会をいただけましたこと、大変感謝しております。ですが、まだまだ成長の最中だとも感じております。
6月23日の最終報告会では、「私が誇れる私らしい自分」の姿で自信を持ち、皆様の前に出ていけますよう、残り2ヶ月間精進してまいります!
2023 Miss SAKE 神奈川 山田琴子