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「第6回ナデシコプログラムレポート」~「伝統的酒造り」Miss SAKEとして伝えたいこと~2025 Miss SAKE 愛知 齋藤希

皆さま、こんにちは!

2025 Miss SAKE 愛知 齋藤希です。

2025年4月6日に第6回ナデシコプログラムが開催され、前日に引き続き東京都福生市にある石川酒造様で行われました。

~プログラム内容~

①麹生化粧品・塩麴の仕込、体験(株式会社北村商店 代表取締役 北村公克さま、SHARE SENSE 乙部彩佳さま)

②ファイナリストWEBリテラシー講座「AIに生かされない、個人としてAIを生かすstrategy」(一般社団法人 Miss SAKE 事務局長 中村信次郎さま)

前日の夜は、酒坊多満自慢の温かい木のぬくもりに包まれ、心地よくゆっくりと休むことができました。朝、しっかりと朝食をいただいた後は、元気いっぱいで出発しました!

日本酒産業の現状と未来:Miss SAKEとして考えるべきこと

株式会社北村商店の代表取締役、北村公克様から、日本酒産業の現状やユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」の製法、そして「麹菌」や「麹」の重要性について、非常に貴重な知識をいただきました。

まず、日本酒の製法について基礎的な部分から学びました。お米を炊き、蒸気で蒸すという工程において、精米歩合が高くなるほど浸漬時間が短縮されることがわかりました。たとえば、精米歩合が50%であれば浸漬時間は20分程度、60%では1時間ほどに設定されます。

次に、麹菌の役割について詳しく教えていただきました。麹菌は、でんぷんを酵母が食べやすいブドウ糖に変える重要な働きをします。その後、酵母はグルコースを消費し、アルコールと二酸化炭素を生成することで並行複発酵が進みます。このプロセスにより、日本酒が完成します。通常、発酵期間は20日程度ですが、大吟醸の場合は30~40日ほどかかります。発酵温度は36℃前後で、アルコール度が18%に達すると酵母は死滅します。精米歩合が低く、粒が小さいお酒はアルコール度数が高くなりやすいので、発酵時には低温管理を行い、味わいに深みを出す工夫が求められます。

この製法に関する知識は、今年1月に取得した「唎酒師」の資格を通じて既に学んでいた内容でした。そのため、北村社長の質問に自信を持って回答できたことは、大変充実した経験となりました。さらに、北村社長から「唎酒師」の資格取得を強くお勧めいただき、私自身もこの資格を持つことが、より多くの人々に日本酒の製法や背景、文化的意義を深く伝えるための大きな一歩であると感じました。

日本酒は、日本の湿潤な気候や清らかな空気という独特の風土によって生まれ育った飲み物です。その製法や文化は、単なるアルコール飲料としての枠を超え、人々を繋げる力を持ち、食文化の一部として深い歴史と物語を紡いできました。しかし、現在の日本酒業界は様々な課題に直面しています。国内市場の消費が減少し、ピーク時の1/3程度にまで縮小しており、外食業界でも日本料理店の数が減少していることが影響しています。また、日本酒をフレッシュな状態で輸送するのが難しいという問題もあります。

こうした中で、日本酒の普及を促進するためには、ワインが世界的に広がった背景を学び取る必要があります。フランスは「テロワール」という概念を強調し、良質なブドウを育てることで、ワイン産業を成功させました。日本酒も同様に、その土地ならではの特性や文化を前面に押し出し、個性を強調していくことが求められます。特に、唎酒師の資格取得者を増やし、専門知識を持った人々を育成することが、日本酒の普及に大きな役割を果たすとお話いただきました。

一方で、日本酒業界には追い風もあります。インバウンド需要の増加が予測されており、2024年には3600万人の訪日外国人が見込まれています。また、2025年には大阪万博が開催される予定であり、Miss SAKEとしては、こうした国際的な機会を最大限に活用し、日本酒の魅力を世界中に広めるチャンスが訪れています。

