Miss SAKE News/Blog

2022 Miss SAKE 山口 鈴木結夢 第19回ナデシコプログラムレポート

皆様こんにちは。
2022 Miss SAKE 山口 鈴木結夢です。

6月25,26日がいよいよ最後のナデシコプログラムとなりました。

沢山の人々との出会い、そして想像をはるかに超える学びの数々に感謝の気持ちでいっぱいです。第19回が、とうとう終わり、寂しい気持ちが胸を締め付けますが、今回の学びもここに感謝の意を込めてご報告させていただきます。

【講義内容】

①お酒と器 美味しく呑むには 九谷焼鏑木商舗 八代当主 鏑木基由様

②最終選考会プレリハーサル 愛葉宣明様、大西代表理事、中村事務局長、2021 Miss SAKE グランプリ 松崎未侑さん

③鍋&SAKE  東京シャモの飛鳥鍋

お酒と器 美味しく呑むには

九谷焼鏑木商舗 八代当主 鏑木基由様〜

創業300年を見据えて、夢を描く。

本日、ご講義を賜りました九谷焼鏑木商舗様は1822年から歴史を紡ぎ、2022年の今年ちょうど創業200周年を迎えられました。

八代当主 鏑木基由様は、その200周年にとどまらず、自らの命より永い、遠い未来「創業300年」を思い描きながら九谷焼の継承に尽力されています。

本日は、九谷焼について、伝統工芸品の価値、酒器による味わいの違い、人生における考え方や捉え方など、多岐にわたるお話を賜りました。

鏑木商舗様の九谷焼は、国内での展覧会だけでなく海外の万国博覧会にも出品され、数多くの受賞、そしてその技術の高さに「鏑木の九谷は一級品」と名声も獲得されています。

⚫︎九谷焼について

 九谷焼とは、石川県南部で生産される色絵の磁器です。九谷五彩という色鮮やかな上絵付けを特徴としています。焼き物には、陶器と磁器があり、陶器は土で作られ、益子焼や萩焼が有名です。磁器は石を原料として作られ、日本で1番古い有田焼や2番目と言われる九谷焼もそのひとつです。

 私の中の九谷焼は、金色を使った古風な和柄のイメージが強かったのですが、今回ご用意くださった酒盃は、和のテイストでありながら、丸みのある花柄が描かれており、その色使いは柔らかく現代の女性心をくすぐるものでした。鏑木様は、「伝統を革新させながら守る」とおっしゃっていましたが、目まぐるしく変化する時代で、その時代の求められるものに合っているか、敏感に察知しながら作品作りをされていることがこの酒盃を通して感じとれました。

 伝統とは、古くからのしきたりなどを受け伝えることを言いますが、その精神は、先代から受け継いだ軸を守りながらも時代に合わせてしなやかに変化すること、そして、きっと今まで続いてきた日本文化は、そんなしなやかさをもっていたからこそいくつもの時代を乗り越えてきたのだと感じます。鏑木様のお話を聞き、伝統を守るとは、昔のやり方をそのまま引き継ぐということではなく、未来を見据え、挑戦しなければ守れないものだということを強く実感いたしました。

⚫︎酒器による味わいの違い

 次に酒器による味わいの変化について教えていただきました。お猪口、酒盃、鏑木ワイングラスを用意し、お猪口から順に飲んでいきます。

すると、お猪口は口が小さいため香りが淡く感じられましたが、ワイングラスになるとグラスいっぱいに香りが充満し、繊細な香りまで強く感じ取ることができました。

そして、次に味わいは、お猪口だと香りを感じにくい分、最初に舌の上に乗る味がよりキリっと濃く強く感じられました。次に酒盃でいただくと、キリっとした部分もありますが、お猪口より柔らかく、穏やかに感じられました。そして、ワイングラスでは、同じお酒とは思えないくらい舌にあたる飲み口が優しくまろやかでした。

鼻がワイングラスに入るため、嗅覚と味覚の両方を同時に感じとれます。そのため、味わいをより重層的に捉えることができました。酒器によってこんなにも変化があるのかと大変驚きました。

 

ワインには、タイプによってワイングラスを変えるという文化が30年以上根付いています。

最近のブルゴーニュは昔と比較し、味がまろやかになっているそうですが、それに合わせてグラスの形も変化しているほど酒器を大切にした文化があります。

そのコンセプトを持つ代表ブランドの一つが「シュピゲラウ」です。
「シュピゲラウ」は、南ドイツにおいて、約500年の歴史を持つ世界的なガラスウェアメーカーであり、五つ星レストランでプロたちに愛用されるほどです。

鏑木ワイングラスは、そんな味わいにこだわり抜いて作られた「シュピゲラウ」のグラスと、伝統の卓越した技術で描かれた九谷焼をコラボレーションした和と洋の「美」を集結させたグラスです。

