みなさま、こんにちは。
2021 Miss SAKE 松崎未侑です。
4月1日(土)に愛知県名古屋市にございます金虎酒造にて開催された第一回「桃虎祭」で、日本酒講座をさせていただきました。
多くの方が「こんな名古屋の街中に酒蔵があるのですか!」と驚くことも多い金虎酒造様は、愛知県名古屋市北区に酒蔵を構えており、弘化二年(1845年)、善光寺街道入口山田村(現名古屋市北区山田)にて初代大阪屋善兵衛様が酒造業を始めて以来、代々越後杜氏の技を活かし、手作りを心がけて酒造りを継承されてきました。
代表銘柄は「金虎」「虎変」「大吟醸 名古屋城 本丸御殿」「純米大吟醸 名古屋城」など、酒質の設計にこだわり、着地点を見据えた科学的な日本酒造りと、シーズンごとに開かれる蔵開きでは劇やライブ、講座などエンターテイメントを交えながらファンの皆様を楽しませています。
杜氏の木村 伸一様は、20代の若さで全国新酒鑑評会6年連続金賞受賞を果たし、その他にも数々の賞を受賞している愛知県指折りの実力派。気さくに話しかけてくださる優しい印象の一方で、酒造りには一切の妥協を許さず、ストイックなまでに良い酒を追い求めていらっしゃいます。
そんな金虎酒造様の今春初の試みが、『桃虎祭』。
私も大好きな春の定番となりつつある「Pinky Tiggy」という紅色の梅酒とにごり酒をブレンドさせた商品を連想させるタイトルです。
ドレスコードは桃色ということで、会場中に桃色のお召し物を着ている方が溢れており、ピンキーティギーのステッカーのプレゼントがございました。私もコーディネートに合わせて、株式会社三松様より桃色の振袖をお貸出しいただきました。左上のお写真は、会場に駆けつけてくれた2023 Miss SAKE愛知代表の森川様と撮影いたしました。
Pinky Tiggy POPUP BAR!!に加えて、KCT2023純米VSアル添利き当てチャレンジブースや、虎変・金虎有料試飲、Food×Bar=Saloon キッチンカーが会場を賑わせました。お昼は江戸享保年間創業で無添加にこだわる熊野屋特製春弁当をいただきました♪
今回のメインステージは二本立て。名古屋おもてなし武将隊2代目豊臣秀吉役を3年間務め、俳優として舞台やドラマで活動中の菅沼翔也さんミニライブと、「KCT2023 純米VSアル添」 Miss SAKE日本酒講座が催されました。
KCT(キントラチャレンジタンク)とは、1年に1度チャレンジテーマを設定し、従来の金虎酒造のラインナップとは異なるコンセプトや製造手法の日本酒を限定で製造するシリーズです。毎年新しい日本酒造を追求するその水野専務からのストイックな姿勢に、日本酒造りへの気概を感じます。
2023年のチャレンジテーマは「純米vsアル添」。飲む日本酒教材として、同じ米と酵母で製造した「純米」と「アル添(本醸造)」を飲み比べられるセットに加え、水野専務と木村杜氏が監修した金虎酒造オリジナルテキストブック付きで販売されています。
プレミアム日本酒の人気が高まる昨今のトレンドの一方、通常「アル添」と呼ばれる「醸造アルコールを添加したお酒」にはまだ少し偏った考えを持っている方もいらっしゃるかと思います。
私は講座の中で2セクション:
①純米酒・アル添酒とは?その目的と効果・特徴、②テイスティングで比べる純米酒vsアル添酒を紹介させていただきました。
①純米酒・アル添酒とは?その目的と効果・特徴
醸造アルコールを添加するのには、大きく4つの目的があります。
①日本酒の味を淡麗にする (淡麗な日本酒は蕎麦や、鮑など素材のおいしさを引き立てます。)
②日本酒の香りを引き立たせる (アルコール分子と香り分子は仲良しなので、吸着しやすく、95%までアルコールを蒸留させた醸造アルコールは香りを引き立てる効果があります)
③酒質の安定 (アル添酒は、日本酒の味が変わる原因となる火落ち菌の繁殖を抑制する効果があります。)
④リーズナブルな日本酒の製造 (毎日気軽に日本酒を楽しみたい方にとってはとても大切なポイントですよね。)
②テイスティングで比べる純米酒vsアル添酒
テイスティングセッションは、外観、香り、味の3段階に分けて、それぞれ丁寧に日本酒を観察いたしました。
外観:無色透明の純米酒に対して、レモングリーン(ほのかなレモン色)な本醸造。とろみは純米酒>本醸造。
香り:フルーティーな吟醸香が特徴的なのですが、洋梨感が強い純米と、青リンゴ感が強い本醸造。香りのボリュームは純米酒>本醸造。
味:どちらも桃のようなまろやかさが特徴。純米酒は白桃、青いバナナ、コットンキャンディーのような飲み口とカシューナッツのようなクリーミーな後味に対して、本醸造は黄桃に加え、草原を彷彿とさせる新緑の香りと、ジンジャーっぽい苦味がクセになり、爽快な辛口フィニッシュ。
本飲み比べセットは特に、本醸造のおいしさが際立つ商品で、「これまでのアル添の印象が変わった!」「こんなにフルーティーかつ辛口な本醸造があるなんて感動!」「もっといろんな本醸造を飲んでみたい!」との感想が寄せられました。
木村杜氏のこだわりは、アルコール添加のタイミング。醪の発酵を終え、上層の30分前に醸造アルコールを投入し攪拌、均一に馴染ませ、アルコール分子と香り分子が吸着したところで日本酒を搾るという職人技にそのおいしさが隠されているのです。
商品情報
KCT2023「飲む日本酒教科書 純米vsアル添」 720ml×2本セット 3,300円(税込)
金虎取扱酒店にて購入できます。お問い合わせは金虎酒造まで。
この度は清々しい晴天のもと開催された第1回桃虎祭にて、何をいただいても美味しい金虎さんの日本酒と共に、たくさんの方々と酒縁を噛み締められ、大変幸せな時間を過ごさせていただきました。私はMiss SAKEとして国際的な日本酒資格であるWSET SAKE Level 3を取得させていただき、今回は初めてMiss SAKEとして、酒の造りに特化した講義をする機会を賜り、準備の段階から水野専務に様々なことを教えていただきました。
この経験を糧に、今後も益々多くの方と日本酒の魅力、精密な化学と日本のものづくり、そして日本酒と密接に育まれた日本の食文化の魅力を分かち合っていけるよう活動に励んでまいります。
今回のイベント成功に向けてご尽力された金虎酒造の水野専務、木村杜氏をはじめとした従業員の皆様、当日スタッフの皆様、日本酒講座にご参加くださった皆様、足を運んでくださったご来場者の皆様に、心より感謝申し上げます。
2021 Miss SAKE
松崎未侑