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~宮城と日本酒の未来を拓く 水産業の革新と伝統文化の融合~ 第16回 ナデシコプログラムレポート 2024 Miss SAKE 沖縄 新垣佳菜江

宮城と日本酒の未来を拓く 水産業の革新と伝統文化の融合

 

皆様、はいたい!(こんにちは)

2024 Miss SAKE 沖縄の新垣佳菜江です。

今回は、5月19日の第16回ナデシコプログラムについてご報告させていただきます。

 

講義内容は、以下の通りです。

 研修内容の概要:

・「ほやについて」-株式会社あつみ屋 代表 ほや漁師、フィッシャーマンジャパン理事 渥美貴幸様

・「ほやの捌き方」-株式会社飛梅 副社長 佐々木國善様

・「銀鮭養殖とフィッシャーマンジャパンについて」-一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン 理事、株式会社マルキン 常務取締役 鈴木真悟様

・「三陸から日本の水産業を新3K産業に~日本酒輸出との関わり~」-株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング 海外事業部 プロジェクトマネージャー、東北・食文化輸出推進事業協同組合 営業責任者 吉岡泰貴様

「日高見 平孝酒造 平井社長による日本酒講義」-平孝酒造 平井社長

ほやについて

あつみ屋代表でありほや漁師、フィッシャーマンジャパン理事である渥美様による「ほやに関する講義」を受講しました。この講義では、ほやの生態、漁業の現状、そしてその栄養価について詳しく学ぶことができました。

ほやの生態と温暖化の影響

まず、ほやは貝ではなく、脊索動物であるという事実に驚かされました。一般的に流通されているほやは、4年から5年の歳月がかかります。近年の高水温により、ほやの成長が遅れているという現実も紹介されました。温暖化が漁師や海の生き物たちに直接的に影響を与える事を知りました。

ほやの流通と市場開拓

2011年の原発事故以前は、ほやの約8割が韓国に輸出されていました。しかし、事故後は輸出がストップし、国内流通の開拓が求められました。この挑戦を通じて、国内市場におけるほやの需要を高める努力がなされてきました。現在もたことを知り、その取り組みの重要性を感じました。

ほやの味覚と栄養価

ほやは、うまみ、苦み、甘み、辛み、塩味の5つの味がバランスよく揃っているため、子どもの味覚形成にも良い食べ物であるとされています。シーズンによってこれらの味のバランスが変化するため、異なる季節にほやを楽しむことで、様々な風味を体験できます。また、ほやには認知症予防に効果的なプラズマローゲンが含まれており、栄養価の高さが強調されました。

持続可能な利用と宮城県の食文化

ほやの皮には動物性セルロースが含まれており、これを再利用することで廃棄物の削減に貢献しています。この持続可能な取り組みは、他の漁業や食産業にも広めるべきモデルケースです。

宮城県は牛タンやずんだ餅で有名ですが、これらの食材は実は県外からのものであることが多いとのことです。渥美様は、宮城県がほやの生産と消費で日本一であることを強調し、その地位をさらに広めていきたいと述べられました。

まとめ

渥美様の講義を通じて、ほやという食材の奥深さとその重要性を再認識しました。ほやの生態や栄養価、そして漁業の現状を学ぶことで、日本酒とともに楽しむ新たな食文化の一面を知ることができました。Miss SAKEとして、今回の学びを活かし、ほやを含む日本の素晴らしい食文化を広めていくことに尽力したいと考えています。渥美様の熱意と知識に感謝しながら、これからも様々な伝統や文化を発信していきます。

ほやの捌き方」

株式会社飛梅の副社長である佐々木國善様から「ほやの捌き方」に関する講義を受けました。佐々木様は、飛梅という飲食店を営んでおり、季節に応じて異なる方法でほやを提供し、いつでも美味しいほやを楽しめるように工夫されています。

ほやの特徴と捌き方

ほやは独特の形状を持ち、その捌き方には特有の技術が必要です。ほやにはプラス(+)とマイナス(-)と呼ばれる、いわば人間でいう口とお尻があり、捌く際にはプラスの部分から切断し、続いてマイナスの部分を切ります。具体的には、二つの突起の間に切れ込みを入れ、そこから根元の方まで切り込みを続けます。その後、中身を指を使って皮からはがし、肝や糞を取り除いた後、食べやすい大きさに切ります。

ほやの味わいと部位の特徴

ほやの味わいは部位によって異なり、特に苦みが強い部分もあります。佐々木様は、その特性を理解し、適切な部位を調理することで、最も美味しい状態でほやを提供する技術を教えてくださいました。

実際の体験

講義の後、私自身も実際にほやを捌いてみる機会がありました。鮮度の良いほやは皮と身をはがすのが難しく、最初は苦戦しました。しかし、幼い頃から沖縄で貝や魚を捌いてきた経験が役立ち、比較的スムーズに進めることができました。この経験から、ほや捌きの技術を新たな特技として追加したいと思いました。

