第10回 ナデシコプログラムレポート「美と力の融合: 相撲と自己成長を探求する」
2024 Miss SAKE 鹿児島 長友陽奈子です。4月21日に実施された第10回ナデシコプログラムにつきまして、ご報告申し上げます。
10回目の講義内容は、以下の講義がございました。
- 「稽古見学、ちゃんこ鍋、大銀杏」- 錦戸部屋
- 「ナデシコプログラム ファイナリスト特別カリキュラム」- べレックスホールディングス株式会社 代表取締役 八藤浩志様
「稽古見学、ちゃんこ鍋、大銀杏」- 錦戸部屋
この日は、通常休養日にもかかわらず、特別に稽古が行われ、高砂部屋からも5人の力士が参加していたため、総勢8人での合同稽古が展開されました。
朝7時から約4時間にわたる稽古では、四股やすり足といった基礎運動から始まり、申し合い、ぶつかり稽古といった実戦的な練習が行われました。これらの稽古を通じて、力士たちがどれだけ日々のトレーニングに励んでいるかが明らかになり、特にぶつかり合う際の迫力ある音や力士たちの息遣いが印象的でした。親方からの具体的な指導があり、「顔の位置を変えず、腰を低く保つ」ことの重要性を学び、水戸龍関からは「突き」と「押し」の技術的違いについて教えていただきました。
また、この見学を通じて、力士たちの個々の背景にも触れることができ、スポーツ選手としての多様なルートが存在することを知りました。例えば、元柔道選手からスカウトされた力士、幼少期から相撲を志してきた力士、モンゴルでの成績を経て日本でキャリアを築いている力士など、各々が異なる動機や経緯を持ってこの道を選んでいます。
相撲の世界における床山の重要性と熟練技術についても貴重な学びがありました。床山は力士の髷を結う専門家で、日本相撲協会に雇用され、各相撲部屋に所属しています。
髷を結う過程は、髪に均等に水を配布し、鬢付け油を使用することから始まります。この油は現在、限られた場所でのみ製造されており、その存続は床山にとって重大な関心事です。
力士が髷を洗う頻度は週に一度で、一回の洗髪にはシャンプー1本が消費されることもあるとのこと。
特に「大銀杏」と呼ばれる髷の結び方は、その技術を習得するのに10年以上を要し、床山には特等から五等までの等級があります。大銀杏は、十両以上の力士が結べる髷で、その先端がイチョウの葉の形に似ていることから名付けられています。この髷は相撲における力士の地位を象徴しており、技術的にも非常に高度なものです。
床山は美容師免許を持っていない場合が多く、専門的な訓練と経験に依存しています。また、髷を結ぶ際に使用される紐は、贈り物や祝儀に使われる水引であることも興味深いポイントです。力士によっては中剃りをしていないこともあり、髪の量に応じて異なります。
この見学を通じて、相撲の表舞台に立つ力士だけでなく、彼らを支える床山の存在がいかに重要であるかが明らかになりました。相撲の伝統文化を支える専門家たちの技術と努力は、より広く評価され、認識されるべきであると感じました。この学びを通して、日本文化の深層に触れることができたのは、非常に有意義な経験でした。
稽古見学後、錦戸部屋で用意されたちゃんこ鍋をいただきました。この日はたけのこをたっぷり使ったちゃんこ鍋が振る舞われ、新鮮な野菜が体に染みわたる美味しさでした。普段YouTubeで見ていた力士が食事する様子を実際に体験でき、夢のようなひとときを過ごしました。
相撲取りの生活は「良く寝て、良く食べる、良く稽古をし、また良く食べる」というサイクルで成り立っています。通常、ちゃんこ番は幕下以下の力士が担当しますが、場所によっては経験豊富なベテラン力士がちゃんこ長を務めることもあります。食事の順番は厳格に番付に基づいており、先に親方や関取衆、後援会の方々が食べ、その後に下位の力士や若い力士が食事をします。
ちゃんこ鍋はその栄養価の高さから、力士にとって理想的な食事です。主に野菜、魚介類、肉類、豆腐、きのこ類をふんだんに使用し、最後にはご飯や麺類を加えることで、さまざまな栄養素をバランス良く摂取できます。ただし、ちゃんこ鍋だけでなく、彼らはカレーライスやシチューなどの一般的な食事も楽しみます。
ちゃんこ鍋をいただきながら、錦戸親方に相撲道についていくつか質問する機会を得ました。
力士たちが15日間の本場所を通じてどのようにメンタルを保ち、集中力を維持するかについて、興味深い洞察を得る機会がありました。本場所中の精神管理は、非常に難しいと親方は説明しました。力士たちは大会の長期間にわたる精神的なプレッシャーに対処するため、15日間を3つの5日周期に分けて捉え、各段階でリセットする戦略を取っています。この周期的なアプローチは、特に序盤での敗北からの回復に効果的であり、柔軟な対応ができる力士ほど成功しやすいとされています。また、趣味などに時間を割くことで精神的なリフレッシュを図ることも、彼らにとって重要なストレス解消法です。
