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2021 Miss SAKE 石川 稲垣知葉 / 第7回ナデシコプログラムレポート

第7回ナデシコプログラムレポート

一般社団法人ミス日本酒 愛葉代表理事「ファイナリスト心得」

本日最初のプログラムは、一般社団法人ミス日本酒 愛葉代表理事による「ファイナリスト心得」です。

実は私は大変ドキドキしておりました。6回もプログラムは終わってしまって、審査期間も1ヶ月経過してしまった訳ですが、私たちはMiss SAKE Japan ファイナリストとして留意するべきことをきちんと守って過ごせているのか?と先日の小川里美様のお話も重なり、不安がありました。

Miss SAKEとして活動する上での立ち振る舞いやSNSマナーについてお話しいただきました。

今回で第8代目を決めることになるMiss SAKE。

この7年間でのべ1万人程の応募があり、その中から約20人がファイナリストとして選ばれ、毎年たった1人がMiss SAKEとして選出されます。

この7年で事務局、先輩方が築き上げてきたMiss SAKEの品格、価値。そこに相応しく居られるように自分の言動をやはり見つめ直す必要があると感じざるを得ません。

SNS、受け答え、講座に向かう姿勢、このレポートなどに至るまで、「Miss SAKEとして1年間お仕事を共にする」ことに違和感のない人間を探して見ていらっしゃるそうです。

お話を伺えば伺うほど、楽しいことばかりでなくつらくて大変なこともたくさん待ち受けているように思えます。どんな時も、おこがましいようですが愛葉代表をはじめ事務局の方々を笑顔で支えられるようなMiss  SAKEを目指したいです。

愛葉代表は、「縁」「時間」を大変大切にされているように見受けられました。

ナデシコプログラムでご講義をしてくださる講師や事務局の方々は、愛葉代表が「Miss SAKEはこんな団体にしたいんだ」というイメージ、想いを伝えていたら共感して集った方々だそうです。

また、愛葉代表は「時間=命」とおっしゃいます。こうしてファイナリストが日本中から東京に集まり2日間講義を受ける素晴らしい空間を、時間を無駄にしないようにと、ファイナリストたちの前でお話されるたびにおっしゃっている覚えがございました。

ふと見せてくださったスマートフォンの画面には、毎秒減り続ける小さな数字と、大きく9から始まる4桁の数字が。それは、愛葉代表が設定した残りの寿命からカウントダウンしている数字でした。

毎晩この数字を確認してから眠りにつくそうです。人間というのは不思議な生き物で、こうして具体的に数字を提示されただけでなんだか「死」をリアルに近くに感じました。毎日、生活する上での意識が変わってきそうです。

いま私がこうしてレポートを書いている間も自分の残り寿命は減り続けます。決して増えることはありえないのです。

私は自分の人生観のひとつとして、「よりたくさん経験値を上げてから死にたい」というものがあります。これはMiss SAKEに挑戦した理由の一つでもあります。

日本の女性の平均寿命86歳の誕生日に死ぬという設定にすると、この私に残された人生は、22758日です。短いと感じましたか?長いと感じましたか?

この22758日の間に私は何ができるのか。今日何をするのか。経験値をあげられるのか。日々を丁寧に生きたいなと思えました。

合同会社セレンディピティ代表 黒田正雄様による「サブカルチャーとクラシック音楽」

午後の最初は合同会社セレンディピティ代表 黒田正雄様による「サブカルチャーとクラシック音楽」についてのご講義でした。

ナデシコプログラムは事前にその内容タイトルが事務局から送られてくるのですが、この内容も私はクラシック音楽という文字に大喜びしておりました。

毎回講師の先生方の経歴やSNSを事前に調べてから講義に臨んでいるのですが、黒田様は元オペラ歌手とのことで、先日の小川里美様のご講義に続き、私はなんと幸せ者かとうきうきでした。

合同会社セレンディピティとは、音源制作、楽曲制作、ミュージシャン、音楽家派遣 及び マネージメント、レコーディング業務、ゲーム音楽コーラス隊、プロ向けボーカルトレーニングなどを主にお仕事にしていらっしゃる会社です。

オペラ歌手として生活していた中、東日本大震災により演奏会、舞台の自粛モードで仕事が無くなった黒田様。「個人事業主はこうやって何かあった時困るぞ」と思い立ち、会社設立に至られたそうです。すごいパワー!

私自身、昨年コロナにより出演予定の演奏会や舞台が全て中止になっていたので、決して私は音楽だけで食べている身分なわけではないけれども、音楽家という個人事業主の脆さは痛感いたしました。

さて、サブカルチャーについてです。合同会社セレンディピティでは、ゲーム音楽のコーラスや楽曲制作、またオーケストラコンサート通称オケコンなどの業務を行っておられます。

サブカルチャーとは、元々大衆文化を指し、クラシック音楽や詩歌、美術作品を主流文化「カルチャー」とした時のサブ的な立ち位置でした。

現在はクラシック音楽、詩歌、美術作品たちは「ハイカルチャー」と呼ばれ、流行り物を「メインカルチャー」、そしてその隣に広い意味での「サブカルチャー」があるそうです。