 鏑木様は、「徹底的にやるのがいいんだよ」と柔らかい笑顔でおっしゃっていましたが、美味しさを求めるためのこだわり抜かれたこの鏑木ワイングラスはその決意が込められた芸術品なのだと感じとれました。

 また、この鏑木ワイングラスはBRANDALISED(バンクシーのアート写真を手掛けるイギリスのFull Colour Black社によるグラフィティアートプロジェクト)とも数量限定でコラボレーションしており、アートの可能性にも圧倒されました。

⚫︎伝統工芸品の価値

 私は今までの人生で「モノ」に対し強いこだわりがなく、「モノの価値」について深く考えたことがありませんでした。

しかし、3ヶ月間のナデシコプログラムを通し、伝統文化を創造する方々に出逢い、その奥に宿る思いを知り、伝統工芸品の価値、その価値をどう守っていくかを日々考えるようになりました。

 今回も、「モノにはモノの値段がある」と鏑木さんが教えてくださったことで、それはどういう意味を持つのか自分なりに解釈してみました。現代では、たくさんの模倣品が出回ったり、コスパだけを重視する「モノ」が増えてきています。そういったモノと伝統工芸品の価値の違いは、なにか?

ある職人さんの記事を読んだ際に、「新しい体験、さらには文化を生み出せるかどうか、それが工芸品の価値」と書いてありました。思い返してみると、丁寧に作られた「モノ」を使う時、必ずその「モノ」に思いを馳せ、それを買った時のワクワク感、作られた情景を感じながら使用します。

私は、これが消費者にとって新しい体験であり、その消費者の文化を生み出しているということだと理解し、その時間こそに価値があるのだと感じました。

 値段は、価値を表しやすく、そして消費者にとってもわかりやすい指標です。しかし、価値とは、単なる「モノ」そのものだけではなく、そのモノが買った人にどんな時間や影響を与え、幸せを感じさせるか、その部分が重要であり、そもそも値段では表現しきれないものなのだと理解しました。

日本酒を醸す方々のお話や、今回の鏑木様のお話を聞き、伝統工芸品の価値とは、「モノ」を通してそんな幸せな時間の提供をしてくれるものなのだと思いました。

 また、鏑木様は、「昔は、伝統工芸品を作る人と使う人の接点がなかったが、今は簡単に繋がれる時代になった」ともおっしゃっていました。私は、これは、伝統工芸品の価値を守るとても良い流れなのではないかと思います。私も、実際に作り手のストーリーを知ることで伝統工芸品や日本酒の魅力や価値に改めて気づくことができました。SNSやインターネットが普及している今、より多くの人々にその魅力を知っていただき、日本全体として価値を守っていきたいと強く思いました。

⚫︎人生における考え方

 日本人は、引き算が得意。日本人は、マイナス思考が多いと言われがちですが、鏑木様は、その理由は教育にあるのではないか?とおっしゃいます。

点数の付け方も日本は減点方式が多いですが、海外は加点方式であることも、これに由来すると言います。

鏑木様は、プラス思考に関するセミナーを開催したことがあるほど、常に前向きに物事を捉えています。創業300年を考えて構想されているのもプラス思考であるからこそですが、目の前のことだけに目を向ければ後ろ向きな課題ばかり出てきます。

 私自身、基本的にプラス思考なのですが、とてもマイナス思考になる時があります。

今、ふとどんな時にマイナス思考になりやすいのかと考えてみると、それは自分を守りたい時ではないか?と思います。できない時の理由を探すためにマイナス思考になっています。

物事を客観的に捉え、両方の面を見ることは、とても大切ですが、心の持ち様は、思考の巡りを良くしてくれます。自分が変わりたいと思うなら、良い面を少し多く探す、ワクワクする方を選んでみる、そんなことを繰り返していくことで、より幸せを感じられる人生になるのではないかと感じました。

 鏑木様は、20歳の時に突然八代当主になったにもかかわらず、世界で認められる鏑 九谷焼を確立してまいりました。

45歳で鏑木ワイングラスを考案され、そこから多くの出会いがあったとおっしゃいますが、きっとその出会いは、鏑木様の根底にある常にプラス思考、お人柄によって生まれた必然的なもののように思いました。

前向きな方といると、たとえ会話がなくても私自身も前向きになるような気がします。鏑木様のご講義後、自然と笑顔になれるそんなパワーをいただきました。同時に私も、周りの人々をそんな気持ちにできる人でありたいと強く思いました。

九谷焼鏑木商舗 八代当主 鏑木基由様、本日はご多忙の中ご講義を誠にありがとうございました。

最終選考会プレリハーサル

 いよいよ、来週の最終選考会に向けて、はじめてのリハーサルを行いました。気づけば、あっという間に3ヶ月という月日が流れ、今こうして練習を迎えられています。

 自分は、Miss SAKEを通して何がしたいんだろう?Miss SAKEに求められるものはなんだろう?私はMiss SAKEに向いているのだろうか?Miss SAKEを通して伝えたいものは何か?