また、相撲界の変遷についても親方との会話から新たな洞察を得ました。近年、若手力士が台頭し、上位陣の力士が苦戦している現状について親方は、相撲界のトレーニング方法や環境が変化していることを指摘しました。特に、昔のような過酷な「かわいがり」が減少し、体系的なトレーニングが増えていること、また、大学相撲部出身の力士が増え、これらが角界の競争を激化させていることが、力士たちの成長速度と競争の激しさを加速しています。これらの変化は、相撲界のダイナミクスを形作り、新しい星の台頭を支えています。
親方との会話から、伝統を守りつつ現代に適応することの難しさを学びました。相撲界では、より多くのファンを獲得し、相撲がさらに人気を集めるよう、相撲協会も様々な新しい取り組みを行っています。
私は日本人であり、熱心な相撲ファンとして、Miss SAKEのプラットフォームを活用し、相撲の魅力を国内外に広める使命を感じています。特に、日本文化に興味を持つ外国人ファンを増やすことに貢献したいと思っています。この使命感を胸に、相撲の素晴らしさを世界中に発信していくことを目指しています。
この体験を通じて、相撲というスポーツの深い文化的背景と、その中で生きる人々の情熱に心から感銘を受けました。錦戸部屋での一日は、相撲がただのスポーツではなく、厳格な訓練、伝統の継承、そしてコミュニティの一体感を育む場であることを教えてくれました。これからも、Miss SAKEとして、日本の美しい文化遺産の一つである相撲の魅力を世界に伝えていきたいと改めて決意しました。相撲の真の精神性と技術の奥深さを、さらに多くの人々と共有する旅はこれからも続きます。
「ナデシコプログラム ファイナリスト特別カリキュラム」- 八藤浩志様
八藤浩志様からの講義では、自らの経験を基に美容業界でのキャリア形成について詳細に解説いただきました。
八藤様は、リクルート社を退職後、独立して32年間、美容業界での豊かな経験を積まれ、現在は成功を収めたネイルサロンの社長として活躍されています。
講義では、日常生活で見落としがちな爪のケアの重要性、特にプロフェッショナルな環境での小さな気配りが如何に大きな差を生むかを強調されました。また、ネイルが個人のスタイルや表現の一部としてどう楽しむかについても触れ、美容が自己実現の手段であると説きました。
八藤様は、ネイルサロンの顧客が全女性の約10%に達する今日、多くの女性がネイルを通じて自己表現および自己ケアの一環を享受している現状を示し、参加者にもその楽しみを見出すよう励ました。
講義では、特に大谷翔平選手の成功の背景にある目標設定手法「オープン・ウィンドウ64」が紹介されました。このシステムは、原田隆史氏によって考案され、目標を達成するために必要な要素を64の窓(項目)に分けて考える方法です。
大谷選手は16歳のときにこの方法を用いて自身のキャリアと日常生活の目標を設定しました。成功するためにはただ技術を磨くだけでなく、日常の行動や人間性も重要であると強調しています。センターピンに立てる目標とそれを取り巻く8つの具体的な行動項目を設定することで、運を味方につけ、毎日の行動を改善していくことが大切だとわかりました。
また、日誌をつけることはメンタルの強化に非常に役立つということもお教えいただきました。毎日の振り返りを行うことで、その日の感情や活動を忘れずに記録することができます。
特に、1日の終わりにわずか3分を使って、その日に感じたことや成し遂げたことを手書きで書き留めることが推奨されています。手書きでの記録は、自己効力感を高め、自己認識を深めるのに効果的です。日誌には具体的な数字を用いて、目標達成への進捗を可視化することも有効です。これにより、自己反省や次の日への動機付けに繋がります。
また、八藤様は、近藤麻理恵(こんまり)さんの成功例を紹介しました。彼女は、彼女の整理術がアメリカの富裕層をターゲットに再ブランディングされた後、その方法が爆発的に受け入れられるようになりました。もともとは普通の大学生だった彼女は、人に頼れるものは頼む、周りを巻き込むことの重要性を学びました。効果的な巻き込み方ができる人物とはどういう人か、そして他人に何かを頼んでも実際に協力を得るのが難しい中、一緒に動いてくれる人を作り出すことの大切さを認識しています。
八藤様はコーチングの重要性についても語りました。特に、コーチングの本質は、個人が自ら気づきを得る過程にあると強調しています。これは「壁打ち」のメタファーを用いて、個人が自分自身と対話しながら答えを見つけるプロセスを説明しました。また、実際の競技や試験で実力を発揮するには、他人からの指示だけでなく、自分自身で考え、決断した行動が必要であると指摘しました。これまでの教育システムが問題解決に依存していた点を批判し、自己主導で学ぶことの重要性を説きました。