文化に壁なんてないと私は日ごろから思っていて。ゲーテの書いた詩にモーツァルトがつけた歌を歌うし、美術館だって大好きですが、

私は映画もポピュラー音楽もゲームも大好きです(FFもやります!)。

文化にランクづけなんておかしいよ〜!と思ってしまいました。クラシックも「ハイ」とか言ってるから需要が減ってくんじゃん、とモヤモヤ。

2018年、セレンディピティは「Barzz〜鳥の吟遊詩人たち〜」というプロフェッショナルが集う日本初のサブカルコーラス隊を発足。

画期的で素晴らしいことです。何かのコーラス収録、オケコンはその都度メンバーが収集されるイメージがございましたので。

そういうアニメやドラマ、映画関連演奏会には何度か出ましたが、いつも楽譜の到着が遅く仕上がりがギリギリで、、。オーケストラも同じだと思いますが。

全てそうしてプロフェッショナル組織化されればクオリティも上がってどんどんクラシックもサブカルも広がっていくのではないかと感じました。

オケコン、私も大好きで。

特に映画の映像付きコンサートはたまらないです。
大好きなスターウォーズのオープニングを、生音で聴きながらあのあらすじを読んでいる時は幸せでした。どうにかエピソードⅠ「ファントム・メナス」の合唱に参加するのがひとつ夢です。

ドラマ、映画で人気の「相棒」のオケコンのコーラスに参加したことがあるのですが、指揮者の目の前にモニターがついていて、映像に合わせて拍子をピコピコ刻んでおりました。私はそれに気づいた時、「指揮者は音楽の現場において1番偉いのに、その役割としての芸術が全て奪われている」様に感じたのを覚えています。

正統な(あ、この言い方するから文化の差別してるとかなるんだ)クラシック芸術と、サブカルの折り合いをどこでつけるのか。

集客やグッズ販売など含めても、日本ではクラシックコンサートよりサブカルオケコンの方が収入がある様に思えます。サブカルチャーがメインカルチャーとなりつつある現在、その流れにいち早く勘付き、お仕事に繋いだ黒田様が、クラシック界で生き残っていくのだろうなと思いました。

しかし黒田様はおっしゃいました。

「良いものは残る」と。

その言葉からはクラシック音楽への愛と信頼が感じられ、納得いたしました。

また、「オペラ歌手はなんでも出来るよ」と私の背中を押す言葉をくださいました。「自分の魅せ方を知っているから」と。

勇気が出ました。私は自分で「歌しか歌えないやつ」だと卑下している節がございますので。

Miss SAKEの活動でも演奏活動で習得した自分の魅せ方をしっかり生かしていこうと思います。

未生流笹岡家 家元笹岡隆甫様「いけばな〜2021年 それ以降に向けて〜」

この日の最後は未生流笹岡家 家元笹岡隆甫様による「いけばな〜2021年 それ以降に向けて〜」のご講義でした。

なんなのでしょう、笹岡様は容姿もなることながら、その纏われている空気感なのか、所作の一つ一つなのか、歩き方でさえその「華道家元」の品格を感じさせられる出立ちでいらっしゃいました。

いけばなと一言で言っても、表記は「生花」「活花」「挿花」「五景花」などとたくさん存在し、たくさんの流派が存在いたします。

未生流は、

あるがままの自然がただ尊いのではなく、人の手を介することで更なる本質的な美を表現することこそいけばなの本義であるという「虚実等分」を称え、また、幾何学的理論に基づいた花形の中に東洋哲学を融合させることで、それまでのいけばな理論を体系づけました。(未生流ホームページより)

私はいけばなのことはわかりよく知らず、なんらかのセンス的なものを師匠の作品や背中を見て学んでいく感性的なものだと思っていたのですが、幾何学的理論というベースに理論がしっかりあって驚かされました。

理数系的分野がことごとく苦手な私は1:1:√2などと言われてもさっぱりでしたが、白銀比という言葉を聞いてピンときました。私の偏見かもしれませんが黄金比とまた違うなんだか奥ゆかしいイメージのある比率です。その数学的美意識に従い作品を生ける。

そしてまた、くずしも美である。西洋のシンメトリーな芸術、壁画や天井画と違い、日本の美は時の移ろいを愛でるものだと教えていただきました。床の間という舞台を季節ごとに掛け軸や花を変えたりと、いけばなは花が蕾から咲き散るまで、建築空間を装飾するものなのです。

それは「不完全への愛」であり、デザイン性のコアが自然にあるからである。文化の奥にあるもの自体がSDGsの思想に沿っている。その趣には、なんだか日本人の感性の懐の深さが伺えました。

花を生ける際は命をいただくことに感謝し、また水に挿し命を与えることで天地創造以前に想いを馳せる。

枯れた花にはその美しさや自然、感謝を込め半紙に包んで日本酒で清める。

なんと美しい文化なのでしょう。日本に生まれたことに誇りを感じます。

また私は「いけばなの色」についてのお話に大変興味を持ちました。木火金土水を五行の色と呼び、青、赤、黄、白、黒の順番で色のランク付けがあり、それを意識するそうです。そして五行の色の上に紫は月と日の色。高貴な色として存在します。

現在私は舞台のために剣術、殺陣を習っているのですが、その基本に五行の構えというものがあります。関係ないかもしれないしどの構えが木?火?という感じですが、何か共通するものがあるのかもしれないと感じました。

お墓に供えるものには、お水、食べ物、火、そしてそこに花があります。あの世で故人に喜んでいただけるものは、生活必需品にプラスして花なのです。

笹岡様がおっしゃるには、「美とは心の支えになるもの」
生活に必要なものだけでは決して生活は成り立ちません。そこに心を生かす美しい「花」があることで、私たちは本質的にその花に生かされているのだと思いました。

私が奏でる音楽も、そのような存在になったら良いなと強く願いました。

一般社団法人ミス日本酒 愛葉代表理事様、合同会社セレンディピティ代表 黒田正雄様、未生流笹岡家 家元笹岡隆甫様。

誠にありがとうございました。

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