飲食店での提供方法

佐々木様の講義では、飛梅でのほやの提供方法についても学びました。季節ごとに提供方法を変え、いつでも最高の状態でほやを楽しめるように工夫されています。例えば、夏場にはさっぱりとした味わいを引き立てる調理法が採用され、冬場には温かい料理として提供されます。このような工夫により、ほやの魅力を最大限に引き出しています。

まとめ

今回の講義を通じて、ほやの捌き方やその特性、そして提供方法について深く学ぶことができました。佐々木様のような専門家から直接指導を受けることで、より一層ほやの魅力を理解し、それを伝える役割を担うことができると感じました。Miss SAKEとして、今回の学びを生かし、日本酒とともにほやの美味しさを広めていきたいと思います。今後も、さまざまな食材や文化に触れ、その知識を発信することで、日本の素晴らしい食文化を国内外に広めていく活動を続けていきます。

今回の体験は、私自身の成長とともに、Miss SAKEとしての活動においても大きな財産となりました。ほや捌きの技術を磨き、さらなる挑戦を続けることで、日本文化の魅力をより多くの人々に伝えていきたいと思います。

銀鮭養殖とフィッシャーマンジャパンについて

日本酒と日本の文化を広めるアンバサダーであるMiss SAKEとして、今回は一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンの理事であり、株式会社マルキンの常務取締役でもある鈴木真悟様による「銀鮭養殖とフィッシャーマンジャパンについて」の講義を受講しました。この講義では、銀鮭の養殖プロセスやフィッシャーマンジャパンの取り組みについて詳しく学びました。

銀鮭養殖のプロセス

鈴木様は、銀鮭だけでなく、牡蠣やホタテ、わかめなどの海鮮物も取り扱っており、その広範な知識と経験を基に講義を進めてくださいました。銀鮭の養殖は、山での淡水を利用した卵のふ化から始まり、稚魚になるまで育てます。その後、真水と海水が混ざった生け簀に移し、塩分濃度を徐々に上げていきます。最終的には海水と同じ塩分濃度に達するまで段階的に育て、一つの生け簀には約3万尾の銀鮭がいます。飼料には魚由来の餌を与えることで、銀鮭の健康と成長を支えています。

 

技術と伝統の融合

これまで、銀鮭の養殖は勘と経験に頼る部分が大きかったですが、現在ではIoTなどの技術を導入し、水温や酸素濃度などのデータを数値化して管理しています。このデータの活用により、より精密で効率的な養殖が可能となっています。さらに、鈴木様の銀鮭はサーモンのasc認証を取得しており、これは世界的にも高水準の鮭であることを証明するものです。この認証を取得することは非常に難しいため、その達成は非常に価値があります。

フィッシャーマンジャパンの取り組み

フィッシャーマンジャパンは、三陸の若きフィッシャーマンたちで構成されるチームであり、地域や業種を超えて未来の水産業の形を提案しています。彼らは「カッコいい、稼げる、革新的」の新3Kを理念に掲げ、次世代が憧れる水産業を目指しています。この活動は、音楽、IT、アパレル、芸人、学校、Yahoo!Japanなど、多様な業界と連携して進められています。

現在、フィッシャーマンジャパンはこの活動に賛同する人々を増やすための取り組みを強化しています。地域社会だけでなく、全国、さらには世界に向けて発信することで、次世代の水産業の発展に貢献しています。

まとめ

今回の講義を通じて、銀鮭の養殖プロセスや技術の進化、フィッシャーマンジャパンの先進的な取り組みについて深く理解することができました。鈴木様の情熱と取り組みは、日本の水産業の未来に大きな希望をもたらしています。Miss SAKEとして、これらの知識と経験を活かし、日本酒とともに日本の素晴らしい食文化を広めるための活動を続けていきたいと思います。フィッシャーマンジャパンのような革新的な取り組みを支援し、日本の水産業の発展に貢献することを目指します。

 

「三陸から日本の水産業を新3K産業に~日本酒輸出との関わり~」

2024年のMiss SAKEとして、日本酒と日本の文化を広めるために、株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング 海外事業部プロジェクトマネージャーであり、東北・食文化輸出推進事業協同組合の営業責任者である吉岡様から「三陸から日本の水産業を新3K産業に~日本酒輸出との関わり~」に関する講義を受けました。この講義では、三陸地方の水産業の現状と、そこから見える未来への挑戦について学びました。

東日本大震災と沿岸地域の現状

東日本大震災をきっかけに、沿岸地域の漁師と子どもが減少し、地域産業が大きな打撃を受けました。産業が衰退すると、地域全体が廃れてしまうという現実があり、これを克服するために多くの取り組みが行われています。

 

フィッシャーマン・ジャパン・マーケティングの取り組み

株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティングは、販売、飲食、コンサルティング、海外輸出など多岐にわたる事業を展開しています。特に注目すべきはTRITON PROJECTです。このプロジェクトでは、住居(シェアハウス)の提供や観光型体験(ツーリズム)を通じて、まずは現地に人々を呼び込み、地域の魅力を体験してもらうことを目指しています。

