皆様こんにちは。
2023 Miss SAKE 静岡 古橋花菜です。
静岡県酒造組合様には、県内の27蔵が参加されております。
今回はその中の下記6つの酒蔵に、ご訪問の機会を賜りました。
- 神沢川酒造場様
- 大村屋酒造場様
- 森本酒造様
- 花の舞酒造様
- 土井酒造場様
- 浜松酒造様
ご訪問させていただいた酒蔵を、ご紹介いたします。
神沢川酒造場様
代表取締役社長の望月様は、静岡県酒造組合の会長も務めておられます。
神沢川酒造場様は、江戸時代の絵師・歌川広重による浮世絵にも描かれた東海道五十三次の16番目の宿場町・由比にあります。自然豊かで心が安らぐような土地で「正雪」は醸されております。風情のある街並みにそびえ立つ、神沢川酒造場様の煙突はこの街のシンボルともされているそうです。
お写真の椅子やテーブルは、実際に使用されていた樽を使って作られているのだそうです。
「正雪」は、海外でも親しまれております。
望月様には、海外でのご経験をたくさんお聞かせいただきました。
どのお話も興味深く、聞き入ってしまいました。その中でも驚いたことに、私がニューヨーク留学中にインターンとして働いていたJapan Societyでのお酒のイベントに、前年までご出演されていたそうです。時を経て、地元静岡でこのような話題で盛り上がることができるとは、思いがけないご縁に驚くと共に大変うれしく思いました。
大村屋酒造場様
創業1832年の大村屋酒造場様は、島田唯一の老舗酒造会社様です。「若竹 鬼ころし」や「おんな泣かせ」で知られております。
【お米へのこだわり】
自社精米を採用されております。お米が割れてしまうと味に影響が出てしまうため、委託精米ではなく自社でじっくりと精米されています。
【味へのこだわり】
飲みやすさを重視されているのだそうです。香りは抑えめで、口に含んだ時のふくらみを感じることができる味を意識して醸されているとのことでした。
【お食事とのペアリング】
辛口の「若竹 鬼ころし」であれば、濃いめのお料理を、「おんな泣かせ」であれば淡白な味のお刺身や高級感のある薄味のお料理に合わせると良いそうです。
現在、私は島田市在住のため大村屋酒造場様は最も身近な酒蔵です。
私の周りの島田市民も皆お店に行くと、必ずと言っていいほど大村屋酒造場様のお酒を注文します。それだけ愛されてるお酒を醸していらっしゃる松永社長にご挨拶させていただき、心よりうれしく思います。
森本酒造様
創業明治20年の森本酒造様は、静岡県菊川市唯一の酒蔵です。菊川は、茶どころでもあります。
森本社長は、中学生の頃からお酒造りに携わっているそうで、大変驚きました。
能登杜氏が泊まり込みで森本酒造様に来ている頃もありましたが、現在は自醸蔵となっております。社員を雇わず森本社長ご自身が杜氏となり、酒造りに励んでいらっしゃいました。現在は、息子様も蔵に入られております。
菊川市の区画整理の為、平成18年に蔵を新築されました。森本酒造様のお酒「小夜衣」は南アルプスの伏流水で、新築の際は井戸が使えなくなってしまう心配があったそうです。
「道一本変わるだけで、味が違うんだよ。」とおっしゃいます。結果的には、建物は移動したものの井戸はそのまま使えることになったそうです。
平成25年には、名古屋国税局酒類鑑評会純米の部において、前代未聞の古酒で優等賞を受賞されております。
ご訪問の際、蔵にある長期熟成酒の「小夜衣 古酒浪漫 2003」をいただきました。なんと20年前のお酒です!
琥珀色が美しく、瓶を開けた瞬間に漂う香りが豊かで大変美味しくいただきました。
飾り気がなく愛嬌たっぷりのお人柄が、「小夜衣」に表されているのではないかと感じます。楽しいお話をたくさん聞かせていただきありがとうございました。
花の舞酒造様
名誉杜氏の土田様が蔵をご案内してくださいました。
まず初めに風情のあるお座敷にて、地下水の仕込み水をいただきました。軟水で地下100mから汲み上げたお水だそうです。お座敷から見える庭園は、山をイメージした岩と、天竜川・遠州灘をイメージした白い砂等素敵な景色を眺めながらお話させていただきました。
その後は、もろみ搾り体験・テイスティング体験をさせていただきました。
【日本酒のもろみ搾り体験】
蔵人になった気分でもろみ搾りを体験させていただきました。搾る前の状態は、「どぶろく」です。自分で搾った生原酒は、瓶に詰めて持ち帰らせていただきました。自宅にて数日に分けていただくことで味の変化も楽しむことができました。
【テイスティング体験】
下記の4種のお酒のテイスティングと、おつまみとのペアリングを体験させていただきました。
- 「生原酒 Abysse jeune」
- 「純米 生原酒 豊」
- 「純米吟醸 生原酒 醇」
- 「純米吟醸 生原酒 艶」
ソムリエの海野様にもご挨拶をさせていただきました。
体験ツアーは一般の方も、ご予約いただけます。
花の舞酒造様のWebサイトから、是非チェックしてみてください!