最後に、北村社長からいただいた言葉が心に深く響きました。「日本酒とは、業界が抱える問題をどう解決していくか、そしてその課題を踏まえて、Miss SAKEとして日本酒という文化にどう関わっていくのかを、常に考え続けなければならない」とおっしゃったその言葉には、単なる製品の普及以上の意味が込められているように感じました。昨年、ユネスコ無形文化遺産に「伝統的酒造り」が登録され、日本酒は国内外で再評価されていますが、それでも日本酒の魅力がまだ十分に伝わっていない現実があります。室町時代や江戸時代から続く、酒蔵の職人たちの想いや技術、そして日本酒そのものが持つ文化的背景には、深い歴史と精神が宿っています。それらの価値が、もっと広く、深く、多くの人々に届くべきだと強く感じています。

私は自分の「人生経験」を通して、これまで接することのなかった人々にも、日本酒の奥深さやその背景を知ってもらえるように伝えていく方法を模索し続けなければならないと痛感しました。日本酒は単なる飲み物ではなく、日本の風土や人々の心が映し出される文化の一部です。その魅力をどのように伝え、どのように広めるべきか、今後さらに深く考え、行動に移していかなければならないという責任感を改めて感じました。

麹で造る!「生化粧水・塩麴づくり」体験

海外のホテルでの経験も持つSHARE SENSEの乙部彩佳さまより、麹と美容の関係について、ワークショップ形式で貴重なお話をいただきました。

米麹で「生化粧水作り」

まずは、米麹を使った「生化粧水作り」の体験を行いました。以下がその手順です。

ー材料ー
・米麹 25g
・お湯(50~55度) 200ml

① ステンレスボトルに米麹25gを入れます。
② その後、お湯200ml(50~55度)を加えます。
③ 蓋を閉め、最低2時間そのまま置いておきます。

この体験を通して、米麹の美容効果を実感できました。特に、日本酒に含まれる美容成分について学ぶことができました。具体的には以下の4つの成分が肌に良い影響を与えます。

  1. コウジ酸
    チシロナーゼ酵素の働きを抑制し、メラニン生成を抑える効果があります。
  2. フェルラ酸(オリザノール)
    紫外線から肌を守り、美白効果や皮膚の老化防止が期待できます。
  3. アミノ酸
    肌の保湿効果を高め、新陳代謝を促進して健康的な美肌を作り出します。
  4. a-EG
    コラーゲンの生成を活発にし、保湿、肌のハリや弾力アップに寄与します。

また、ワークショップの中で重要なポイントとして、酵母は40℃を超えると徐々に死滅し、酵素は60℃を超えるとその働きが弱まることを学びました。したがって、60℃以下を保つことが、米麹の美容成分を最大限に活かすための大切なポイントだと理解しました。

自分で作った米麹化粧水を使ってみると、すぐに肌に浸透し、乾燥しやすい部分もしっかりと潤いました。時間が経つと、肌は内側からしっかり保湿され、乾燥が気になる季節でも安心感を得られました。米麹のアミノ酸やコウジ酸が新陳代謝を促進し、肌のハリやツヤが向上。特に乾燥しやすい頬や額が柔らかくなり、外的刺激から守られている感覚がありました。

 

日々使用することで、肌の変化が楽しみです。

完全ノンアルコール「甘酒」で体力回復

次にいただいたのは、酒粕を使用しない、米麹とお水だけで作った完全ノンアルコールの「甘酒」です。この甘酒は、アミラーゼというでんぷん分解酵素によって優しい甘さが引き出され、まろやかで飲みやすい味わいが特徴です。ノーマル甘酒と、自家製のノンアルコール「フルーツ甘酒カクテル」を楽しみましたが、どちらも心を落ち着かせる優しい甘味で、忙しい朝食や夏バテ防止にぴったりだと感じました。

甘酒はビタミンやアミノ酸が豊富で、体力回復に役立ち、まるで点滴のような効果を持つと言われています。特に、麹が糖分を摂取して体を回復させる点は、点滴と同じ役割を果たすとされています。また、酒粕に含まれるデフェリフェリクシンが肌のバリア機能や保湿力を高めるという研究結果もあります。甘酒を取り入れることで、内側からのケアも期待できそうです。

石川酒造ではこの甘酒も購入できるので、ぜひチェックしてみてください!

