来る6月21日。
新型コロナウイル蔓延防止のため延期や規模縮小など、様々な困難な状況に見舞われた今年のMiss SAKEですが、いよいよ2021 Miss SAKE Japan 最終選考会が行われます。
ファイナリスト一同、約2ヶ月に渡るナデシコプログラムを含め、その日に向け様々な努力、学習を重ねて参りました。
泣いても笑ってもその日に決まる。
私は最終選考会での自己PRにスピーチで挑むことに決めましたが、私の伝えたいことをより具体的にイメージして頂くには動画は不可欠。
ということで、ナデシコプログラムがなかった6月13日、14日に 車に大量の機材を積み、カメラマンと共に宮城へ撮影に行って来ました。(コロナ対策も兼ね車移動にしました)
今回カメラマンとして協力してくれたのは大学時代の演劇サークルの同期で、現在は東北新社に勤める友人です。
わたしのスピーチの裏テーマは、水。
そのため、終始「水」にこだわって撮影をしました。
13日 23時、実家に到着。
そのタイミングで、アシスタントとして同行してくれる友人とも合流し、3人でまずは日本酒を撮影しました。
お猪口に一滴の雫が跳ねるシーンでは、スポイトで吸った水を慎重に真ん中に落とし、それをスーパースローカメラで撮影するのですが・・。これが本当に大変な作業でした。
まず、お酒を一滴だけ垂らすのが難しい。
さらに、カメラのピントが合っているど真ん中に、高いところから落とさなければならならず、何度も失敗を繰り返しました。
深夜まで及ぶ撮影ののち、雫がくっきりと跳ね上がった最高のショットが撮れました!
翌日は朝7時半に出発し、七ヶ浜にある菖蒲田浜海水浴場へ。ここは、震災の津波で大きな被害を受けた場所です。
菖蒲田浜海水浴場は全国で3番目に古く、東北地方では最も古い由緒ある海水浴場で、2016年にようやく営業再開できました。
家族で海水浴、となると必ずこの海だったこと。そして取材などを通し復興までどれほどの苦労を重ねたのか知っていた事などから、今回の撮影では「菖蒲田の海を撮りたい」という思いがありました。
朝早いと言えど、すでに帰り支度をしているサーファーの方がいらっしゃる中、まずは浜に打ち上がった海藻の除去作業から。
美しく整ったところで撮影開始です。
海辺に照明を立て、波に足を取られながら必死に撮影をしました。
ここでは,海を越え日本人の誇りが繋がっていくことを予見させるいいシーンが撮れたのではないかと思います。
つづいて向かったのは愛宕神社。
伊達氏と共に米沢から仙台に移ってきた唯一の神社で、広瀬川を望める展望スポットでもあります。そこでは自然豊かな仙台と広瀬川の様子を撮影。
展望スポットは県内多くありますが、広瀬川を望めるという理由でこちらにしました。
その後、仙台駅前アーケードで雑踏を撮影した後は、太白区秋保にある秋保大滝へ。
滝壺まで1キロ弱のプチハイキング。山を下っていくと、滝壺と、ものすごく近い距離に滝があり、宮城県民のパワースポットとして愛されている場所です。
あまりの美しさと迫力に一瞬撮影を忘れてしまうほど。
県外の方には是非とも訪れていただきたい名所です。
勢いよく落ちてくる力強い水や、川を流れる美しい水。裏テーマである水の様々な表情を撮ることができました。
この時点でスケジュールは予定よりかなり押してしまっています。
なんとか明るいうちに次の撮影をしたかったので泣く泣く切り上げ、車に乗りお隣福島県へ。
酒蔵の映像として、親戚の蔵元 金水晶酒造店に撮影をお願いしました。
*私は宮城代表ではありますが、福島にも山形にもゆかりがあり、心は東北代表と思っております。
こちらは親戚が営む酒蔵でとても思い入れがあるということ、そして宮城の酒蔵様一軒だけをピックアップするのはいかがなものかという考えから親戚にお願いいたしました。
金水晶は福島市唯一の蔵元で、全国新酒鑑評会で大吟醸が金賞を頂き、福島は県別金賞受賞数が日本一、8連覇となりました。
(金水晶酒造店としては5年連続14回目の受賞となりました。)
酒造りは終わっておりましたが、まだ酒粕の匂いが残る作業場。
幼い頃は「何だか分からないけどかっこいい!」と思っていた大きなタンクや圧搾機などは、WSETでその役割を学習した今だと全く違って見えました。
金水晶は福島市の中でもとても自然豊かな場所にある酒蔵です。裏には田んぼがあり、そこも含めて撮影をしました。
この日の撮影は20時半に終了。
この日に撮り切れたらこのまま埼玉に帰るつもりでしたが、時間の都合でどうしても難しく再び仙台へ・・・。
そのまま明朝4時まで編集作業をし、迎えた最終日。
今ちょうど見頃を迎えているポピーの撮影をしに、川崎町にあるみちのく杜の湖畔公園へ行きました。
この公園はとても広く、四季折々の花が咲き、様々なエリアごとに東北の風土や文化に触れることができる場所です。
途中大雨に見舞われながらも、見事に咲き誇る1万5千株のポピー畑を撮影することができました。
朝から撮影を始めたはずなのに、時刻はあっという間に午後3時。
私はお仕事のためここでリタイア。新幹線で、急ぎ大宮に向かいます。
カメラマンの友人はそのまま残ってくれて、最後に仙台城址からのぞむ街並みと日本酒の酒瓶の映像を撮影してくれたのでした。
今回は時間の都合で残念ながら仙台周辺のスポット撮影となってしまったのですが、編集が終わった映像を確認すると、宮城の自然の豊かさ、そよぐ風の優しさ、そして逞しく生きる宮城県民の強さ…
そんなものまで伝わってくるようです。
過酷ではありましたが、最終選考前このタイミングで宮城に帰れてよかったと心から思いました。多くの気付きがあり、故郷の魅力を再発見する事ができた旅となりました。
また、今回のスピーチに使う曲は友人が作曲,演奏してくれたオリジナルの楽曲です。
撮影と同時進行で曲を微調整し、ナレーションに合わせたテンポで演奏してくれました。
改めて、個の力も大切ですが、集の力、人を巻き込みどんどん大きくなるエネルギーの強さを身を持って感じました。
私が本気で挑んでるからこそ、本気で応援してくれて、本気で向き合ってくれた仲間たち。
そんな友人たちに心から感謝し、6月21日 最終選考会は背中と耳に友を背負い、挑もうと思っております。
2021 Miss SAKE 宮城 斉藤百香