 最初のナデシコプログラムのご講義で、中村事務局長や2022 Miss SAKE JAPAN 松崎未侑さんが「自分らしさ」「Miss SAKE とは」という講義をしてくださってから、自問自答の日々でした。毎日が自分との葛藤でしたが、この3ヶ月間のナデシコプログラムを通して、その葛藤する内容も変化したように思います。

 また、スピーチの練習をしながら、たくさんのことを思い出しました。
第一選考では、緊張しながらも、日本酒が大好きであること、日本酒のおかげで多くの人に出逢わせていただいたことを伝えたいという思いだけでした。

お披露目会では、上手く話すことばかり考えて悔しさだらけであったこと、しかし、同時に、初めて見る私たちを支えてくださっている方々の多さに驚き、絶対に私たちがファイナリストであったことを後悔させたくないと決意を強く持ったこと…

現在の私は、2022 Miss SAKE ファイナリストであることを大変誇りに思います。

これは、ナデシコプログラムを通し、沢山の講師の方々に、日本酒の知識から日本文化の精神、私にとって未知だった世界を広げていただいたおかげです。

私は、ただの「鈴木結夢」ではなく、多くの人々に支えられて沢山の学びを得た「2022 Miss SAKE 山口 鈴木結夢」であることを心から認識できるからです。

そんな想いを込めた、スピーチ。一

言一句に意味を込めて作った文章。多くの人にこの気持ちが伝わりますように、ナデシコプログラムでのこれまでの学びをさらに自分なりに深め、練習を積み重ねて参りたいと思います。

鍋&SAKE 〜飛鳥鍋〜

本日の夕食は、鍋&SAKEのレシピ「飛鳥鍋」をいただきました。

飛鳥鍋とは、奈良県のご当地鍋で、昔牛乳がまだ庶民に伝わっていない頃、貴族の方達が牛乳と味噌を入れて食べたのが由来だそうです。日本酒発祥の地と言われる奈良県のお鍋で、東京シャモを使っていただきました。

ポイントは、最後にバターを入れること!

牛乳とバターの濃厚な味わいがとても美味しかったです。日本酒発祥の地である奈良県のお鍋が、みんなでいただく最後のお鍋だと思うと、とても感慨深かったです。きっとこの思い出と共に残る、この飛鳥鍋の味は一生忘れないだろうと思います。

鍋&SAKEのレシピはこちらから
https://www.japansake.or.jp/sake/nabecp/recipe.html#asukanabe

 そして、今回ナデシコプログラム最終回には、代表県の日本酒とお土産を持参しました。

 最後の日本酒紹介に選ばせていただいたのは、澄川酒造場様の「東洋美人 プリンセス・ミチコ」です。

 プリンセス・ミチコとは、上皇后様が皇太子妃時代にイギリスから献呈された特別なバラであり、東京農業大学が試験醸造を重ねて抽出した事に成功した特別な酵母です。

 可憐な香りと口の中に広がる上品な甘味は、まさに凛としたプリンセスを表しているようです。

 あるファイナリストが「聖母みたい!」と表現してくれたのですが、本当にその言葉がしっくりくるお味でした。

最終選考会、ファイナリスト全員がプリンセスのように光り輝けますようにとの思いを込めて…

 お土産には、山口県名物「御堀堂の外郎」をお持ちいたしました。外郎といえば、名古屋を思い浮かべる方が多いでしょうか?

 実は、山口県も外郎が有名であり、名古屋の外郎とはまた一味違うのです。

 名古屋の外郎は、米粉から作られるのに対し、山口県の外郎はわらび粉が含まれていて、わらび餅のようなもちもちプリプリ食感が特徴です。初めて食べた方も多かったようで、とても喜んでいただけて嬉しかったです。

 これからも山口県の日本酒と食の魅力を、多く発信していきたいとさらに思わせてくれました。

 本日も、大変学びの多い時間をいただきまして、感謝の気持ちでいっぱいです。誠にありがとうございました。この気持ちを胸に、全力で前を向いて歩いていきたいと思います。

 私達が毎週持参した地酒をゲストハウス酒坊様のはからいでとっておいてくださいました。ただいまと言いたくなってしまうような温かい空間で。私達を見守ってくださる酒坊のスタッフ様には感謝の念が耐えません。

この場をお借りして、熱く御礼申し上げます。

2022 Miss SAKE 山口 鈴木結夢

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文化を紡ぐ〜禅・いけばな・日本ワインを通して〜 / 2022 Miss SAKE 東京 川上千晶

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