皆さま、こんにちは。
2023 Miss SAKE 静岡 古橋花菜です。
静岡県藤枝市にある3蔵および焼津市にある1蔵を表敬訪問・酒蔵見学させていただきました。
今回は、それぞれの酒蔵の特徴をご紹介させていただきます。
【初亀醸造株式会社様(藤枝市)】
創業1636年の初亀醸造様は、静岡県最古の酒蔵です。
専務 橋本康弘様にご案内いただきました。「初亀」という名前には素敵な意味が込められております。
初日のように光輝き、亀のように末永く栄える
Shining brightly like the first sunrise and flourishing like a turtle forever.
1977年には「日本で最も高価な日本酒」として「秘蔵大吟醸 亀」が発売されました。
その後、「大吟醸の初亀」として高級日本酒の市場創出に貢献されました。
橋本様は「静岡に足を運んでもらい、地元の食材と共に飲んでもらいたい」という想いが強いとのことです。一方で、海外への出荷もあります。
さくらももこ先生とコラボされていている大人気なこちらは、私もナデシコプログラムに持参し、各県代表の2023 Miss SAKE ファイナリストの同期に喜んでもらえたことが記憶に新しいお酒です。「ちびまる子ちゃん」コラボのラベルは、なんと東南アジアの国でも人気があるのだそうです。静岡県民としては、大変喜ばしいことです。
さくらももこ先生デザインの亀がいる可愛らしいデザインのラベルですが、今回は橋本様に秘密を教えていただきました!
亀の上にある赤い丸ですが、実は「富士山の初日の出」を表しているだけではないそうなのです。
お気づきの方はいらっしゃいますでしょうか?
「ちびまる子ちゃんの頬」です。
まだお酒が飲める年齢ではないためちびまる子ちゃん自体は描かれておりませんが、ぷくっとした可愛らしいほっぺたが隠れていました。ちょっとした仕掛けが面白いラベルであることに橋本様のお話をお聞きして初めて気付きました。高級感を保ちつつも楽しい仕掛けのあるラベルであると思いました。
初亀醸造様のお酒は、あえて酸や甘みをつけることなくドライですっきりとした飲み口です。スルスルと飲める飲みやすいお酒であり、プレゼントとしても大変喜ばれます。蔵元のこだわりをお聞きしました。
「トレンドに左右されることなく、地域性・独自性を色濃く出し続けたい。」
そのお言葉には、強い意志を感じました。
静岡県は、洋酒のように香りが強く華やかなお酒が流行りつつある中、独自性を貫いているスタイルのある県です。
時代の流れに乗りつつも、静岡県ならでは、そして初亀醸造様ならではのスタイルを貫き、今後も美味しいお酒を醸し続けていただきたいです。
コロナ禍における大変興味深い取り組みについてお話を聞かせていただきました。
ご近所の4,000世帯に引換券を配り、日本酒を配ったそうです。
また、地域の成人の集いで、成人した方々には(誕生日を迎えられていない方は、誕生日が来た後に)「晴れの日は、日本酒でお祝いを」という思いを込めてお酒を配られたそうです。
それまで、初亀醸造様のお酒は飲食店で飲まれることが多かったそうですが、このような取り組みが家庭でも楽しんでもらうきっかけになったのだそうです。
このように、コロナ禍でも前を向き、地域の方々や学生とのつながりを大切にされている初亀醸造様の取り組みはとても素敵であると感じました。
酒造りの工程も丁寧にご説明いただきました。
ここでの一番の学びは、お米に対して振りかける麹菌の量が、味を大きく左右するということです。麹菌にも種類があることや、麹菌を振る量によっては酒粕がたくさん出ることなど、これまであまり麹菌に関して着目したことがなかったため、大変勉強になりました。
「初亀 大吟醸純米 瓢月」をいただきました。
お米は、兵庫県特A地区東条山田錦を使用されております。
玉露のような繊細で奥深い味わいを吟醸酒で表現されたという「瓢月」ですが、地元の茶室より命名されたそうです。
マスカットを思わせるようなほのかな香りとスッキリとした味わいで、どのようなお食事にも合う万能な食中酒であると思いました。ボトルのデザインも素敵で、お祝いなどにもピッタリではないでしょうか。
橋本様、夢中で聞き入ってしまうような貴重なお話をたくさんお聞かせいただき、誠にありがとうございました。
【志太泉酒造様(藤枝市)】
創業明治45年の志太泉酒造様は志太地区の中では一番新しい酒蔵です。
代表取締役の望月雄二郎様にご案内いただきました。
蔵を訪れてまず初めに驚いたのは、壮大な緑の景色や美しい川などの豊かな自然に囲まれた立地です。
明治43年に移築してきた築100年を超える母屋と、それに並ぶ醸造蔵は、大変風情のある素敵な空間でした。
志太泉酒造様のお酒の仕込み水は、すぐ目の前を流れる瀬戸川の伏流水です。望月様によると、周辺地域一帯は水道が引かれていないのだそうです。酒蔵だけでなく、このご近所で生活されている方々もみな井戸から水を引いているのだそうです。実際に見てみると、川の水は大変綺麗で魚が元気よく飛び跳ねてキラキラと輝いているようでした。
透明で綺麗な仕込み水を試飲させていただきました。その柔らかい質のお水からは優しさを感じられました。このお水が使われていることが「志太泉」の美味しさの秘訣ではないでしょうか。
「Shida Cidre シダ・シードル Snow Flake Versioin」をいただきました。
淡い雪の結晶を瓶の底にある微かな米の滓で再現しているのだそうです。可愛らしい瓶の見た目からも涼しげな感じが伝わり、夏にぴったりな一本です。