https://tamajiman.com/SHOP/F-610.html

【作り方】

米麹300gとお水730mlを炊飯器に入れ、保温モードで8時間温めると、美味しい甘酒が完成します。

万能調味料「My塩麴」作り

次に体験したのは、家庭でも簡単に作れる万能調味料「My塩麹」の作り方です。塩麹は、日本料理においてその旨味を引き出し、素材の味を活かしながら、健康的な食生活をサポートする優れた調味料です。私たちが普段使っている塩に代わるこの発酵調味料は、ただの調味料ではなく、食材との相乗効果によって料理の深みを引き出し、同時に身体にも良い影響を与えることができます。

【作り方】

  1. 塩分濃度を決める
    まず、塩分濃度を決めることが重要です。暖かい時期には、塩分濃度が低すぎる(例えば8%程度)と衛生面で不安が生じるため、12%の塩分濃度が推奨されています。この塩分濃度が発酵にとって理想的な環境を作り、麹が適切に発酵しやすくなります。
  2. 塩と米麹を混ぜる
    容器に塩を入れ、その上に米麹100gを加えます。米麹は発酵に欠かせない微生物を含んでおり、酵素がでんぷんやタンパク質を分解する力を持っています。この段階で塩と麹をしっかりと混ぜ合わせることが、塩麹の発酵をスムーズに進めるカギです。
  3. お水を加えて混ぜる
    次に、お水110mlを加え、再度よく混ぜます。このお水が麹と塩の相互作用を促進し、麹菌が活性化します。容器を密閉し、毎日振ることで均一に発酵させることができます。
  4. 発酵させる
    蓋を開けずに、暖かい場所に1週間程度保管します。暖房の効いた場所や直射日光が当たらないところに置き、発酵が進むのを待ちます。発酵が進むと、塩麹はだんだんとトロっとした質感に変わり、その時点で完成です。

発酵が完了した塩麹は、冷蔵庫で最大1ヶ月保存が可能で、冷凍庫に入れればさらに長期間保管できます。この発酵プロセスにより、塩麹は単なる塩分源を超えて、食材を柔らかくしたり、味をまろやかにしたり、減塩効果を持つといった特性を持つようになります。

塩麹の健康効果

塩麹は、ただの調味料としてだけでなく、身体にとっても素晴らしい効果を持っています。米麹にはアミラーゼやプロテアーゼなどの酵素が豊富に含まれており、これらは食材のタンパク質やでんぷんを分解する働きをします。これにより、肉や魚が柔らかくなり、消化吸収もスムーズになります。また、酵素が持つ健康効果により、腸内環境を整えたり、免疫力を高めたりする効果も期待できます。

さらに、塩麹は塩分を減らすための非常に有効な方法です。塩の代わりに塩麹を使うことで、食事の塩分を控えながらも、豊かな旨味を感じることができます。塩分摂取を抑えたい方にとっても、塩麹は減塩料理を実現するための強い味方となります。

塩麹を使ったレシピ

  1. 漬けるレシピ
    鶏ハム: 鶏肉を塩麹に1日漬けて、ジップロックに密封し、65℃のお湯に1時間放置するか、炊飯器の保温モードを利用して作ります。このプロセスで鶏肉は非常に柔らかくなり、しっとりとした仕上がりになります。タレには塩麹、ネギ、ごま油を合わせることで、さらに風味が増します。
  2. かけるレシピ
    里芋の梅だれがけ: 里芋を蒸し、梅肉、ごま油、塩麹、ポン酢を和えて作ります。梅の酸味と塩麹のまろやかな塩気が絶妙に絡み合い、里芋のホクホクとした食感を引き立てます。
  3. 和えるレシピ
    金柑の白和え: 絹ごし豆腐、白だし、ねりごま、塩麹、春菊を和えます。この白和えは、金柑の爽やかな甘さと春菊のほろ苦さがバランスよく調和し、塩麹の旨味が全体を引き締めます。

塩麹を使った料理はこれにとどまらず、玉ねぎ麹や納豆麹、キムチ麹など、他の発酵食品と組み合わせることで、さらに多様な風味を楽しむことができます。これらの発酵食品を取り入れることで、腸内フローラを整え、健康をサポートすることが可能です。塩麹の使い方を工夫すれば、日々の食事をより一層豊かで健康的にすることができるのです。

塩麹は、ただの調味料ではなく、発酵の力を借りて食材の旨味を引き出し、健康をサポートする優れた食材です。塩麹を使いこなすことで、減塩でありながらも深い味わいを楽しめ、さらに肉や魚が柔らかくなるなど、料理が格段に美味しくなります。日々の食事に取り入れ、発酵食品の力を最大限に活用することで、健康的な食生活が実現できると感じました。

