「甘酒づくり教室」
皆様、こんにちは。
2023 Miss SAKE 宮城 千田瑞穂です。
1月10日(金)に、私が勤務する横浜市の小学校にて甘酒づくり教室を実施しましたのでご報告させていただきます。
今年度、地域の農家から稲を頂戴し、5年生で米作りに取り組んでまいりました。
2月に収穫祭を企画しており、お世話になった方のリクエストで甘酒をつくって振る舞うことになりました。
しかしながら、「甘酒を飲んだことはあるけれど、自分で作ったことはない」「自分たちが作ったお米は決してたくさんあるわけではないから、失敗したらなくなってしまう」「詳しい人に聞いて練習して作ってから本番を迎えたい」
そのような思いで、この度、Miss SAKEとタイアップし、一般社団法人 Miss SAKE 代表理事 大西 美香氏、2024 Miss SAKE JAPAN 南 侑里さんを学校へお招きする運びとなりました。
はじめに大西氏より甘酒のつくり方をレクチャーしていただきました。
<甘酒のつくり方>
1.ご飯1合(350g)を袋に入れる。
2.水(乾燥麹を使用する場合は300mL、生麹を使用する場合は250mL) を量り、袋に入れる。
3.麹(200g)を袋に入れる。
4.袋の中をよくしゃもじで混ぜる。
5.炊飯器の釜のお湯の温度を55〜60℃に調整する。
6.袋の中の空気を抜き、ジッパーをしめる。
7.お湯の中に甘酒部分がかぶるよう、入れる。袋の中にお湯が入ってこないよう注意する。
8.袋が浮かないよう、皿で押さえる。
9.炊飯器の保温ボタンを押す。炊飯器の蓋を閉めてしまうと温度が上がってしまうため、そのまま開けたままにする。
材料のご飯は、子どもたちが栽培したものと同じ品種のものを用意しました。
麹は、私の親戚が営んでいる平孝酒造(宮城県石巻市)の平井社長に甘酒づくりの意義を伝えお願いをしたところ、山田錦精米60%の生麹を学校へ送ってくださいました。
もちろんスーパー等で販売されている乾燥麹でも甘酒をつくることはできますが、せっかくの機会なので、蔵で使われている麹を子どもたちに見せたかったのです。
乾燥麹よりも生きている麹は発酵力が強く、香りが良いことを紹介しました。
かいだことのない香りに、子どもたちは驚いており、「○○のような…」と、口々に何かに例えて表現しようとしておりました。
お湯の温度を調整するのに一番時間がかかりました。ポットから出る熱湯と水を混ぜ、調整しては何度も何度も温度を計りました。
「まだ11℃足りない」「あと7℃」「あと3℃」「やっと55℃から60℃の間になった」
この温度管理が発酵の鍵になります。
麹が活性化しやすい温度帯にしなくては、甘酒はできないのです。
55℃〜60℃で8時間、発酵させます。
授業後も子どもたちと約一時間ごとに家庭科室へ足を運び、温度を確認してはお湯の温度を調整しました。
この繊細な作業がいかに大切であるかを授業後に再度伝えました。
発酵をさせている間、大西氏よりスライドを用いて次のような内容のお話をしていただきました。
・米作りの歴史
・神話に出てくる日本酒について
・麹菌(オリゼー)について
・米麹はどのようにしてできるのか
・甘酒・日本酒について
・「伝統的酒造り」ユネスコ無形文化遺産登録について
・Miss SAKEの活動について
お話の後の質疑応答では、
「日本酒は、誰が初めてつくったのですか」
「日本酒は全国にどれくらいの種類があるのですか」等、子どもたちから質問がたくさん飛び交いました。
「巫女の口噛み酒」というのを聞いたとき、はじめはピンときていなかった子どもたちが多かったのですが、「新海誠さんの作品の「君の名は」を見たことがある人?」と聞かれると、クラスの半数以上が手を挙げ、「確かにそんなシーンがあった。」と、思い出しておりました。
休日をはさみ、1月14日(火)、実際に試飲をしてみました。
「お米の香りがする」「つくるときにかいだ麹の香りがする」「砂糖を使っていないのに甘い」「麹ってすごい」「とても濃い」「少し薄めてみようかな」
一人ひとりが感じたことをクラスで伝え合いました。
クラスのほとんどが甘酒づくりは成功したと感じており、次回の自分たちの栽培米での甘酒づくりでも温度管理を徹底したいと振り返っておりました。
この甘酒づくり教室を通して、甘酒のつくり方を知るだけではなく、日本の発酵文化がいかに世界に誇れるものであるか、子どもたちはより理解を深めることができたようです。
将来を担う子どもたちがこの価値を知っているのと知らないのとでは、未来で大きな差が生まれるのではないかと思います。
世代をこえて日本の伝統文化の素晴らしさを伝え、紡いでいくことを今後も大切にしてまいります。
2023 Miss SAKE 宮城 千田瑞穂