Miss SAKE News/Blog

2021 Miss SAKE 愛知 松崎未侑 / 第10回ナデシコプログラムレポート

講義内容

①「日本酒の概念を覆す酒造様:これが日本酒?都会の中心で米作り?」
  白鶴酒造株式会社 広報・営業サポート部 福本和美様

②「歌舞伎の世界から見る温故知新 〜人の師となるまで〜」
  歌舞伎俳優 市川九團次様 

③「チーム日本として、国酒を通して自分自身も愛しましょう!」
  俳優 辰巳琢郎様

日本酒の概念を覆す酒造様:これが日本酒?都会の中心で米作り?

清酒業界トップの白鶴酒造様は、奇跡的な好条件*により日本酒作りが盛んな兵庫県灘市の灘五郷で、1743年(寛保3年)に創業された日本を代表する清酒酒造様です。
*奇跡的な好条件:山田錦、宮水(地下水)、六甲おろし(風)、樽廻船

ご講演では、日本の中心「東京・銀座」から国内・世界へ日本酒の価値を広め、伝統を確かに守りながらも、【日本酒の概念を変える様な取り組み】への挑戦についても学ばさせていただきました。

  1. 銀座で醸す日本酒づくり
  2. 酒造好適米「白鶴錦」の開発
  3. 銀座天空農園での米作り
  4. 新感覚の日本酒「別鶴」
  5. 日本酒を使った美容製品
①銀座で醸す日本酒づくり

なんと、銀座のオフィスの一角で、梅酒などをつける小さな瓶を使って日本酒造りをしているのです。

日本酒文化を銀座から世界へ!という目標の通り、オフィスへ訪れた観光客や消費者を絞りたての日本酒でおもてなしをされているのでした。

②酒造好適米「白鶴錦」の開発

酒造好適米の王者といえば山田錦。

それを超える酒米を作るべく、山田錦の兄弟品種を「山田穂」と「渡船」を交配して、9年という年月をかけて比較研究・開発されたのが「白鶴錦」です。

独自開発米「白鶴錦」は心白が大きく、脂質たんぱく質が少なくキレイな酒作りに向いているので、今では数々の名の知れた10以上の有名銘柄の酒米としても使われています。

③銀座天空農園での米作り

 日本屈指の一等地の銀座で農園? 天空??? と単語だけを見ると一体どのような取り組みか想像がつきません。

しかし、文字通り、【銀座に位置する白鶴ビルディングの屋上で稲作の農園】をしているのです。

屋上の緑化、日本酒文化の発信を目的に開始されたプロジェクト。

ビルの強度に耐えうる軽量で栄養豊富な土選び、海外留学生や小学生を招いての田植え教育、炎天下での水温管理、台風対策、鳥からの稲守り、脱穀など数々の困難を乗り越えて、2007年には15kgだった収穫量が、2020年には50kg以上も収穫できるようになりました。

できたお米は最高の二等級を獲得。

今年6月銀座の百貨店で40本程度の本数限定で純米大吟醸が販売されるそうです。*人気で即日完売!

天空農園:土作り。浅いプールが印象的!

「別鶴」は見た目も可愛く味わいも斬新!

④新感覚の日本酒「別鶴」

従来の日本酒っぽさが」はなく、カラフルでかわいいボトルデザイン。

400以上のお蔵入り酵母の中から3種類を厳選し【日本酒の概念を覆す】ような商品を開発されました!

商品ご案内:「別鶴」http://www.hakutsuru.co.jp/bekkaku/product/

  • 木漏れ日のムシメガネ:木漏れ日の下で飲みたいレモングラスの風味
  • 陽だまりのシュノーケル:柑橘系の風味と燦々と太陽照りゆく広い海
  • 黄昏のテレスコープ:熟成されゆくぶどうのように茜染まる空

日本酒好きにも美味しく、【若い世代にも飲んでもらいたい】という思いで若手社員が手がけたシリーズ。

「これが日本酒!?」と日本酒の新しい一面を発見できる画期的な商品でした。

日本酒はまだまだ秘められたポテンシャルに溢れているのですよね!

⑤日本酒を使った美容製品

平安時代以上前から美容のためにも使われていた日本酒には、数多くの美容成分が含まれています。

血管拡張「アデノシン」、コラーゲン生成「アミノ酸」、美白効果には「アルブチン」などなど。

コンセプトと価格帯は3つ:プチプラシリーズから、女性ホルモンも活性化させる贅沢美容商品まで。

現代の女性のニーズに寄り添った商品開発と、スキンケアに関する美容セミナーの運営を通して、飲酒以外の目的で日々の生活に「日本酒」が取り入れられています。

①〜⑤全ての取り組みにおいて、「日本酒造りの伝統を継承・技術を追求」しながらも、

枠にとらわれない新たな日本酒の価値創造に貪欲に懸命に探求される企業様だと実感いたしました!