シードル(林檎酒)という名前ではありますが、山田錦を100%使用した発泡性純米生酒です。発泡性が強いため開栓時に工夫が必要ですが、そのドキドキしながら開栓する過程すらも楽しんでしまいました。 ※澱が沈んでいても、決して振らないでください。
洋食にもよく合うので、日本酒を普段飲まれない方や苦手な方でも挑戦しやすいのではないかと感じます。お米の甘みを感じる一方で、強い発泡性があるため想像以上に辛口で、バランスよく飲みやすいスパークリング日本酒でした。
望月様、ご多忙中貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
【杉井酒造様(藤枝市)】
杉井酒造様は、創業1838年(天保9年)の銘柄「杉錦」で広く知られる酒蔵です。
代表であり杜氏でもある杉井均乃介様にご案内いただきました。
杉井酒造様は、生酛・山廃仕込みに特化している点で特徴的な酒蔵です。
個性的な酒質は、決して流行りには左右されないという杉井社長の意志が感じられます。3名+杉井社長で、冬の短期間に詰め込んで手間をかけながら丁寧にお酒が造られています。
熟成していて味に幅・コク・複雑さがある個性的なお酒を楽しむなら、圧倒的に「杉錦」。静岡で美味しいお料理と共に燗酒で味わってみるのはいかがでしょうか。
また、日本酒だけでなく焼酎や味醂(みりん)も製造されております。
こちらは、「うめ梅飛鳥山」というみりんと静岡県産無農薬栽培の梅だけを使った梅酒です。その原料である味醂は、もち米、米麹、本格焼酎のみ。そして、その自社製造の本格焼酎は純米酒を蒸留したもの。
原料を遡って行くと日本酒に繋がるというところに清酒・焼酎・味醂を製造している杉井酒造様ならではの奥深さを感じました。大変興味深い「うめ梅飛鳥山」を試飲させていただきました。
普通の梅酒とは違い、味醂の自然な甘みを感じて大変バランスのよい味わいでした。
杉井様、お忙しいところ伝統的で素敵な酒蔵をご案内いただきまして、誠にありがとうございました。
【磯自慢酒造様(焼津市)】
創業1830年(天保元年)の磯自慢酒造様は、焼津市唯一の酒蔵です。
2008年の洞爺湖サミットでは、乾杯酒として採用されるなど今や全国でも有名な磯自慢酒造様ですが、40年前までは東海圏で一番小さな酒蔵だったそうです。
この40年間の苦労や努力は計り知れません。
下記の4名にお話をお聞きしたり、蔵の中をご案内いただいたりしました。
代表取締役社長 寺岡洋司様
専務取締役 寺岡智之様
取締役醸造部長 山田英彦様
醸造部副杜氏 待井由朗様
貴重なお話をたくさんお聞きした中で、大変印象に残った寺岡社長のお言葉があります。
「自分がやろうとしていることは、絶対にブレちゃいけない。」
「時代に流されない。」
「初志貫徹。」
「シンプルがベスト。」
こういったお言葉は、まさに「磯自慢」を示しているようで大変感動いたしました。揺るがない精神を持って酒造りに取り組んできたからこそ、今の磯自慢酒造様があるということを感じました。
驚いたことに、蔵人13名中の7名が南部杜氏資格選考試験に合格されているのだそうです。
また、平成6年より醸造蔵内部をステンレス張りの冷蔵庫のような仕組みにし、常に清潔な環境を保っているのだそうです。
天井まで丸ごと綺麗に掃除をされているというお話を聞き、酒造りのために環境整備まで工夫されていることに感動いたしました。
特A地区東条特上米山田錦50%精米の「大吟醸純米 エメラルド」をいただきました。
フレッシュでフルーティな香りと、後味のキレの良さを感じました。
口に含んだ時の華やかな香りがありつつも、主張しすぎることなく丸みを帯びた味わいに、上品さを感じます。
貴重なお話をいただき、素晴らしいお酒は素晴らしい方々によって造られているということを実感いたしました。
寺岡社長、寺岡専務、山田様、待井様、誠にありがとうございました。
【FRONTIER TOJO 21 について】
「我々フロンティア東条21の会員蔵元12社のメンバーは、兵庫県山間部に位置します加東市東条地区産の山田錦を用いて、最高級の日本酒造りを目標として、1994年に結成された団体です。
日本酒の根幹をなす好適米、中でも最高品質の山田錦を守り、次の世代によりよい形で継承して行く事は非常に重要な事であり、価値のある事だと考えます。志を同じくする者がここに集い、地道に活動を続けております。」
今回お邪魔させていただいた「初亀醸造株式会社」様、「磯自慢酒造株式会社」様はフロンティア東条21のメンバーです。下記URLにて、是非詳細をご覧ください。
(www.isojiman-sake.jp/book/frontiertojo21/HTML5/sd.html#/page/1)
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【2023 Miss SAKE 静岡 古橋花菜 】
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【静岡県の6つの酒蔵に、2023 Miss SAKE 静岡 古橋花菜が訪問いたしました。】
Miss SAKE News/Blog:https://www.misssake.org/2023-shizuoka-sake-courtesy-call/
【三和酒造様に、2023 Miss SAKE 静岡 古橋花菜が訪問させていただきました。】
Miss SAKE News/Blog:https://www.misssake.org/2023-garyubai/