WSET WINE講座 Level1
ワインだから皆様お着物は召されないということでしたが、私は赤ワイン色がポイントで入った小紋のお着物を着て会場に向かいました。
第14回ナデシコプログラムは、キャプラン株式会社様にて〈WSET WINE講座 Level1〉を受講いたしました。
WSETとは、長い歴史の中で酒類の品質向上と流通の中心的な役割を果たし、その情報を世界に向けて発信してきたロンドンに本部を置く世界最大のワイン教育機関です。
現在では世界70カ国で教育組織が運営され、年間約95,000人が認定試験を受験するなど、国際的に認められている認定資格です。
日本酒は普段もお勉強のように学びながらも楽しんでいただいておりますが、ワインは何が何だかさっぱりわからない状態でただただ美味しくいただいてたので、この機会を大変楽しみにしておりました。
度々日本酒と比較される対象であるワインを知ることは、日本酒を知ること。世界を知ることは日本を知ること!
WINEのLevel1の目標は「ワインサービスに自信をつける」です。講座受講の後、マークシート式の試験を受け、70%以上の正解で合格となります。
ブドウの構成を知る
まずはワインの材料であるブドウの構成を実際に観察したり口にしながら学びました。
白ブドウと比較してただ「ブドウ」と呼んでいたこちらですが、黒ブドウと呼びます。
果肉は甘く、これは果汁に糖が含まれているからで、この糖を酵母が食べ、アルコールに変化させます。また、果肉は果皮の色に関係なく同じ色です。
果皮は黒ブドウなので紫色。この色が赤ワインの色を作っています。皮を食べてみるのですが、、渋い!これは含まれているタンニンの力。
‘口の中が乾くような渋み’と表現されていました。
ブドウ栽培について、ブドウ栽培環境について、ワインの種類、について学んだ後、難関科目だろうと構えていた「主要なブドウの品種」に移りました。
「○○○(地方)のワインが飲みたいねぇ」はよく聞く言葉ですね。ブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方などよく聞く単語。
ブドウがどんな種類かだけで香り、味が全く異なるので興味深かったのと同時に、白、黒合わせてたった8種の品種が全然覚えられる気がせずに大慌てでした。
品種を一通り学んでから、3種のワインをテイスティングしました。
- 白ワインからはソーヴィニョン・ブラン、
- ロゼワインからはホワイト・ジンファンデル、
- 赤ワインからはカベルネ・ソーヴィニョン
色の見方、スワリングの方法をご教授いただき、香りをじっくり見てやっとワインを口にします。
香りの表現が独特だなぁと思ったのが、「青臭い」「若い」ような香りを「青ピーマン」と表すことです。
ミント、芝はなんとなくわかるのですが、青ピーマンという名前を聞くたびに不思議な気持ちでした。
それは私がピーマンの香りをワインから見出せなかったからなのですが、先生はもちろんピーマンを見つけるだけでなく、当たり前なのかもしれませんがピーマンとミントの香りの違いまで嗅ぎ分けるので驚かされました。
じっくりじっくり香りを見ると、温度変化によっても出てくる香りが全く違うので面白かったです。華やかなフルーツの香り以外のオークのバニラ香や、先述のミント、ピーマンの青さは時間経過とともに現れました。
単純に8種類の品種とその特徴を丸暗記しようとして絶望しておりましたが、こうして実際目の前にして香りや味を楽しんで知識と結びつけることで、確実に脳に刻まれていることを感じました。
ワイン実習
ワインリストの実習では、実際にレストランにあるようなワインリストのテキストを見て、学んだことと照らし合わせて、要求に合ったワインを導きました。
まだまだ不完全ですが、「ピノ・グリージョ…辛口で酸味の高いライトボディのワインでオーク樽は使用されないからバニラ香はない…」
と、リストを見ただけで飲まずともある程度わかるようになったのがとても嬉しかったです。実際に店舗でワインを飲める日が早くきますように。格好つけてワインリストを眺めたいです。
加えて、6種類のワインをテイスティングしました。
- ピノ・グリージョ(ヴェネト)
- シャルドネ(カリフォルニア)
- ピノ・ノワール(ブルゴーニュ)
- (ボルドー)
- シラーズ(オーストラリア)
- リースリング(ドイツ)
同じ品種でも、産地によって味が違うことも学んでいたので、オーストラリアのシラーズの香りや味を面白がれました。
この頃になるとアルコールの力なのか少しだけほんの少しだけ陽気になった私はひたすら
「フルーツであるブドウが元になったものの味を他のフルーツで例えるの面白いなぁ」と感じていました。
また、私が今まで「渋い」と思い込んでいた味覚が、実は「酸っぱい」の方だったことに気づきました。
私がこのワイン渋い!と思っていたのはワインの世界では酸っぱいの意だったのです。
というのも、これ渋いなぁと思ったワインを見ると、だいたいがタンニンが低く酸味が高い表示がされていたのです。タンニンが低いのに渋いわけがない。自分の感覚をひっくり返されたようで、なかなかびっくりさせられました。
ペアリング
これらの6種のワインをいよいよ料理と合わせていきます。
- 塩味:塩
- 酸味:レモン汁
- 旨味:味の素
- 甘味:ラングドシャ
- 辛味:トウガラシ
- コンテチーズ
合わせる料理によってワインの渋味、酸味、苦味を強調させてしまったり、甘味、果実風味を抑えたり、逆にマイナス部分を押さえて味の華やかさを強調させたりもします。
甘味をワインに合わせることの難しさを知り、酸味と旨味が合わせるワインを大変に選ばせることを知り、その後味わった塩との組み合わせはとても美味しく感じられました。
そして何より、チーズとのペアリングは最高でした。どのワインと味わっても本当に幸せなお味。ワインによっては、チーズとワインが口の中で完全に一体化したのを感じました。
美味しくワインを完飲し、いよいよ模擬試験へ。
30問中70%、つまり21問正解で合格です。結果、模擬ではギリギリの21問正解。ギリギリ過ぎます。
しかしやはり間違えることは最大の学びのチャンスであり、間違えた部分を残された時間で一生懸命復習すると、だいぶ頭の中にすっきりと入り込んできました。
Miss SAKEとして、日本酒についてワインと比較しながらたくさんの方々にお話しできるようになるのではないかと思いながら、勉強を続けたい所存です。
そして何より、お酒は日本酒一筋でだった私のこれからの人生においてワインについて世界が広がったのは本当に幸せなことです。どんなワインライフを送っていきましょうか。
この度も、充実した1日をありがとうございました。