歌舞伎の世界から見る温故知新 〜人の師となるまで〜

世襲制が基本の歌舞伎の世界に、養子として26歳で入門した市川九團次様。

高校卒業後俳優として活躍することを目指していたところ、

25歳で演じたスーパー歌舞伎でのカーテンコールで泣き続けた4ヶ月間の経験が忘れられず入門を志願。

当時の師匠に直談判し、「とてもじゃないけど遅いね。でもとにかく稽古しろ。」と15年間師匠の家に同居し「内弟子」として稽古時代を過ごされたのです。

歌舞伎のルーツは400年以上前にも遡ります

現代使われる言葉には歌舞伎の世界由来のものも多いのです。
 例:板についてきた、なあなあの仲、黒子、差し金、黒幕など。

何においても入念に訓練して習得された方から見ると、「板についているか」は一目瞭然だそう。

着物であれば、着慣れているかどうかは一目見れば分かってしまうのです。

歌舞伎を通して、歌、踊り、演技、立ち居振る舞い、着物、メイク、学ぶ姿勢などを探求し尽くした市川九團次様のご講義では、「歌舞伎の世界や人生観」に加えて、「実践的な所作」についても沢山ご教示いただきました。

【女性らしい振る舞いとは?】

男性のみで演じられる歌舞伎。
肩幅広く、身長高く、堂々とした振る舞いの男性が女性を演じます。

基本のコツは以下の通りです。

  • 膝と膝に紙を挟んで歩く(繊細な立ち居振る舞い)
  • 肩甲骨を落として胸を張り、斜め横向きに立つ(華奢に見せる)
  • 脇は締めて、人を胸でみる(姿勢の美しさ)

 1日中、1ヶ月、1年間これを板につくまで徹底的に稽古をします。

Miss SAKE JAPANを目指す上で、大和撫子らしさは何だろうかと悶々と考え、悩む数週間がありました。

私は日本人の感覚と日本人としての誇りは持っているものの「大和撫子らしく」なりきれない自分葛藤をし、国際的な感覚で表現をする癖のついた自分を否定することもありました。

しかし本講義を通して「日本女性らしさは日々の意識で作れる」ということを理解し、前向きに自身の置かれている状況を見直すことがやっとできるようになったと感じます。

市川九團次様の講義では努力話や苦労話はほとんどなく、歌舞伎の世界では【厳しい稽古も当たり前に通る道】としてストイックに捉えられているのだろうということと、

苦労話よりも、実践的な話をしてくださる市川様の【エンターテイナーとしてのサービス精神】に感銘を受けました。

古代中国の思想家である孔子の言葉を弟子達がまとめた「論語」に記されていた言葉「温故知新」。 

その説明文の日本語訳は古くからの伝えを大切にして新しい知識を得ていくことができれば人の師となることができるでしょう。」

400年程の歴史を持つ歌舞伎を板につくまで徹底的に稽古して習得された市川九團次様のお話と立ち居振る舞いは大変説得力があり、深い学びの時間となりました。

チーム日本として、国酒を通して自分自身をもっと好きになりましょう!

本プログラムの概要をもらった際、「なぜ日本酒をPRするMiss SAKEが日本ワインについて学ぶのだろうか」と率直に疑問を持ちました。

日本のワインを愛する会会長として、日本ワインの持つ【食文化振興、観光による地方創生の力】を信じ、『日本ワインの礼賛』を著作された日本を代表する俳優、辰巳琢郎様。

辰巳様は仰いました。

「日本ワインも日本酒【日本のお酒】の代表の一つである」

本来は外国から輸入することが主流であったワイン。

そのブームの始まりは明治40年代に発売された「赤玉ワイン」でした。 

ポルトガルの甘いワインにインスピレーションを受けて創られた混成酒はまさに、日本の発明品と言えます。

話は少し飛んで、ポルトガルといえば、留学での経験について少し綴らせてください。

私は言語の壁、時間通りでない公共交通機関、想像した味と違う食事、案内表示がなく迷子になってしまった大学など到着当初、ポルトガルの全てが理解ができずで途方に暮れていました。

当時はどうしてもポルトガルのことが好きになれず、そんな自分に嫌気がさしていました

しかし、そんな私の視野を広げてくれたのが、【ポルトガルの文化体験】でした。

  • お茶目なレストランの店員さんに教えてもらった「国酒:アグアルデンテとジンジーニャ」の伝統と飲み方。
  • 友人宅でのクリスマスディナーやポートワインのテイスティング。
  • 友人に連れて行かれた「馬のお祭り」
    など…

これらの文化体験のお陰でポルトガルの魅力に触れることができ、

住んでいる国を知ることで自分自身に対しても肯定的な気持ちを持つことができるようになりました。

辰巳様の仰った国酒が持つ【食文化振興、観光による地方創生の力】

それはただその文化(国酒)の価値を高めるだけでなく、一個人の人生をも豊かにしてくれるものだと私は強く信じています。

日本に暮らすより多くの人が、日本酒や日本ワイン、焼酎など【国酒】をきっかけに、日本の魅力を知り、日本・自分自身に愛着を持てるような経験をしてもらえる活動をして参りたいです。

日本酒、日本ワイン、焼酎などが「同じ日本を代表するお酒」として、日本酒、ワイン、ウィスキー、ウォッカ、テキーラなどが「国を代表する国酒」として垣根を越えて、手を取り合ってより多くの人々に楽しんでもらえるようなアプローチもできると良いだろうと今後のPRに胸が躍りました。

言うは易し。行うは難し。

気を引き締めて行動に移していきたいものです。

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