AIとの共存:人間の創造性とテクノロジーの融合

最後に、一般社団法人 Miss SAKE 事務局長の中村信次郎さまより、「AIに生かされない、個人としてAIを生かすstrategy」について貴重なアドバイスをいただきました。AIを効果的に活用し、自己の価値を最大化するための戦略について深く学びました。

  1. AIの使い方
    中村さまが強調されたのは、AIを「使われる側」ではなく、「使う側」として活用することです。最終的な主導権はあくまで人間が握るべきであり、AIはあくまでサポートツールに過ぎません。例えば、AIに草案を作成させ、その後の編集や方向性決定は自分で行うことで、作業効率を大幅に向上させることができます。これにより、時間を短縮し、より高い精度で成果を上げることが可能になります。
  2. AIツールの選定
    中村さまが推奨する「NotebookLM」というAIツールは、特に信頼性が高いとされています。特にAIが提供する情報に含まれる誤り、いわゆる「ハルシネーション」に悩まされることなく、正確な情報を得ることができる点で優れています。AIツールを選ぶ際は、その信頼性を重視し、正確で安定した結果を得られるものを選ぶことが重要です。
  3. SNSとウェブでの発信戦略
    SNSは単なる情報発信の場ではなく、「人と人との繋がり」を促進するためのツールです。そのため、自分が提供できる価値を明確にすることが成功への第一歩です。以下の5つの問いに答えることで、効果的な戦略が導かれます。
    • 自分が提供できる価値は何か?
    • どんな結果を得たいか?(ゴール設定)
    • 自分が提供する価値は誰に役立つか?
    • その人々が求める情報は何か?
    • 自分は何者か?(プロフィール作成)

これらの問いを明確にし、具体的なターゲット(ペルソナ)を設定することで、情報発信がより効果的になります。ペルソナに向かって話しかけるように発信することで、共感を得やすくなり、支持を広げることができます。

  1. E-E-A-Tの概念
    中村さまは、ウェブコンテンツにおけるE-E-A-T(Experience, Expertise, Authority, Trustworthiness)の重要性についても触れました。この概念に従って、発信する情報の信頼性が高まります。

    • 経験(Experience): 実体験に基づいた情報発信は説得力を増し、共感を呼びます。
    • 専門知識(Expertise): 自身の専門性をアピールし、信頼性を高めます。
    • 権威(Authority): 権威あるメディアや人物から認知を受けることで、信頼を得ることができます。
    • 信頼性(Trustworthiness): 他者に対して真摯に情報を発信し、誠実さを示すことが求められます。

今日のレポートは、AIツール(chatGPTやNotebookLM)を使って書いてみましたが、改めて感じたのは、AIはあくまでサポート役にすぎないということです。確かに、AIは驚くほど効率的で精度の高い作業をサポートしてくれますが、最終的にその情報やコンテンツの価値を決定するのは人間であり、私たち自身の判断や編集力が不可欠だということを再認識しました。

SNSやウェブでの発信も同様で、自分が提供する価値やそのターゲットをしっかりと意識していないと、どんなにAIを活用しても的外れな発信に終わってしまいます。情報の信頼性や専門性を意識して発信することで、より多くの人に共感を得ることができるし、そこに「自分らしさ」を加えていくことが、成功に繋がると感じました。AIはあくまで「道具」であり、それに頼りすぎず、最終的には自分自身の価値観や視点を大切にして、戦略的に活用していくことが重要だと思います。これからもAIを上手に使いこなしながら、自分の判断力やクリエイティブな力を最大限に発揮していきたいと思います。

講師の皆さま、本日は貴重で実り多い時間を本当にありがとうございました。今週も深い学びを得ることができ、心から感謝しています。学んだことを一つひとつ大切にし、日常生活や仕事にしっかりと活かしていきたいと感じました。

そして、来週は石川酒造さまでナデシコプログラム第7、8回が開催されるとのこと。これまでに学んだ内容をおうちでも復習し、さらに深く理解して自分のものにしていけるよう努めます。頭と心にしっかりと刻み込んで、来週の学びもより充実させていきたいと思っています。

来週もどうぞよろしくお願いいたします。

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