皆様こんにちは。
2022 Miss SAKE 茨城 渡辺瑠奈です。
2022年5月7日 土曜日に行われました、第9回ナデシコプログラムに参加いたしましたため、ご報告させていただきます。
■講座内容
- 和紙梳き体験/日本橋伝統工芸品見学: 小津和紙 髙木清様
- 江戸切子作成体験: 江戸切子の店華硝(日本橋店) 取締役 熊倉千砂都様
【紙が紡ぐ、1300年の伝統に触れる】
東京都日本橋に位置する、承応二年(1653年)創業の和紙の専門店小津和紙様では、全国の手漉き和紙などを販売する店舗、書道、絵画、ちぎり絵などさまざまな展覧会が開催される小津ギャラリー、和紙の文化や小津和紙様の歴史を学ぶことのできる小津史料館や小津和紙照覧を見学させていただきました。
また、手漉き和紙体験工房では、手漉き和紙の製作体験をさせていただきました。
飛鳥時代から現代に至るまで、木簡・竹簡に代わり、長年日本で用いられてきた唯一のメディアである「紙」。
大学で図書館情報学を専攻している私にとって、「作りたての和紙に触れる」ということはとても勉強になりました。
後世に残していきたいものを効率的・効果的に残せる手段として受け継がれてきた和紙は、遣隋使・遣唐使を通じて、古代中国から伝来したと言われております。
和紙の原料の代表例には、楮(こうぞ)が挙げられ、紙の原料として使いやすいこと、出来上がった和紙が強く美しいことから、「和紙の代名詞」とも呼ばれているそうです。
なお、和紙の製造は、以下の流れに沿って行われております。
和紙(楮を用いた場合:楮紙)の造られ方
- 皮をむきやすくするために楮を蒸す
- はぎ取った楮の皮に包丁をあて、黒い皮の部分を削る
- 楮の皮を干したのち、乾燥させる
- 川に晒す皮を流水につけ、天然漂白する
- 石灰水、木灰水などで原料を煮て、楮の皮をやわらかくする
- 煮た皮を流水につけ、塵を丹念に取り除く
- 皮の繊維を棒で叩き、繊維をほぐす
- 漉き舟の中に叩解した繊維、水、ネリをいれ、かき回して紙料をつくる
- 漉いた紙を積み重ねたものを紙床といい、紙床に積まれた紙の水分をゆっくり絞る
- 紙をはがし、張り板にはって、野外で自然に乾かす
この過程を経て得られる和紙は、100kgの楮の原木からわずか4kgほど。
現在では、紙の製造と聞くと、製紙原料である「パルプ」を用いて、機械で大量生産されるイメージが根強いですが、和紙の生産には、職人さんの手間ひまが掛けられて丹念に造られているということを学ぶことができました。
実際に手漉き和紙の製作に初挑戦!
手作業で和紙を作ることの実際を学ぶとともに、世界に一つだけのオリジナルの和紙を作ることができました。
(なかなか難しかったですが、楽しかったです!)
なお、私の代表県である茨城県にも、楮のみを原料とする西ノ内紙(にしのうちし)という和紙が生産されております。
茨城県の無形文化財にも指定されており、明治期には選挙用紙にも指定されていたとのことで、「紙」というメディアの歴史・文化について、新しい知見が得られました。
【伝統技術に現代のデザインを組み合わせて】
小津和紙様のお隣に店を構えられている、江戸切子の店華硝日本橋店様を訪れ、江戸切子の体験を行ってまいりました。
江戸切子とは、その名の通り、江戸時代、東京日本橋において、加賀屋久兵衛が創始したといわれる日本の伝統工芸でございます。
江戸切子は、ガラスにグラインダーという道具を使ってカットする職人技によって生まれるのですが、「カットから磨いて光らせる」段階までが手作業とのことだから驚きました。
江戸切子は、受け継がれた伝統技に現代の技術が加えられることで、透明度の高い輝きが得られるとのこと。そして、江戸切子は、江戸の文化を表現した文様が特徴で、江戸文化を表現した数々の紋様と、現代の感性・発想を活かしたデザインが目をひきます。
文様にはそれぞれ意味があり、例えば、桐の文様であれは、「高貴や敬意」を示すため、贈り物としても喜ばれるそうです。デザインの意味を学ぶ楽しさも味わうことができました。
江戸切子の作成に私も初挑戦!
グラインダーで色のついた表面のガラスを削ると、柄の部分が現れ、無色透明のガラスが輝きます。線の長さや太さで印象がガラリと変わるため、江戸切子の繊細さを感じました!
【歴史にふれ、現代を生きる】
今回のナデシコプログラムでは、和紙や江戸切子などの伝統的な日本文化に触れることで、後世に受け継がれてきた日本の歴史や文化について学ぶことができました。
これからも日本人として、日本の文化や歴史に触れ、これまでに受け継がれてきたもの、これからも伝えていきたいものを大事にしていきたいと思います。
2022 Miss SAKE 茨城 渡辺瑠奈