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2021 Miss SAKE 長野代表 糟谷恵理子 / 第14回ナデシコプログラムレポート

ワインと比較した日本酒、日本酒と比較したワイン、双方向の視点から学びを深めることで、新たに見えてくるそれぞれの奥深さ…

〈講義〉キャプラン株式会社【WSET WINE講座 Level.1】

第11回ナデシコプログラムに引き続きキャプラン株式会社様にて、今回はWSET WINE講座を受講させていただきました。

WINE講座 Level.1として、ワインの基礎的な知識(ワインの醸造方法、主要なブドウ品種、ワインの種類、テイスティングなど)を学習致しました。

以前のナデシコプログラムにおける平出淑恵様のご講義でのワインツーリズムのお話、辰巳琢郎様のご講義での日本ワインのお話でもございましたように、お酒の魅力を発信する上で必ずキーワードとして登場するワイン。

しかし、ワインとは何か、それ自体を一から学ぶ機会は私にとって今回が初めてであり、多くの学びを得たプログラムとなりました。

日本酒と同じく醸造酒に分類されるワイン。ワインとの共通点や相違点を学ぶことで、日本酒を知らない世界中の方にもより分かりやすく”日本酒とは何か”を説明することができるため、Miss SAKE としてワインを学ぶことには非常に大きな意義があると感じました。

ワインの起源は紀元前5000年頃まで遡られます

メソポタミア、そしてエジプトにて造られ始め、紀元前1500年頃にギリシャに伝わったことを皮切りに次々とヨーロッパ諸国に広まっていきました。

原材料であるブドウは冷涼な気候(主に白ブドウ)、温暖な気候(主に黒ブドウ)の両方で栽培できることから、ワインの製造は世界中の国々で行われています。

フランス、スペイン、イタリアといった、古くからワイン醸造が盛んなヨーロッパ諸国はOld World(ワイン伝統国)と呼ばれ、造られるワインには各国の生産地域に因む名前がつけられます

一方、オーストラリアや中国といった近年ワイン造りに力を入れている国々はNew World(ワイン新興国)と呼ばれ、ブドウの品種に因む名前がつけられるそうです。

フランスの地方名が名づけられたワインは頻繁に目にする一方、チリの地方名がついたワインは見たことがない理由は、このことが背景にあったのかと深く納得致しました。

今回のご講義・テイスティングを通して、私が感じ取ったワインと日本酒の相違点が2点ございます。

”何によって味わいの多様性が生み出されるか”、そして”食との相性”です。

赤・白・ロゼワイン9種類のテイスティング実習から、ワインの味わいを主に決めているのは”生産地域の気候”と”ブドウの品種”にあると感じました

生産地域の気候の特色によって育ちやすいブドウ品種が存在し、ブランドとして確立していること。主要なブドウ品種はそれぞれ固有の香り、酸味、タンニンを持つこと。

それゆえに安定してブランド化されたワインが生み出され、初心者の私でもご講義で学んだ味わいの特徴を忠実にテイスティングで感じ取ることができました。

一方で日本酒は、酒米品種や生産地域よりも”醸造過程・技術”が幅広い味わいを生み出すための大きな役割を担っているように思います

醸された年によって、造り手の方の製法技術によって、全く異なる日本酒が出来上がる奥深さに、私は言いようもなく心惹かれております。

酒名に関しても、酒米の品種や生産地域に因むというよりも、自然の恩恵や縁起の良さを由来とするお酒が多く製造されており、神々への奉納品として誕生した背景・美しい言葉を大切にする日本らしさが表れているように感じました。

ワインと比較することで可視化される、日本酒に隠された日本文化。Miss SAKEとして世界へ発信する際の新たなる視点を学ばせていただきました。

そして前回のSAKE講座と同様、今回のWINE講座でも”食とワインの相互作用”を甘味・旨味・塩味・酸味・辛味の五味に対して体系的に学習致しました。

テイスティングしたワインは6種類(ピノ・グリージョ、シャルドネ、ピノ・ノワール、ボルドー、シラーズ、リースリング)です。

甘味はクッキー、旨味は味の素、塩味は塩、酸味はレモン汁、辛味は唐辛子で代用致しました。

甘味・旨味は6種類どのワインと合わせても酸味や苦味を強調させてしまい、マリアージュに適しておりませんでした。

一方、塩味は果実風味やボディを際立たせ、ワインをより香り豊かに変えてくれることを実感致しました。

酸味はシャルドネやピノ・ノワールといったもともと高い酸味を持つ一部のワインとは相性がよく、よりすっきりとした味わいへと変化したように感じ取られました。

個人的な意見ではありますが、食に合わせやすいという点では、やはり日本酒に軍配が上がるように感じます。

ワインと同様に甘味・旨味と日本酒は負の相互作用を与えうることがありますが、日本酒の温度を変えることで性の相互作用へと転換することもできるのです。

日本酒を”食を支える万能なお酒”と表現するのならば、ワインは”食とともに様々な変化を魅せる可能性を秘めたお酒”と言えるのではないでしょうか。

ワインと比較した日本酒、日本酒と比較したワイン、双方向の視点から学びを深めることで、新たに見えてくるそれぞれの奥深さを発見し、お酒に関する自らの知見をさらに広げることができました。

世界中で愛され続けるワインを深く知ることで、ワイン同様に魅力あふれる日本酒がworldwideなお酒として認知を得られるための手がかりを追究してまいりたいと思います。

オースタン紗知子様、キャプラン株式会社様、このたびは、世界各国のワインに触れ、その素晴らしい魅力を知るきっかけとなる貴重な機会をご用意下さり、誠にありがとうございました。

2021 Miss SAKE 長野代表 糟谷恵理子

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