(https://hananomai.co.jp/experience-tour/)
花の舞酒造様は、お米に特にこだわっておられます。
静岡県産米を100%使用したお酒造りをされているのです。自社精米もしているということで精米機を見せていただきました。
杜氏の鎌江様にもご挨拶をさせていただきました。
幸いなことに、手作業蔵で麹の手入れを拝見いたしました。温度管理や湿度管理も徹底されているそうです。初めて見させていただいた手入れ作業には圧倒されました。
テイスティング体験でもいただいた、白ワイン酵母を使用した日本酒「Abysse jeune(アビスジュンヌ)」を帰り際にいただきました。フレンチやイタリアンのような洋食にも合い、アルコール度数は12%と比較的低いため、日本酒を普段飲まれないような方でも挑戦しやすいのではないでしょうか。
土田名誉杜氏、高田会長、企画開発部の東様・小林様、動画撮影をしていただいた島様、お忙しい中貴重な体験をさせていただき誠にありがとうございました。
土井酒造場様
「開運」で有名な土井酒造場様は、150年の歴史を持っており日本国内だけでなく海外のメディア等でも高く評価されております。
ご訪問させていただき一番印象に残ったことは、蔵人の方たちが大変親切で、家族のように仲が良い所です。蔵の中をご案内していただいた土井弥一様・彩子様も非常に素敵なご夫婦で、このような方たちが醸しているお酒だからこそ世界中から評価されているのだと感じました。
先代杜氏である波瀬正吉氏は、能登杜氏四天王と称されるほど名高い実力者です。現在は、お酒造りに大変熱心な榛葉農(みのり)様が杜氏を受け継がれております。
土井酒造場様は、自社精米にこだわっていらっしゃいます。9月から4月の間は24時間稼働しているそうです。
洗米機は、土井酒造場様と酒造機器メーカーが共同開発されたものを使用されており、世界に2台しかないそうです。もう一台は、静岡県焼津市にあります、磯自慢酒造様にあるそうです。
上槽には、①ヤブタ②槽③斗瓶取り(とびんどり)の3つの方法が用いられているという点も非常に興味深いと思いました。斗瓶取りは、鑑評会に出品するお酒を作る際に採用されているそうで、自重で落ちてくる雫を集める方法です。機会があれば、是非見てみたいと思いました。
また、10年以上前から太陽光発電パネルの敷設をされたり、大型の浄化槽設備を設置されたりと持続可能性を高める取り組みをされております。
新しく建てられたばかりの冷蔵倉庫の中も、見せていただきました。
そこには国産の新品の樽がびっしりと並んでおりました。伝統だけでなく新たな挑戦にも積極的な土井酒造場様の、今後さらなるご活躍をお祈り申し上げます。
浜松酒造様
浜松市出身の私の地元に最も近い酒蔵の浜松酒造様。
「出世城」という縁起の良いお酒の名前は、浜松城の別名にあやかって付けられたそうです。浜松駅に近い町の中心街にあり、3階建ての縦動線でお酒を醸していらっしゃる酒蔵です。
日頃から酒蔵の前を通る度に蔵の中がどのようになっているのか気になっており、今回顧問の宮林様が見学を受け入れてくださり大変うれしく思いました。
静岡の名水、天竜川の伏流水を地下100メートルから汲み上げた酒造りに理想的な軟水を使用しておられます。発酵が緩やかで、酒質が丸く甘くなりやすいという特徴があるのだそうです。
杜氏の和久田様に蔵の中をご案内いただきお話させていただく中で、お酒造りが心から好きで杜氏になられたことや、使われている道具や設備などへの愛着等が伝わってまいりました。
分析室では、アルコールの分析に使う浮ひょう等の器具を見させていただきました。今まで酵母を実際に見たことがありませんでしたが、今回初めて酵母の塊を見せていただきました。
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2023」にて金賞を受賞された「吟醸 出世城 葵御紋」を試飲させていただきました。辛口・爽やかな味わいのこちらのお酒は、通年販売されております。通年売られている浜松酒造様のお酒が評価されたというのは、浜松出身の身としても大変誇らしいことであると思います。
日本一酒が消費される祭り
花の舞酒造様、浜松酒造様につきましては、「日本一酒が消費される祭り」とも言われている浜松まつりに関するYoutube動画でもご紹介させていただいております。是非、そちらもご覧ください。
神沢川酒造場様、大村屋酒造場様、森本酒造様、花の舞酒造株式会社様、土井酒造場様、浜松酒造様、ご多忙中貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
静岡県にはまだまだたくさんの酒蔵があります。今後訪問させていただく予定の酒蔵もございますので、ご報告を楽しみにしていただければ幸いです。
今後とも、よろしくお願いいたします。
2023 Miss SAKE 静岡 古橋花菜
Instagram:
https://instagram.com/misssake__kana
静岡県酒造組合様への表敬訪問の様子: