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第13回ナデシコプログラムレポート【〜日本の手仕事と美意識にふれる一日〜】2025 Miss SAKE 静岡 永田しおり

皆さま、こんにちは。

2025 Miss SAKE 静岡 永田しおりです。

5月10日に実施された第13回ナデシコプログラムの様子をレポートいたします。

プログラムは以下の通りです。

-和紙梳き体験 / 小津和紙様
-江戸切子作成体験 / 江戸切子の店 華硝様
-2025 Mr & Mrs SAKE大会

〇 和紙梳き体験

日本橋の老舗「小津和紙」様にて、美濃和紙についての講義と実際に和紙梳き体験を行いました。「小津和紙(おづわし)」様は、1653年創業、東京・日本橋にある和紙の専門店であり、日本の和紙文化の保存・継承に貢献している名店です。

今回の講習を通じて、和紙がいかに手間と時間をかけて丁寧に作られているかを知ることができ、また実際に自分の手で紙をすくという体験を通して、和紙という素材に込められた職人技の奥深さにふれる貴重な時間となりました。

はじめに、和紙ができるまでの工程を学びました。

和紙の原材料の一つである「こうぞ(楮)」は、クワ科の落葉低木で、その繊維の長さ・強さから、日本の和紙作りに欠かせない存在です。

こうぞの皮を剥ぎ、アク抜き・漂白し、不純物を取り除いた「白皮」から、それを水に溶かし、粘り気のある「ねり」(主にトロロアオイの根)を加え、紙漉き枠で何度もすくい上げることで、ようやく1枚の紙ができあがります。大きく分けると8つの工程です。

① 原料「こうぞ」の準備

② 表皮の除去(皮はぎ・さらし)

③ 煮熟(しゃじゅく)

④ ちり取り(不純物の除去)

⑤ 打解(だかい)・紙料づくり

⑥ 漉き(すき)

⑦ 圧搾

⑧乾燥

工程を学んだあとは、早速実践を行いました!

漉き(すき)の作業では、一度めは浅くすくい土台を作ります。その後たっぷりとすくい横・縦と交互に延ばして行くのですが、この作業が想像以上に難しく苦戦いたしました・・

シワが寄ってしまった・・!失敗かな・・と思ったのですが、

最終的には富士山のシンボルの様な柄が真ん中に浮き出てて大変お気に入りの一枚となりました。手作りならではの、完璧ではないからこその愛着が湧きます。

そして、なんと原木から和紙になるのはたったの4% 、一日で作れるのは約200枚という事も衝撃的でした。何気なく日常にあった和紙が、こんなにも自然の恵みと、人の手仕事・細かな管理が必要だった事を初めて知り、「紙は生き物である」という言葉に納得しました。

また2014年11月26日にユネスコ無形文化遺産に手漉き和紙は登録されています。これからはこうした背景を知り、和紙を手にとっていきたいと思います。

ちなみに、今回学んだものは美濃和紙ですが、日本三大和紙を皆様にご紹介致します。

和紙の種類 主な産地 原料 特徴・用途
美濃和紙 岐阜県美濃市 こうぞ 軽くて丈夫。光を通す美しさがあり、障子紙としても有名。ユネスコ無形文化遺産に登録。
土佐和紙 高知県 こうぞ、みつまた、パルプ 強靭で薄く、印刷適性が高い。書道用紙、版画用紙、製本にも用いられる。
越前和紙 福井県越前市 こうぞ、みつまた、雁皮 約1500年の歴史。紙幣・証書用紙にも使われる高級和紙。水の良さと加工技術が特徴。

体験中には外国人観光客の方も多く通られ、お話かけて下さいました。日本文化に関心深く、とても嬉しい瞬間でした。

スタッフの皆様もとても温かく、分かりやすいご指導くださいます。

是非みなさまも体験に訪れてみて下さい!

〇 江戸切子体験

続いて、1946年に創業された、日本を代表する江戸切子のトップブランドの一つ「華硝」様にて、江戸切子の制作体験をさせていただきました。

店内は社長の拘りが溢れており、美しい芸術の品が並んでおり感動致しました。

華硝様の作品は、伝統的な江戸切子の技法を守りつつ、独自のデザインや技術を取り入れている点が特徴で、特にオリジナルの文様「米つなぎ」は、米粒がつながっている様子を表現したもので、華硝様独自のデザインとして商標登録されています。

この文様は、2008年の洞爺湖サミットで国賓への贈呈品として選ばれたワイングラスにも使用されました。

そのほか、切子はガラスの美しさだけでなく、日本古来の文様に込められた「厄除け」や「縁起物」としての力も大切に受け継がれている事を学びました。

例えば「菊繋ぎ(長寿の象徴)」「矢来(魔除け)」「麻の葉(健やかな成長)など、

日本の伝統文様が一つひとつ意味を持っていることを知り、切子の技術そのものが祈りや願いを形にするものであることに深く心を打たれました。その歴史は1834年、江戸時代末期まで遡ります。

体験では、実際にサンドブラストを用いたカットに挑戦。

初めて触れる機材に緊張しながらも、自分の手で作り出す楽しさに感動致しました。

少しのタッチの違いや、手先のぶれでデザインが大きく変わってしまう難しさも体感し

一つ一つ手作りで、特に華硝様は磨きまでも手作業で行われているとの事で、

職人の皆様を心より尊敬した瞬間でした。

また切子にも大きく分けると2種類のものが御座いますのでご紹介致します。

種類 発祥地 特徴・違い 印象
江戸切子 東京(江戸) ・透明な無色ガラスや色被せ(色ガラスの上に透明ガラスを重ねた)

・繊細な幾何学文様

・彫りが深くシャープな印象

精密で都会的、キリッとした印象
薩摩切子 鹿児島 ・厚手の色被せガラスを用い、カット部分に「ぼかし」が生じる

・柔らかく豊かな色彩

・ガラスがやや厚く重厚感がある

柔らかく温かみのある印象、高級感・気品が漂う

現在は、店頭での体験は行っておりませんが、商品のご購入や丁寧なご説明をして下さいますので、ぜひ皆様訪れてみて下さい!

Mr & Mrs SAKE ファイナリスト最終選考会

この度Mr & Mrs SAKE ファイナリスト最終選考会の運営サポートとしても参加させていただきました。大会が滞りなく行われる為のサポートや、出場者の皆さまの熱意と努力に直接触れることができ、背筋が伸びる思いでした。

来月にはあっという間に私たちのステージが来るのだと考えるだけで胸が高鳴ります。

コンテストである限りどうしても順位がついてしまいますが・・

一人一人の持つ使命とストーリーが素晴らしく、大変胸に刺さる感動的な時間でした。こうして使命を持つ者同志が手を繋ぎ日本文化を発言することで、日本の豊かな未来に直結しているのだと改めて認識しました。運営の皆様、貴重な機会を頂き有難うございました。

さいごに

今回のプログラムでは、手漉き和紙や江戸切子という日本の手仕事を通して、「技術」だけでなく、「精神」や「文化の奥行き」にも触れることができました。

手間暇を惜しまないからこそ生まれる美しさ、それを“使い続ける”という日本人の価値観。そうしたものを、Miss SAKEとして世界にどう伝えていくか。自分にできることをあらためて考えさせられた一日でした。

これからも日本の文化を多角的に学び、未来へと紡ぐ架け橋となれるよう努めてまいります。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

 

2025 Miss SAKE 静岡

永田しおり

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