また、漁師学校の生徒が1泊2日で産地の現状を学び、地元の高校生に授業を行うなど、若い世代に対しても積極的に情報を提供しています。さらに、水産業に特化した求人サイトを作成することで、多くの人々に水産業の魅力と現状を知ってもらうための取り組みも進められています。

 

沖縄の離島地域への応用

沖縄の離島地域でも人口減少と担い手不足が深刻な問題となっています。フィッシャーマン・ジャパン・マーケティングの取り組みを参考に、まずは現地に足を運んでもらい、地域の魅力を知ってもらうことが重要です。このような活動が離島地域の問題解消の鍵となる可能性があります。

 

6次産業化の推進

また、1次生産者が販売まで手がける6次産業化の運動も広まっています。これにより、生産者が直接販売を行うことで収益を上げ、「稼げる」仕組みを作ることが可能となります。これは、地域産業の活性化に大きく寄与する取り組みです。

日本酒輸出との関わり

講義の中で、日本酒輸出との関わりについても触れられました。日本酒は海外市場でも高い評価を受けており、その輸出を通じて日本の食文化を広めることができます。フィッシャーマン・ジャパンの活動と連携することで、日本酒と水産物の両方の魅力を国際的に発信し、地域産業の活性化に繋げることが期待されます。

 

まとめ

吉岡様の講義を通じて、三陸地方の水産業の現状と未来への取り組みについて深く理解することができました。地域の魅力を発信し、若い世代や他業界との連携を強化することで、持続可能な産業の発展を目指すフィッシャーマン・ジャパンの取り組みは、非常に感動的でした。

 

Miss SAKEとして、今回学んだ知識を活かし、日本酒と日本の食文化を広める活動を続けていきたいと思います。特に、地域産業の活性化と持続可能な発展に貢献することを目指し、フィッシャーマン・ジャパンのような革新的な取り組みを支援し、日本の水産業の未来をともに築いていきたいと考えています。

 

「日高見 平孝酒造 平井社長による日本酒講義」

日本酒と日本の文化を発信するMiss SAKEとして、今回、平孝酒造の平井社長による日本酒講義を受けました。平孝酒造は、食事、特にご飯との相性を考えた日本酒造りを行っており、その哲学と実践について多くを学ぶことができました。

ご飯に合う日本酒造り

平孝酒造のお酒は、日本酒単体で飲むのではなく、ご飯に合うために造られています。特に、社長が江戸前寿司の親方と出会ったことが酒造りに大きく影響を与えており、その出会いが酒造りに対する考え方を変えました。実際に試飲してみて、お寿司のネタと合わせていただきたいと思いました。今度お寿司屋さんで日本酒を頼む際には、日本酒の産地が魚介類で有名な場所なのかも選ぶ基準の一つにしようと感じました。

 

味わいと相性

平孝酒造の「超辛口」は、香りが華やかで酸味が感じられる日本酒です。お燗は39℃が適温で、口当たりがまろやかで甘すぎず、お米の味がしっかりと残るのが特徴です。このまろやかさは、酢じめにしたあおぜや赤身などの繊細な酸味を持つ魚介類に非常に適しています。

また、「純米吟醸 弥助」は、白身魚、貝、ホタテ、ゆでた甲殻類などの繊細な旨みを持つ魚介類との相性が抜群です。38℃のぬる燗にすると、ご飯の味に寄り添うような味わいになり、食事全体を引き立てます。

日高見の印象

「純米大吟醸 日高見」は、私が初めて飲んだ日本酒で、その時に素直に「日本酒って美味しい!」と感じました。それ以来、多くの日本酒を試してきましたが、日高見の存在は強く記憶に残っています。その理由の一つは、印象的なパッケージデザインです。宮城のほやや牡蠣が描かれた魚ラベルは、「宮城ってどんなところなんだろう」「行ってみたいな」と自然に思わせてくれるものでした。また、歌舞伎の助六をモチーフに描かれたラベルも、日本の文化や生産者の思いが伝わるデザインで、非常に印象的でした。

 

震災と宮城の現在

講義の中で、東日本大震災が現在の宮城を形作る大きな要因であることを改めて感じました。震災の影響は大きく、その経験が宮城の人々と文化に深い影響を与えています。このことを理解することで、平孝酒造の日本酒に込められた思いや背景をより深く感じることができました。

まとめ

今回の平井社長による講義を通じて、平孝酒造の日本酒造りに対する深い哲学と情熱を学びました。ご飯との相性を考えた日本酒造り、その味わい、そして印象的なパッケージデザインなど、多くのことが心に残りました。Miss SAKEとして、この学びを活かし、日本酒と日本文化をさらに広めていく努力を続けていきたいと思います。

 

ナデシコプログラムとは…

Miss SAKE ファイナリストが受講する「一人の自立した女性として成長するため開かれる特別講義」のことです。

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