さらに、原田隆史氏の「原田式メソッド」に触れ、これが国際的に広がっていることを紹介しました。このメソッドは、子どもが3歳から始めることができ、親子の対話を通じて学びを深めるスタイルであることが特徴です。このアプローチは、25カ国に拡がり、世界中で受け入れられています。この学習法は、子どもたちが自らの思考を形成し、自立した学習者として成長するのを助けます。
「オープン・ウィンドウ」は、参加者が積極的に何かをする必要はなく、視覚的な提示だけで自らの意識が変わっていくよう設計されています。この方法を真剣に継続することで、Miss SAKEの最終選考会日である6月7日までの期間、新しい習慣やサイクルが形成されると説明しています。このアプローチは、参加者が自己成長のための自然な動機づけを内面化する手助けをすることを意図しています。
八藤様は美容とその背後にある意識について深く語りました。美容に対するアプローチとして、「美意識を持ちすぎず、適度に保つことが重要」と強調し、美容クリニックへの過剰な通院は細かい点に目が行き過ぎることで満足感が得られなくなると指摘しました。
また、財力があっても美意譽がなければ意味がないと述べ、真の美意識の表れは、個人の生活空間が整っているかどうかにあると説明しました。そのためには、日常生活で使うものが整理され、美化されていることが大事だとしました。
さらに、八藤様が経営するネイルサロンでは、リーダーシップを発揮し、実際に手本を示すことで職場の美化活動を推進していることが効果的だと紹介しました。美容とは、外見だけでなく、その人の生活や心がどれだけ整っているかにも関連するものです。
八藤様は、日常でのポジティブな行動、例えば運動や早起きが継続しないという問題について議論しました。ポジティブな活動が持続しない場合、それをどう克服し、失敗からどのように回復するかが重要であると強調しました。例えば、過食した日があった場合、次の日にファスティングをすることでリカバリーするといった対策を提案しています。また、自分自身のマイナスの行動を速やかに解決する方法を身につけることが、持続可能な改善への鍵と述べています。
さらに、世界クラスのアスリートがどのように自分のコンディションを管理しているかにも触れ、トップアスリートは個人トレーナーを雇用して日々の体調管理を行っている点を例に挙げました。彼らは一般人とは異なるレベルで自己管理を行っており、これが高いパフォーマンスを維持するために不可欠です。最終的に、ポジティブな人々と共に過ごし、知見を持つ人々からアドバイスを受けることが、自身を成長させるための重要なステップであると結論づけました。
八藤様は、マッサージとリンパの流れの重要性についても解説されました。リンパシステムには自動的に動くポンプ機構がないため、体全体のリンパを刺激することが推奨されます。リンパの詰まりが下半身の問題の一因となることもあり、リンパが滞ると体に痛みが生じることがあります。
また、自己治癒力を信じ、病気や体調不良に対して積極的に自己対処する姿勢が必要であると強調しました。医療や薬に頼るのではなく、自分自身で健康を管理する能力を育てることの大切さを説いています。これには、リンパマッサージや適切な体の使い方が含まれ、顔の見た目に影響を与える肩の位置や首の長さも、適切な体の使い方によって改善されると説明しました。リンパが適切に流れている人は健康で若々しく保つことができるとのことです。
八藤様は、朝起きた際に味わう自分の唾液の味を通じて、体調の変化を感じ取る方法について説明しました。前日の生活習慣が体にどのように影響を及ぼしているかを把握することが、健康管理には重要です。また、毎朝鏡を見て自分の顔の違いを観察することで、どのように自己改善を図れるかを考えることが日常の一部となっています。
さらに八藤様は、コロナウイルスの影響でネイルサロンが赤字になる中でも、挨拶やポジティブな行動を通じて「運」を引き寄せることの重要性を強調しました。このような日々の努力が、結果的に成功へと繋がると信じています。
八藤様の講義はビジネス、美容、健康管理に渡る幅広いテーマで深い洞察を提供しました。特に大谷翔平選手の成功哲学に基づく目標設定アプローチと、日々の反省を通じた自己成長の重要性の強調は参加者にとって非常に刺激的でした。
また、美容と健康に関する八藤様の豊富な経験から得た知識を日常生活やプロフェッショナルな環境でどう活用するかの具体的な方法も提供されました。これは自己改善を目指す全ての人にとって価値ある内容でした。最終選考会に向けて、オープン・ウィンドウ64を活用して日々を充実させたいと思います。