皆様こんにちは。
2023 Miss SAKE 長野 中島菜々です。
去る2月14日、東京都コートヤード・マリオット銀座東武ホテルにて開催されましたイベント、
「GI信濃大町 認定酒お披露目セレモニー:GI長野(清酒)と合同試飲&ペアリング体験」に司会として出演させていただきましたので、ご報告いたします。
当日は関東信越国税局長 木村秀美様、大町市長 牛越徹様、長野県産業労働部 次長 滝沢裕之様、長野県酒造組合 会長 宮坂直孝様をはじめとした、たくさんの方にご参加いただきました。
皆様、GIとは何かご存知でしょうか?
ここで日本酒造組合中央会さまのホームページより引用させていただきますと、
「お酒の地理的表示(GI=Geographical Indication) は、地域の共有財産である「産地名」を守り、適切な使用を促す制度。
産地が申請し、国税庁長官の指定を 受けると産地名を独占的に名乗ることができます。」
とのことです。
実は「日本酒」という名称自体がGIであり、原料米が日本国内産かつ、日本国内で製造された清酒のみを「日本酒」といいます。
長野県には、2022年6月に国税庁長官の指定を受けた「GI長野」がございます。
今回お披露目された「GI信濃大町」は、国内初の2段階指定であり、「GI長野」に認定されていなければ、「GI信濃大町」に認定される資格がありません。
そのほかにも、GI信濃大町は全国初となる項目があり、以下の通りです。
- 2021年に「GI長野(清酒)」として指定された地域内に新たに指定されたのが「GI信濃大町」で地域の「2段階指定」となっている。すでに「GI長野(清酒)」に認定された酒でないと「GI信濃大町」には認定される資格がない。
- 原料米の生産地(長野県大町市及び松川村)並びに対象品種が特定されているのみならず、個別の圃場まで特定されている。
- 蒸しは「こしき」に限定され、かつ、こうじは「盛り」以降の工程を100kg以下のロットで行うなど、生産過程の限定にまで踏み込んでいる。
日本におけるお酒の地理的表示制度の歴史にとって、ある意味節目となる貴重な機会におきまして、Miss SAKEとして立ち会うことができ、また司会を務めさせていただき、大変光栄に思います。
当日の様子はYouTubeにてライブ配信され、現在そちらのアーカイブをご覧いただくことが可能です。
https://image-team.jp/eed/2024/240214_gi2/
また、テレ玉「達人道」にて取り上げていただきました。こちらもYouTubeにて公開されていますので、併せてご覧ください。
今回は、フランスM.O.F. 、2022年フランス最優秀ソムリエ、「Kura Master」審査委員長、酒サムライそしてパリの5つ星ホテル「オテル ド クリヨン」のシェフソムリエであるグザビエ・チュイザ様による、GI信濃大町の日本酒とGI長野の日本酒のテイスティングコメントがビデオメッセージとして披露され、その通訳コメントは2023 Miss SAKE Japan 山田琴子が務めました。
グザビエ様のコメントを一部抜粋いたします。
GI信濃大町の日本酒について、以下のようにお言葉をいただきました。
「ほとんどがピュアで、繊細で、綺麗な香りがあり、個性がしっかりしていてかなり驚きました。また、大根のような野菜の香りも感じられ、鼻にスッと通るような感覚、また繊細さを感じます。香りが繊細であるということは、上品さがあるということでもあります。味わいにもその上品さを感じました。とてもフレッシュでクリスタルのような透明さを感じるものもありました。キレもあり、フレッシュな後味を感じました。私は、GI信濃大町の日本酒をオペラ座の最高位のバレエダンサーたち『エトワール』に例えられると思いました。とても繊細で軽やかで、軽快なステップを踏んでいるイメージが湧きました。GI信濃大町の日本酒で、私が一番気に入った点は、『オート・クチュール』のようなエレガントさ、細部にまで宿る繊細なきめ細かさです」
また、GI長野の日本酒については次のようにお言葉をいただきました。
「GI長野は私にとって特別なGIです。GI長野は2021年6月30日に誕生し、今回GI長野の11銘柄の日本酒を試飲し、いくつかの結論を得ました。第一に、香りがとても凝縮されており、また華やか で開放的であり、時にエキゾチックでもあります。また、野菜的な香りも感じられます。
GI長野の真の個性は味わいにあると言えます。この日本酒はとても風味豊かな日本酒だと言えます。味わいに2段階のステップがあります。まず1段階目はボディ、非常にふくよかで、華やかでとても風味豊かであると言えます。それゆえ濃厚な口当たりです。時には非常に心地良い苦味が感じられ、私にとって美食とはこういった味わいだと思います。この苦味はまた、味わいに深さをもたらす象徴でもあります。
また、この日本酒には強さを感じます。フランス語で言うところの、”鉄の手に、ヴェルベットの手袋”という諺です。「威厳の中に笑顔があり」のような意味です。それがGI長野の特徴でもあります。」
世界的に活躍されるグザビエ様に、美しい表現で大変貴重なコメントをいただき、長野県出身者としてもとても嬉しく誇りに思います。
ぜひこれからも長野県の日本酒を日本中・世界中の方に楽しんでいただけるよう、精進してまいります。
さて、会の後半では、GI長野そしてGI信濃大町の日本酒とペアリングしたお料理が提供されました。メニューは以下の通りです。
料理A:カリフラワーのローストと菊芋のフリット 酒1:市野屋 ⽣酛純⽶吟醸 ひとごごち(市野屋) 酒4:井筒⻑ ⼤吟醸(⿊澤酒造)
料理B:仔⽜ロースのグリル ジロル茸を添えて 酒2:北安⼤國 純⽶59(北安醸造) 酒5: ⿊純⽶(喜久⽔酒造)
料理C:リ・ド・ヴォーのソテー 菊芋のクリームソース 酒3:問世 ⽣もと純⽶ (薄井商店) 酒6: ⽊曽路 三割麹 純⽶酒(湯川酒造店)
グザビエ様のテイスティングコメントをもとに、コートヤード・マリオット銀座東武ホテルのシェフがアレンジを加え、当日限りの特別なお料理を用意してくださいました。
特に、フレンチではワインとのペアリングは難しいとされる食材が、むしろGI長野やGI信濃大町の日本酒こそが素晴らしいマリアージュを生むとのことで、日本酒の新たな可能性を見いだせるようなラインナップとなりました。
サケ・エッジ代表である竹久様による、「問天」のデキャンタージュパフォーマンスも披露されました。
グザビエ様によれば、「問天」についてはぜひデキャンタージュして味わってほしい、とのことでした。
デキャンタージュをすることで、日本酒が空気に触れ、より豊かな香りや複雑味を楽しむことができます。
改めまして、お披露目会に出演させていただきまして、誠にありがとうございました。
司会をしながらも、学ぶことが非常に多くある会でした。
これからも2023 Miss SAKE 長野としてますます努力を重ね、長野県の日本酒の文化発展と世界的発信に少しでもお役に立てればと思いますので、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
2023 Miss SAKE 長野 中島菜々